仮面ライダーセイバー~3人の配下と邪悪な龍~第4話「蓮とデザストに起きる最悪の出来事前編」
よう、久しぶりだな。デザストだ。この前はこの街にあの男、闇の剣士こと上條大地が帰ってきた話をしたな。まあ、まさかあいつがこの世界に帰ってくるとは思わなかったが…こっちとしては好都合と言いたかったがグレンの野郎、レジエルを復活させやがった。このままだとズオスまで生き返る可能性がある。そうすれば…ストリウスはどうなる?まさか…クローンでも生み出すつもりか?それに上條大地は雷の剣士の父親を倒すために再び闇黒剣月闇を手にして闇の剣士、仮面ライダーカリバーに変身した。どうやら今度は世界を破壊するためではなく俺達と共に世界を守るなんてほざいてやがるが…本気か?まあ、それはさておき上條がノーザンベースに来たらきっと蓮の奴、怒るかもな…
賢人「一体俺の聖剣を封印させて父さんは何したいんだ…」
蓮「今の所、何の情報がないってのもおかしな話だよね?本当にその人が賢人くんのお父さんで何者かに操られてるんだとしたら…」
ユーリ「今は調査に出かけた尾上や大秦寺の情報が届くのを待つしかないか。」
倫太郎「そうですね。これ以上聖剣だけでなく剣士まで分断されるわけにはいきませんから…」
そんな事を倫太郎、賢人、蓮、ユーリが話しているとそこにソフィアとデザストが姿を現した。
ソフィア「皆さん、お揃いのようですね。」
倫太郎「ソフィア様、どうしたんです?」
ソフィア「ブレイズ。その件に関してはデザストから。」
蓮「どうしたんだよ、デザスト?」
デザスト「聞いて驚くなよ、蓮。」
蓮「何だよ?」
デザスト「闇の剣士が動き出した。」
蓮「闇の剣士って賢人くんはもうカリバーじゃないだろ?」
デザスト「はっ、バカかお前は!」
蓮「な、なんだと!」
デザスト「雷の剣士の前に闇の剣士としてお前を倒すために姿を見せていた奴がいただろ?」
蓮「まさか!」
倫太郎「上條大地ですか?」
デザスト「ああ。あいつがまた闇黒剣を手にしただけでなく今度は俺たちに協力するために戦うらしいぜ。」
賢人「そんな…父さんだけじゃなく…上條大地まで復活した挙句に今度は俺達と一緒に戦うだと…こんな事、飛羽真に話すことなんて出来るわけない…」
倫太郎「そうですよね。飛羽真は賢人くんのために上條大地をドラゴニックナイトの力で倒したのに…こんな事…あんまりですよ…」
ユーリ「確かに。俺の光の剣とカリバーの闇の剣、相反するものとは言うが今まで正義と悪をさ迷い歩きその上元の持ち主の元に帰った剣を使って人々を守る…やはりその上條大地という男、裏ではグレンとやらの手先かもな…」
蓮「ふざけんなよ…」
ソフィア「剣斬?」
蓮「俺達を狙って…賢人君を消滅させた張本人が…今更どの面下げて俺たちの味方になりたいって言ってるんだよ!」
倫太郎「蓮…」
賢人「落ち着け、蓮。」
蓮「落ち着いてなんかいれるか!賢人君は良いのかよ、あいつが俺達の味方になっても!」
賢人「今の俺たちは少しでも味方が多い方が良いと思っている。それに今止めるべきなのはグレンと復活を果たした父さんだ。」
蓮「だからってあいつを受け入れるなんて俺は絶対無理だから!」
そんな言い合いをしていた蓮と賢人の目の前に仮面ライダーカリバーこと上條大地が現れた。
上條「どうやら俺は邪魔みたいだな。」
倫太郎「本当に来ましたよ。」
賢人「上條大地…」
ユーリ「まさか本当に復活していたとはな…」
ソフィア「お久しぶりですね、上條大地。」
上條「元気だったか?ソフィア。」
ソフィア「ええ、なんとか。」
上條とソフィア達の会話を見ていた蓮は怒りを込めた表情をしたままノーザンベースから立ち去ろうとしていた。
上條「おい、風の剣士。雷の剣士の話を聞いていなかったのか?今、倒すべき敵は富加宮隼人…雷の剣士の父親とグレン、そして復活するであろうメギド軍団だ。」
蓮「そんな事お前に言われなくても分かるんだよ。」
上條「なら今こそ昔のしがらみを払って手を取り合うべきじゃないのか?」
蓮「断る!」
上條「何?」
蓮「あんたと組むくらいなら俺はひとりでそのグレンって奴を倒してやる!」
デザスト「おい!待てよ蓮!」
そう告げてノーザンベースを飛び出した蓮をデザストは追いかけた。
上條「デザスト?」
デザスト「蓮の事は俺に任せな。あいつの事はそれなりに分かってるつもりだからな。」
上條「なら任せたぞ、デザスト。」
デザスト「ああ。」
そしてデザストもまたノーザンベースを飛び出した。
蓮「なんでなんだよ…賢人くん…倫太郎もユーリもあんなやつを信じやがって…俺は絶対に認めないからな…」
そう告げて公園のブランコで不貞腐れていた蓮の背後からデザストが声をかけた。
デザスト「全く探したぞ、蓮。」
蓮「デザストか…何の用だよ。」
デザスト「お前が上條大地を憎んでるのは分かるぜ、蓮。」
蓮「分かってるならあいつを仲間に引き入れるなよ、なんであんなことしたんだよ!」
デザスト「仕方ねぇだろ!今は仲間が…剣士が1人でも多い方がいいに決まってんだろ!そんな事を言われなきゃ分かんないようになっちまったのかよ、お前は!」
そんな言い合いをしているデザストと蓮の目の前に仮面ライダーダークネスことグレンが姿を現した。
グレン「隼人の言う通り貴様らノーザンベースの剣士はバラバラになりそうだな。」
デザスト「はあ?誰だ、お前?」
蓮「俺達の会話に割り込んでくるなよ、何が狙いだ!」
グレン「おやおや。せっかく復活したメギドとまだ仲良しこよしですか。風の剣士こと仮面ライダー剣斬。」
デザスト「俺と蓮が一緒にいるのがそんなに気に入らないのか?ん?この匂い…」
蓮「どうした?デザスト?」
そしてデザストが目の前に立つ男の匂いが戦いに飢えている匂いであり、彼こそがグレンである事に気付いた。
デザスト「ほう。お前がグレンって奴か。」
蓮「ほ、本当か?」
デザスト「ああ。あいつの身体から溢れ出る匂い…正しく戦いに飢えた剣士…それから雷の剣士の匂いまでしやがる。」
グレン「ご名答!さすがはメギドだ。そう、グレンは俺だ。そしてお前の仲間であるエスパーダの聖剣を封印したのも…俺だ!」
蓮は雷鳴剣黄雷を封印したのが目の前のグレンであり自身の聖剣さえも封印しようとしていることを知りつつもグレンの目の前に立ちはだかった。
蓮「そうか。お前が賢人くんの聖剣を封印した闇の剣士か!」
グレン「ああ。そしてお前の聖剣も俺が封印してやる。俺の目的の為にな!」
蓮「やれるもんならやってみろ!」
そう告げて風双剣翠風を構える蓮をデザストは制止した。
デザスト「よせ、蓮!あいつがどんな力を使うかも分からないんだ。無闇に戦うんじゃねぇ!」
蓮「安心しろ、デザスト。お前と戦うまでは風双剣翠風は封印させない!」
デザスト「分かった。なら思う存分戦いやがれ!」
そう告げてデザストは一歩下がって蓮の戦いを見守ることにした。
蓮「行くぞ、賢人くんの敵!」
『風双剣翠風!』
『猿飛忍者伝!とある影に忍は疾風!あらゆる術でいざ候…』
『双刀分断!』
蓮「変身!」
『壱の手、手裏剣!弐の手、二刀流!風双剣翠風!』
『翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!』
剣斬「お前は俺が倒す!賢人君の聖剣を解放するために!」
そして剣斬は風双剣翠風を構えてグレンの目の前に立ちはだかるのだった。
グレン「お前が俺を倒すだと?不可能だな、お前に俺を倒すことなど出来はしない!」
そう告げてグレンは腰にダークネスドライバーを装着した。
『ダークネスドラゴン!漆黒の空から降臨するは全てを無に帰す邪悪な竜だった』
グレン「変身!」
『暗黒解放!全てを終わらせるために最強最悪の龍がここに君臨する!』
グレンは仮面ライダーダークネスに変身すると剣斬に漆黒剣邪龍を向けるのだった。
剣斬「舐めるなよ、ハアッ!」
そして剣斬は強烈な斬撃を放つがダークネスは漆黒剣邪龍で受け止めると逆に強烈な斬撃を放つのだった。
ダークネス「お前の攻撃など当たりはしない。ハアッ!」
剣斬「グハッ!ふざけんな、お前に負ける訳にはいかないんだよ!ハアッ!」
そして二刀流による連続斬撃を繰り出す剣斬の攻撃を一瞬の隙で食らったダークネスだったが何とか踏ん張ると漆黒剣邪龍から放たれる強烈なエネルギー波で剣斬を吹き飛ばしたのだった。
ダークネス「なるほどな、これが貴様を本気にさせる怒りの力と言う訳か。」
剣斬「だったらなんだって言うんだよ!ハアッ!」
ダークネス「貴様は分かっていないな。怒りの力に手を染める奴ほど闇に堕ちやすいという事をな!ハアッ!」
エスパーダを倒したダークネスを前にすると冷静でいられずに怒りを優先してしまう剣斬の斬撃を受け止めたダークネスは強烈な斬撃を放ち、剣斬を吹き飛ばすのだった。
剣斬「舐めやがって!」
『猿飛忍者伝!ニンニン!翠風速読撃!ニンニン!』
剣斬「疾風剣舞!二連!」
剣斬はX字の斬撃を遠距離から飛ばす疾風剣舞二連を放つがそれを食らったはずのダークネスは無傷だった。
『暗黒解放!邪悪必殺撃第一幕!』
ダークネス「ダークネスブレイカー!」
剣斬「ウワーッ!」
そしてダークネスの必殺技であるダークネスブレイカーを食らった剣斬は吹き飛ばされると後ろからデザストが声をかけた。
デザスト「おい、蓮!こいつを使ってみろ!」
そう告げてデザストが投げ渡したのはランプドアランジーナワンダーライドブックだった。
剣斬「これは…賢人君の…よし、賢人君、力を貸して!」
『ランプドアランジーナ!ニンニン!翠風速読撃!ニンニン!』
剣斬「疾風雷二連!ハアッ!」
そして剣斬は緑色の雷を纏って高速移動しながら連続攻撃を叩き込むとダークネスは少しだけダメージを受けた。
ダークネス「ほう、中々やるな。だが無駄だ!」
『暗黒解放!邪龍必殺撃最終幕!』
ダークネス「これで終わりだ!ダークネスエンド!ハアッ!」
剣斬「ウワーッ!」
そしてダークネスが振り抜いた漆黒剣邪龍から放たれた邪龍による一撃を食らった剣斬は変身を解除してしまうのだった。
デザスト「蓮!」
ダークネス「だから言っただろ?怒りで戦うだけでは貴様は負ける、闇に堕ちやすいとな。さあ、風双剣翠風、封印だ!」
蓮「やめろ!」
そんな蓮の叫びも虚しくダークネスは漆黒剣邪龍を風双剣翠風に突き刺して封印した。
蓮「ウワーッ!なんでだよ、なんでこんなことができるんだよ!」
ダークネス「うるさいやつだな、消えろ!」
デザスト「やらせるかよ!」
まるで蓮にトドメを刺すかのように漆黒剣邪龍を振りおろそうとしたのをデザストが止めようとした矢先、この場にありえない人物の声が鳴り響くのだった。
?「貴方ですか。私のアルターライドブックを盗み出しただけでなく私のクローンまで生み出した愚かな剣士は。」
ダークネス「ほう?ようやく本物に出会えたな!」
蓮「なんでお前がここに?」
デザスト「おいおい、何がどうなってんだよ、ストリウス!」
なんとそこに現れたのはかつて仮面ライダーセイバーこと神山飛羽真に倒されたはずのストリウスだった。
ストリウス「おやおや、誰かと思えばお久しぶりですね、デザスト。」
デザスト「なんでお前がこの世界にいるんだよ!それにお前のアルターライドブックを使ったクローンって何の話だよ?」
ストリウス「その話はまた追々。デザストにも渡したいものがありますしね。」
デザスト「何?」
2人で話しているところに割って入るかのようにダークネスは闇のエネルギー波を放つがストリウスはデザストと蓮を庇うかのように立ち塞がり、そのエネルギー波を無効化した。
ダークネス「折角この世界に現れたんだ。この俺と戦え、ストリウス!」
ストリウス「戦いたいのは山々なんですが…今回は遠慮します。」
ダークネス「何?どういうつもりだ!」
ストリウス「私はいわば最後の切り札らしいので。この世界の剣士の聖剣を全て封印したのなら…最後に私がこの力で相手しましょう。」
そう告げてストリウスはグリモワールワンダーライドブックを懐から取り出した。
ダークネス「ほう、ではその時を楽しみに待つとしようか!」
そしてグレンは闇の空間を開くとその空間に姿を消した。
ダークネス「また会おう、ストリウス!」
ストリウス「ええ、また。」
デザスト「それでストリウス、俺に渡したい力ってなんだ?」
ストリウス「貴方に渡したい力、それは…あなた専用の聖剣とワンダーライドブックです。」
蓮「何?」
デザスト「嘘だろ…」
後編に続く
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