たとえ我が身を闇に染めても君を守る前編
男は夢を見ていた。いつもというか高校生の時から見る夢を。そこには不死鳥の剣士である仮面ライダーファルシオンが男にとって大切な女性を無銘剣虚無で斬り裂く夢だった。
ひかる「キャー!!」
○○「森田さん!やめろ〜!!」
ファルシオン「フハハハハ。お前は大事な女さえまともに守れない哀れな剣士だ!ハーハッハッハ!」
○○「貴様!」
そしていつもここで夢から覚めるのだった。最悪の結末で終わる夢を。
○○「はあ、またあの夢か…森田さん、貴方のことは俺が必ず守ります!」
男の名は上條○○。父親は仮面ライダーセイバーとして活躍する上條大地。そして○○の剣士としての戦い方を教えてくれたのは先代仮面ライダーカリバーであり、忽然とこの世界から姿を消した富加宮隼人だった。そして今はそんな隼人の代わりに面倒を見ている人物の屋敷の部屋で○○は目を覚ましたのだった。
マスターロゴス「おや、お目覚めですか?○○君。」
○○「ああ。ようやく目覚めたよ、マスター。」
彼の名はマスターロゴス。富加宮隼人の代わりに○○を剣士として立派に育てあげるために自身の屋敷に住まわせていたのだった。そしてマスターは見ていた夢の事について尋ねるのだった。
マスターロゴス「また彼女の夢を見ていたんですか?」
○○「ああ。彼女を救えなかったという最悪の未来をな。」
マスターロゴス「貴方の高校時代の同級生、森田ひかるさんですか。高校を卒業してからは会っていないんですよね?」
○○「ああ。俺は彼女に会う権利なんてないからな。」
マスターロゴス「そんなものですかね?」
○○「どういう意味だ?」
マスター「私としては例え高校時代の親友、ましてや女性だとしてもあなたはひかるさんを守る事で夢の結末を変えようとした。そうでしょう?」
○○「ああ、そうだ。」
マスターロゴス「1度限りの青春だ。どうです?剣士としてひかるさんに会ってみるというのは。」
○○「無理だよ、俺には。マスターには分からないんだよ、俺の苦しみなんかな。」
マスターロゴス「確かにそうかもしれませんね。しかし、上條大地と富加宮隼人、あの二人から貴方を預かった身ですからね。ゆくゆくは…ん?言わずもがなじゃないですか!○○、ゴーレムメギド出現です!」
○○「軽くあしらってくるさ。ん?森田さん?」
マスターロゴスがゴーレムメギドを発見した映像にはゴーレムメギドに追い詰められて右往左往しているひかるがいた。
マスターロゴス「正体を隠してでも守ったら如何です?」
○○「ああ、もう!分かったよ!マスター、ゲートを開けろ!」
マスターロゴス「かしこまりました。ブックゲート、オープン!○○、気を付けて。」
○○「ああ、行ってくるよ。」
そうマスターロゴスに告げた○○はブックゲートを通ってひかるを助けるために現場に向かうのだった。
ひかる「な、なんなのよ!この怪物、あっちに行ってよ!」
ゴーレムメギド「不死身の剣士の命令だ!大人しく着いてこい!」
ひかる「何なのよ、不死身の剣士って!絶対に嫌、ついて行かないからね!」
ゴーレムメギド「だったら仕方ない。力づくで連れていくか!ハアッ!」
そしてゴーレムメギドがひかるに対して攻撃をしようとした次の瞬間、ブックゲートが出現した。
ひかる「もう!今度は何?」
ゴーレムメギド「ま、まさか!」
『ゲート、オープン!』
○○「ハアッ!」
ゴーレムメギド「ウワーッ!」
ひかる「こ、今度は誰?」
ブックゲートから出現した○○は闇黒剣月闇の闇の衝撃波をゴーレムメギドに放つのだった。
○○「早く逃げろ。」
ひかる「え?」
○○「君にはこんな所で死んで欲しくない。だから早く逃げろ!」
ひかる「何かわからないけどありがとうございました!」
○○「ああ!」
自身の正体を明かせない○○はあえて謎の剣士を演じながら何とかひかるを助けて逃がす事に成功し、ゆっくりとゴーレムメギドの目の前に立ちはだかるのだった。
ゴーレムメギド「貴様のせいで全てが台無しだ!」
○○「お前にいちいち構っている暇はないんだ。悪いが速攻倒させてもらうぜ!」
そう告げた○○は懐からジャアクドラゴンワンダーライドブックを取り出して起動したのだった。
『ジャアクドラゴン!かつて、世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった1体の神獣だった…』
『ジャアクリード!』
○○「変身!」
『闇黒剣月闇!GetgoconquerthanGetkeen.(月光!暗黒!斬撃!)』
『ジャアクドラゴン!』
『月闇翻訳!光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!』
ゴーレムメギド「お前、闇の剣士だったのか!」
カリバー「そういう事だ、かかってこい!ハアッ!」
そして闇黒剣月闇を手にしてゴーレムメギドに連続斬撃を放ち、その斬撃をくらったゴーレムメギドは地面を転がりながらも岩石をカリバーに向けて放つのだった。
カリバー「お前の攻撃など既に見切ってるんだよ!ハアッ!」
ゴーレムメギド「な、なんだと!ウワーッ!」
ゴーレムメギドが放った岩石を全て躱して闇黒剣月闇による強烈な一撃を放ったガリバーの気迫に地面を転がりながらもゴーレムメギドはなんとかして逃げ出そうとするのだった。
ゴーレムメギド「ふざけやがってよ!」
カリバー「敵に背を向けて逃げるとは情けないメギドだ。一気に消してやる!」
そしてカリバーはジャアクドラゴンワンダーライドブックを闇黒剣月闇にリードしたのだった。
『必殺リード!ジャアクドラゴン!習得一閃!』
カリバー「ハアッ!」
ゴーレムメギド「ウワーッ!」
闇黒剣月闇から二枚の紫色のエネルギー刃を飛ばした上でエネルギーは途中でX字に合体しながらゴーレムメギドに向かっていき衝突した瞬間、大爆発を巻き起こしゴーレムメギドを倒したのだった。
カリバー「森田さん!あの逃げた方向こそバハトが!」
マスターロゴス「○○、またメギドです!」
カリバー「クソッ、しつこいんだよ!」
ハクチョウメギド「闇の剣士、覚悟!」
そして強烈な爪で切り裂いてきたハクチョウメギドの一撃を防げなかったカリバーは吹き飛ばされてしまうのだった。
カリバー「お前ごときに構っている暇はないんだよ!俺は…俺は森田さんを助けないといけないんだ!」
叫びながら立ち上がったカリバーは闇黒剣月闇を地面に突き刺すと闇のオーラが現れ、ハクチョウメギドを拘束したのだった。
ハクチョウメギド「な、なんだこれは!」
カリバー「これでお前は終わりだ!」
そう叫んで闇黒剣月闇にジャアクドラゴンワンダーライドブックをリードしようとした次の瞬間、何処からか不死鳥が姿を現すと共にカリバーに一撃を食らわすと共に何処かへと再び姿を消したのだった。
カリバー「今の不死鳥、まさか!おい、マスター!見てたよな!」
マスターロゴス「ええ、しっかりと。もしかすると○○が見たあの夢の映像は今日、この時だったと言う訳ですね。」
カリバー「なるほど。じゃあ、森田さんが危ないじゃないですか!」
マスターロゴス「ええ、早く倒して不死鳥が行った方向に向かわないとマズいですね!」
そして不死鳥の向かった方向に追いかけるためにハクチョウメギドにトドメを刺そうとしたカリバーの背後から羽を広げて攻撃を仕掛けてきたのだった。
カリバー「グハッ!」
ハクチョウメギド「よそ見をするな!闇の剣士!」
カリバー「なめやがって!こいつで終わりだ!」
そしてカリバーは闇黒剣月闇を必冊ホルダーに納刀してトリガーを引くと共に抜刀する事で発動するのだった。
『月闇居合!読後一閃!』
カリバー「ハアッ!」
ハクチョウメギド「ウワーッ!」
闇黒剣に紫色のエネルギーを収束し、振るうと同時に巨大な斬撃を飛ばすことによりハクチョウメギドを倒したのだった。
カリバー「待ってろよ、森田さん!」
そしてひかるを追いかけるようにして走り出したカリバーは広場に向かうのだった。一方、ひかるが向かった広場には既に不死鳥が降り立ち、不死身の剣士ことバハトの姿になるのだった。
ひかる「な、何?今度はなんなのよ?不死鳥が人になるし!」
バハト「ハハハ。久々にこの世界にやってきたが相変わらずこの世界の人間は甘いな。危機感が無さすぎる!ん?手始めにまずお前に恐怖を与えてやろうか?」
そしてバハトはゆっくりと無銘剣虚無をひかるに向けたのだった。
ひかる「何?なんなのよ、私が何したって言うのよ!」
バハト「悪く思うなよ、女。何も言わず俺の剣の餌食になれ!」
ひかる「や、やめて!誰か助けて!キャー!」
バハトがひかるに無銘剣虚無を振りおろそうとした次の瞬間、空から声がしたのだった。
カリバー「やめろ!森、彼女に手を出すな!」
『ジャアクドラゴンワンダー!』
カリバー「父さんがブレイブドラゴンに乗れたから俺も乗れるかなと思ったら何とか乗れたぜ!ハアッ!」
そしてジャアクドラゴンワンダーに乗って地上に降下し、ひかるとバハトの前に降り立ったカリバーはジャアクドラゴンワンダーの頭を撫でながら語るのだった。
カリバー「ありがとうな。ジャアクドラゴン!」
そしてジャアクドラゴンワンダーがワンダーワールドに帰るのを見届けたカリバーはゆっくりと振り返りバハトと対峙したのだった。
バハト「お前が俺を倒すって言うのか?笑わせるな!」
カリバー「必ずお前を倒して俺の夢の結末を変える!その為だけに俺は闇に身を染めたんだ!」
後編に続く
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