仮面ライダーチェイサー~奇跡の復活、そしてダチとの再会~第8話「何故、この世界に仮面ライダールパンは2人も存在するのか」
ダークメディック・ロイミュードとの戦いの最中、仮面ライダーメディックに変身する事が出来たメディックをまるで狙うかのようにして現れたダーク魔進チェイサーを止めるためにチェイスは封印していたブレイクガンナーを使って再び魔進チェイサーに変身して戦うものの一切ダメージを与える事が出来ないまま逃がしてしまったチェイスは無事に仮面ライダーとしての初めての戦いを終えたメディックと共にアジトがあるビルに帰ってきたのだった。
チェイス「戻ったぞ。」
ハート「一体、何があったんだ?メディック、チェイス!」
メディック「ハート様。詳しくはチェイスから聞いてください。」
ハート「チェイス、教えてくれるか?」
チェイス「ああ。ハートやブレンが遭遇したように俺もメディックと共に遭遇したんだよ。闇の魔進チェイサーにな。」
ブレン「そんな!やはりあの闇の集団の狙いはメディックだったということですか!」
チェイス「分からない。だが、俺というよりメディックが仮面ライダーになったことを奴らは驚いていたようだな。」
ハート「まあ。あれは奇跡の姿というか奴らの予想の範疇を超える姿があの仮面ライダーメディックだからな!」
ブレン「でも、妙ですね。メディックを狙ったとしてもチェイスの姿を見たら否が応でもお互いの光と闇の力をぶつけ合うはずなんですがそれを避けてまでメディックを狙ったという意味が分からないんですよね。」
メディック「ブレンの言う通りだと思いますわ。何故、あの偽者のチェイスは私を狙ったのでしょう?まるで、私を狙うことによってチェイスがどういう行動を取るのかを試しているような感じでしたわね。」
蛮野「それは簡単な話だよ。相手も闇の世界のチェイスなんだ。もしも自分の目の前で仲間が狙われたら本当にロイミュードは人間のように助けるのかという事を確認したかったんだろう。そして、その予想通りチェイスはメディックを命がけで守り抜いた。それを見たダーク魔進チェイサーもチェイスはそういう立場に立つ存在であると認識したという事だな。」
ハート「だが、1つだけ問題があるとすれば今まで識別番号順に出現していたダーク・ロイミュード達が急に008、つまりメディックが現れることを予感して闇の世界のメディックを呼び出すことにしたのかということだ。」
ブレン「一体、何が言いたいんです?ハート。」
ハート「ここまで言ってもまだ分からないのか、ブレン。俺はこの中にダーク・ロイミュードと手を組んでいる者、つまりスパイがいると言う事だ!」
チェイス「なんだと?」
ハート「もちろんチェイスやブレン、ゾルーク東条やクリム、りんな、ひかる達はスパイではないことは確かだが貴様だけは何度考えても信用出来ないんだよ、蛮野!」
蛮野「待て、待てハート。私は何度もお前に言ったはずだろ?今の所はお前らの味方だと。なのにそれを信用しようとしないお前の方がスパイなんじゃないのか?」
ブレン「いくらなんでもその言い草は聞き捨てなりませんね、蛮野!」
メディック「そうですわ!いくらなんでもハートがスパイのようなことをする訳がありません!一刻も早く私達に謝った方が身のためですわよ、蛮野!」
蛮野「何故、私が謝らなければならない?元はと言えば散々私が味方であることを教えたにも関わらずいっさい聞く耳を持たないハートの方が悪いと言っているだけだ。その上でハートの度重なる不振な行動をわざわざこの私が追求しただけだろうが!」
ブレン「それが迷惑だと言っているんですよ、蛮野!まだ分からないんですか!」
チェイス「ハート、ブレン、メディック落ち着け!蛮野、お前もだ!」
クリム「チェイスの言う通りだ。ここで我々がいがみ合うことこそ奴らの思う壷だ!いい加減にやめたまえ!」
りんな「クリムちゃんの言う通りだよ!ここで私達がいがみ合ったって何の解決にもならないでしょ?なんでそれが分からないのよ、ここで私達がバラバラになったら剛くんの努力が水の泡になるってなんで分からないの?」
チェイスとメディックによるダーク・ロイミュードの狙いから急に疑心暗鬼になり出したハート、ブレン、メディックと蛮野天十郎による言い合いから発展したスパイ疑惑の話は不穏と言う名の大きな渦を作るだけだった。しかし、そんなチェイスやクリム、りんなの忠告を無視して一触即発の危機に陥ったハート、ブレン、メディックと蛮野を止めたのは意外な人物だった。
?「そんなに蛮野を疑いたいって言うのなら1つだけ方法があるじゃないかよ。こいつがスパイかどうかを確かめる方法がな!」
チェイス「仮面ライダールパン。いや、ゾルーク東条。お前は今までどこにいたんだ?」
ゾルーク東条「別にどこだって良いだろう?俺だって密かに泊進乃介の居場所を探していたんだからな。」
クリム「それでなにか進展はあったのかい?サイバロイドZZZ。」
ゾルーク東条「いや、これといって大した成果は得られなかったぜ。一体私の永遠のライバルであるあの男は一体どこに行ってしまったのか?という疑問を胸に抱えながら帰ってきたと思ったらお前らが下らない事で言い争っている声が聞こえてな。すかさず入ってきたというわけさ。」
ハート「なんだと?何が貴様にとって下らない事だと言うんだ?」
ゾルーク東条「ハート、お前がそんなに蛮野をスパイだと思いたいなら次に俺達と戦うダーク・ロイミュードを予想してもらえば良いだろう?そうすれば予想と答えが当たっているかどうかも簡単に確認できるからな。」
ハート「なるほどな。だったらその作戦、やってやろうじゃないか!さあ、次に現れるダーク・ロイミュードを予想してもらおうじゃないか、蛮野!」
蛮野「予想も何も簡単な話じゃないか!ここまでお前達を狙ってきたダーク魔進チェイサーこと闇の世界のチェイスだよ!」
蛮野が予想を告げた次の瞬間、街にロイミュード反応を確認したりんなはカメラでその姿をチェックした瞬間、驚くことになるのだった。
りんな「え、どういう事?」
ひかる「どうしたんです?りんなさん。え?嘘でしょ!」
クリム「一体どうしたと言うんだい?ひかる、りんな。」
りんな「どうしたもこうしたもないわよ。これは緊急事態よ!」
ひかる「はい!だって…だってクリムさんが出てきたんですもん!」
チェイス「何?クリムだと!」
ハート「という事は俺達の予想は外れたという訳か。」
ブレン「ええ、そうなりますね。」
メディック「確かに私達が間違えておりましたわ。申し訳なかったですわ、蛮野。」
蛮野「まあ、いいさ。俺だってお前達の事を疑っていたんだからな。申し訳なかった。」
チェイス「このクリムが闇の世界の004だとしたら。」
蛮野「仕方がない。私が行こう!久々にゴルドドライブとしてな!」
ハート「待て、蛮野!このクリム何か持っているぞ?」
ブレン「確かに。これはルパンガンナーにも見えなくはないですよね。どう思います?怪盗さんは。」
ゾルーク東条「ありえない。あのルパンガンナーは国立科学博物館にかつて私の父が寄贈したものだぞ!何故、警報音を鳴らすことなく盗み出したんだ!」
チェイス「それよりもお前の父親も仮面ライダールパンだったのか?」
ゾルーク東条「ああ、私の父だけではない。私の祖父も仮面ライダールパンとして活躍していた。しかし、父がルパンを引退した後、一般人として何故か国立科学博物館にプロトルパンガンナーを寄贈し、私はその記憶を元にこのルパンガンナーを作った。なのに奴はそれを悪事のために使おうと言うのか!もう我慢など出来ないぞ、私達一族をバカにしようとするのならこの手であいつを倒してやる!」
そう叫んだゾルーク東条は周囲が驚いていることにも気にせずにビルから姿を消したのだった。
ロイミュード004「遂に私は追い求めていた力を手にした。必ずこの力を使えばあいつはやってくる!何故ならあいつの父親と祖父に散々この力で痛み付けられたからな!」
そんなことをダーク・ロイミュード004が叫んだその時、ゾルーク東条が現場に駆けつけたのだった。
ゾルーク東条「良くもそんなありもしないデタラメを話せるな!」
ロイミュード004「お前はゾルーク東条!会いたかったぞ!我が因縁の敵よ!」
ゾルーク東条「言っておくがその武器はお前のものでは無い!返せ、それは引退した私の父と祖父の物だ!」
ロイミュード004「断る!」
ゾルーク東条からの要求にそう答えたダーク・ロイミュード004はプロトルパンガンナーの中央ボタンを押すとピアノの音が鳴り響くのだった。
ロイミュード004「変身!」
そして、ダーク・ロイミュード004は全身が黒く染まった仮面ライダープロトルパンに変身したのだった。
ゾルーク東条「お前ごときが私達と同じルパンと言う名を語るなど絶対に認めない!」
そう叫んだゾルーク東条もルパンガンナーの中央ボタンを押すと共に周囲に宝石の光を撒き散らすのだった。
ゾルーク東条「変身!」
『Rupin』
ルパン「真のルパンはどちらなのか今、ここではっきりさせてやる!」
プロトルパン「面白い。なら、思う存分かかってこい!」
そして、ルパンは今までの戦いで見た事もないスピードでパンチとキックの連続攻撃を叩き込むのだった。
ルパン「どうだ?貴様ごときでは受け止めることも出来ないだろ!」
プロトルパン「確かにこの力は試作型。お前が完成品だと言うのならその差は歴然なんだろうな。だが!私にはこんなバイラルコアがあるんだよ。」
『チューン!ルパンランサー!』
ルパン「その武器は、まさか!ふざけやがって!」
そう叫んだルパンが再びパンチとキックの連続攻撃を叩き込もうとした矢先、ルパンランサーによる攻撃で反撃をしてきたのだった。しかし、その反撃を受けたルパンは、かつてサイバロイドZZZとしてのコアを消滅させる原因となったロイミュード100との戦いで100が変装したルパンが全く同じ攻撃をしていたことを思い出したことから追撃の一撃をなんとかルパンガンナーで防いだのだった。
プロトルパン「何?」
ルパン「悪いな。お前の攻撃は例え私が戦った訳でもないにせよ1度見ただけでしっかりと記憶しているんだよ!」
そう叫んだルパンはルパンガンナーにルパンブレードバイラルコアを装填したのだった。
『TuneLupinBlade』
ルパン「さあ、こいつで終幕といこうか、偽物!」
プロトルパン「ふざけるな。お前だけが刀を使えると思うな!」
そして、プロトルパンもまた新たなバイラルコアを取り出すとプロトルパンガンナーに装填したのだった。
『チューン!ルパンソード!』
プロトルパン「さあ、ブレードとソード。果たしてどちらの武器がルパンとして最強の武器なんだろうな!」
ルパン「それは決まっている!お前のような模造品みたいな武器ではなく俺が作ったルパンブレードが最強だ!」
プロトルパン「いつまでもそう思っているといい。いずれ分かる時が来るだろう、お前の武器が散々バカにしてきた模造品に負ける時がな!」
そして、ルパンブレードとルパンソードのぶつかり合いからお互いに連続の斬撃を繰り出すのだった。この勝負は周囲の誰が見てもまさに互角だろうと思った次の瞬間、一瞬の隙でバランスを崩したプロトルパンを見逃さなかったルパンはルパンブレードを使って畳み掛けるような連続攻撃を繰り出すとプロトルパンは地面を転がるのだった。
プロトルパン「なんという事だ、一瞬の隙をここまで貴様に責められるとはな!」
ルパン「だから言っただろう!偽物より本物の方が強いとな!これで終わりだ!」
そして、ルパンは必殺技を放つためにルパンガンナーの中央ボタンを押し込むのだった。
プロトルパン「させるか!」
そして、プロトルパンも同じようにプロトルパンガンナーの中央ボタンを押し込むのだった。
『UltimateLupinStlash!』
『アルティメットルパンスラッシュ!』
ルパン「食らえ!」
プロトルパン「負けるか!」
そしてぶつかり合ったお互いの必殺技により周囲は大爆発を起こすことになるのだった。そして、その爆炎の中で立ち上がっていたのはルパンだった。一方、プロトルパンは変身を解除されてしまい元のロイミュード004に戻るのだった。そして、ルパンの変身を解除したゾルーク東条は、004にプロトルパンガンナーの返却を再度命じるのだった。
ゾルーク東条「さあ、そのルパンガンナーを返してもらおうか!」
ロイミュード004「ハッ!これを貴様に返すだと?そんな事お断りだ!」
そう叫んだダーク・ロイミュード004はゾルーク東条の周囲にプロトルパンガンナーから放たれた弾丸を撒き散らして姿を消したのだった。
ゾルーク東条「チッ、逃がしたか。だが、まあ良い!いずれあのルパンガンナーは必ず私の手に取り戻して私の父と祖父のもう1つの願いであるプロトルパンガンナーの完全なる破壊を叶えてやる!」
そんなことを1人で呟いたゾルーク東条はビルとは反対の方向に再び歩みを進めるのだった。必ずプロトルパンガンナー奪還という目的を果たすために単独行動を取る道を選び、忽然と姿を消したのだった。