仮面ライダーローグVSマッドローグ第6話「仮面ライダークローズ、復活!」
前回のあらすじ仮面ライダーグリスこと猿渡一海は、仮面ライダービルドこと桐生戦兎、仮面ライダークローズこと万丈龍我に地球外生命体エボルトが東都に姿を見せたことを聞くのだった。そして、そこで石動美空の父親である石動惣一の体に憑依して一体化をすると共に旧世界の記憶を再び思い出させることに成功したエボルトは、再び惣一の姿で活動するためにナクシタから姿を消したのだった。そして、仮面ライダーローグこと氷室幻徳がいた猿渡ファーマーにはバイカイザーに変身して幻徳を倒すために姿を現した最上魁星は、オウルハードスマッシュこと黄羽と戦うがそこに乱入するかのように現れたのがなんとまさかのエボルトだった。そして、内海達に協力する事を拒否したエボルトは、エボルドライバーを装着して仮面ライダーエボルに変身したエボルトは、オウルハードスマッシュと共に共闘してバイカイザーを撤退させる事に成功したのだった。そして、赤羽からエボルトが出現した事を聞いた万丈と一海は猿渡ファーマーに向かって走り出したのだった。
万丈「おい、カズミン!まだ着かないのかよ!」
一海「もう少しで着くから文句ばかり言ってんじゃねぇよ!黙って走れ!」
万丈と一海が走って猿渡ファーマーに戻っているちょうどその頃、変身を解除したエボルトの前にあの男が姿を現したのだった。
内海「エボルト!あなたは一体何をしてるんですか?」
エボルト「よう、内海。俺に何か用か?」
内海「あなたは私達の味方ではないんですか?なのにバイカイザーを倒すために戦いを挑むなんてどうかしてますよ!」
エボルト「どうかしてる?それはお前の方だろ?勝手に新世界のパンドラボックスから勝手に仲間を増やしやがって!お前こそどういうつもりだ!」
内海「あなたが私に新世界のパンドラボックスを渡して言ったじゃないですか!その力を使うも使わないもお前次第だと!」
エボルト「そうは言ったかもしれないが俺が言いたかったのは倒された敵を復活させるんではなくお前自身のために新たな力を作れという意味だったんだがお前には伝わらなかったようだな!」
内海「伝わるわけないでしょ!あなたの考えてる事も思想も!それを新時代として引き継ぐために私が新世代のエボルトとしてあなたの代わりをしようと思ったのにあなたがその私を邪魔するだなんておかしい話でしょ!」
エボルト「なるほどな。お前のやりたい事はよく分かったよ、内海。お前がやろうとしていることは俺の二の舞だってな。全く俺の傍で何を見てきたんだ、お前は!」
内海「もう良いです!これではっきりしましたね、私とあなたは敵同士であるということが今、はっきりとね!」
エボルト「なるほど。以外にもそこは通じあったようだな。だったら今ここで俺と戦うか?その覚悟がお前にはあるのか?内海!」
そんな事を話していたエボルトと内海の目の前に万丈と一海が駆け付けたのだった。
万丈「エボルト!」
エボルト「よう、万丈。東都以来だな!」
万丈「ふざけんな!なんでお前が幻さん達を守ってるんだよ!」
エボルト「幻徳。話してやれ!」
一海「話してやれってお前も関係してんのか?ヒゲ!」
幻徳「落ち着け、ポテト。俺たちと三羽ガラスはエボルトと内海を倒すために同盟を組むことにした。条件はエボルトが俺達を裏切らないこと。それを飲むと言うのなら同盟を組むことを約束した。そして、エボルトもその条件を飲んだことにより同盟結成となった。お前がいない間にな。」
そして、幻徳から全てを聞いた万丈と一海は驚きを隠せなかったのだった。
一海「おいおい、何を勝手に決めてんだ、お前らは!俺がまだ帰ってきてもいないのに急に現れたエボルトに助けられたからって同盟を組んだだと?あんなやつ、いつ俺達を裏切るか分かんねぇのに勝手な判断であいつを仲間に引き入れてどうするつもりだ!ヒゲとは訳が違うんだぞ!」
赤羽「確かにそうかもしれませんが、カシラの代わりにエボルトは戦ってくれたんです!少しは信用しましょうよ!」
青羽「そうですよ、カシラ!氷室幻徳を受け入れたカシラだったらきっと受け入れてくれると思ったのに!」
黄羽「そうですよ!カシラだったら少なからずともエボルトに感謝を言うと思ったのにショックですよ、万丈は俺達とすぐに打ち解けてるのに。」
そんなことを告げた黄羽の視線の先を見るとそこでは赤羽や青羽と仲良く話をしている万丈がいたのだった。
一海「あいつがあそこまで俺の仲間と打ち解けてるんだ。俺も意地を張らないであいつと少しは仲直りした方が良さそうだな!」
黄羽「カシラ!」
一海「そういうことだ!猿渡ファーマーを代表してお前に礼を言うぜ、エボルト。助かった、ありがとう!」
エボルト「別に大した事はしてないぜ?猿渡一海。」
一海「だから内海を倒すまでの間だったら同盟の話、認めてやってもいいぜ?エボルト!」
エボルト「そうか。そいつは助かるぜ、よろしくな!猿渡一海。」
一海「硬っ苦しいから一海でいいぜ。」
エボルト「分かったよ、一海。」
そして、遂にエボルトと一海も同盟結成のために固い握手を交わすのだった。
エボルト「見ただろ?これで俺は完全にお前に見切りをつけたって訳だ!改めて聞くが俺とたった今から戦う覚悟がお前にあるのか?内海!」
そう言いながらゆっくりとエボルドライバーを見せつけながら近づいてくるエボルトに対して内海も懐からエボルドライバーを取り出すとこう叫ぶのだった。
内海「あなたを倒すのはどうやら私のようだ!そろそろ決めましょうか!新世界の支配者にふさわしいか!」
エボルト「フッ。下らないな!だからお前はいつまでたっても成長しないんだよ、内海!」
しかし、エボルトがエボルドライバーを腰に装着しようとした次の瞬間、それを阻止するかのようにエボルトの肩に手を置くのだった。
エボルト「万丈、何の真似だ。」
万丈「内海を憎んでるのはお前だけじゃないんだよ、エボルト!」
一海「まさかお前も戦うつもりか?万丈!」
万丈「当たり前だろ!内海がこれ以上カズミンの街を、北都を破壊するってんなら俺が許さねぇ!お前の相手はこの俺、万丈龍我だ!」
内海「なるほど。あなたが私を倒すと?また前の世界のようにコテンパンにしてあげますよ!」
万丈「やれるもんならやってみろ!」
そして、内海はエボルドライバーを腰に装着したが万丈は何度やってもビルドドライバーを装着する事が出来なかった。
万丈「あれ?なんでだよ、俺のビルドドライバーだろ?なんで装着できないんだよ!ぶっ壊れちまったのか!おい、どうなってんだよ!戦兎〜!」
エボルト「おい、万丈。お前は本当にバカだな。俺がお前に何をしたかもう忘れたのか?」
万丈の背後でそんなことを呟いたエボルトの言葉によって脳裏に東都での出来事を思い出した万丈は絶叫したのだった。
万丈「あーっ!!」
一海「なんだよ、うるせぇな!鼓膜破れんだろうが!それで何を思い出したんだよ、万丈!」
万丈「俺、エボルトに力を奪われて変身出来ないんだった。」
一海「はあ?」
万丈「だから!東都で俺と戦兎は力を奪われてんだよ!エボルトにな!」
一海「力を奪われてるのにてめぇは戦うって言ったのか!本当にバカだな!大バカ、筋肉バカ!」
万丈「バカ、バカうるせぇんだよ!仕方ねぇだろ!忘れてたんだからよ。」
一海「そんな大事なこと忘れてんじゃねぇよ!内海、選手交代だ!このバカに代わって俺が戦う!」
そう告げて一海がスクラッシュドライバーを装着しようとしたが内海はそれを制したのだった。
内海「ちょっと待ってくださいよ。そんなの認めるわけないでしょ?皆さん、ゲームオーバーです!全員、ここで消してあげましょう!」
『エボルドライバー!』
『コウモリ!発動機!』
『エボルマッチ!Areyouready?』
内海「変身!」
『バットエンジン!ヌゥハハハハハハ……!』
マッドローグ「マッドに消してあげましょう!」
そして、スチームブレードを手にしたマッドローグがゆっくりと近付いてくると万丈はエボルトに協力を求めたのだった。
万丈「エボルト!俺に力を返してくれ!あいつを止めるにはクローズの力が必要なんだよ!頼む、エボルト!」
エボルト「ったく仕方ねぇな、ほらよ万丈!このボトルを振れ!そうすりゃお前さんにはクローズの力が帰ってくるはずだぜ?」
そう告げてエボルトが万丈に投げ渡したのはかつてエボルトがエボルドラゴンに変身する際に使っていたボトル、ドラゴンエボルボトルだった。
万丈「お前、またこのボトルを使おうとしてたのか!」
エボルト「いずれまたこいつに頼る事になるだろうと思ってひっそりと準備してたんだよ。ほら、その力が必要なんだろ?だったら俺に文句を言う前に感謝の印としてそいつを振れ!ただし、力を取り戻したらそいつ、返せよ?」
万丈「分かってるよ!」
そう叫んだ万丈はドラゴンエボルボトルを振ると周囲に現れた青い光がゆっくりと万丈の中に入ると左手にはクローズドラゴンが姿を現したのだった。
万丈「来た!サンキュー、エボルト!」
エボルト「ああ、勝てよ!万丈!」
そして、ドラゴンエボルボトルを投げ返すと共にエボルトの檄を受けた万丈はゆっくりと内海の方向に振り向くのだった。
万丈「待たせたな、内海!行くぜ!」
『ビルドドライバー!』
『ウェイクアップ!』
『クローズドラゴン!』
『Are youready?』
万丈「変身!」
Wake upburning!GetCROSS-ZDRAGON!Yeah!
クローズ「今の俺は……負ける気がしねぇ!」
マッドローグ「覚悟しろよ!」
『スチームブレード!』
クローズ「その言葉、そっくりそのままおまえに返してやるぜ!」
『ビートクローザー!』
そして、スチームブレードとビートクローザーを持って互いに走り出したクローズとマッドローグはお互いに鍔迫り合いを繰り返しながら互角の戦いをするのだった。そして、その斬撃がお互いに直撃するとクローズとマッドローグは共に地面を転がるのだった。
マッドローグ「やりますね、万丈龍我!」
クローズ「お前もな!」
『ヒッパレー!スマッシュヒット!』
そして、スチームブレードを持ったまま急降下してきたマッドローグに対してクローズは待ち構えていたかのようにビートクローザーのグリップエンドを1回引くことで発動する必殺技である刀身に蒼炎を纏わせて斬撃を放つスマッシュヒットを放つのだった。
マッドローグ「グハッ!まさかここでそんな技を出すとは!」
クローズ「言っただろ!今の俺は負ける気がしねぇってな!」
そして、再びスチームブレードとビートクローザーによる斬撃をお互いに繰り返していったが、今度はスチームブレードによる連続攻撃を繰り出したのだった。
マッドローグ「ほらほら、防御だけでは私には勝てませんよ!」
クローズ「なめやがって!だったらこいつを食らえ!」
『ヒッパレー!ヒッパレー!ミリオンヒット!』
そして、クローズは再びビートクローザーのグリップエンドを2回引くことで発動する必殺技である刀身から波形状のエネルギー刃が伸び、衝撃波として飛ばすことで連続ヒットするミリオンヒットを放つのだった。
マッドローグ「グハッ!ま、またですか!なんなんです、その攻撃は!こうなったら私だって!」
『エレキ!マッドスチームラッシュ!』
そして、エレキフルボトルをセットしてマッドスチームラッシュを放ったマッドローグは、なんとかクローズにダメージを与える事が出来たのだった。そして、クローズはビートクローザーにロックフルボトルをセットするとグリップエンドを2回引くことで発動する必殺技である刀身から蒼炎の火炎弾を飛ばすミリオンスラッシュを放つのだった。
『ロック!』
『ヒッパレー!ヒッパレー!ミリオンスラッシュ!』
クローズ「次はこいつだ!」
マッドローグ「ウワーッ!」
そして、ミリオンスラッシュを食らって地面を転がったマッドローグに対してビルドドライバーのレバーを回して必殺技であるドラゴニックフィニッシュの体勢に入ると立ち上がったマッドローグもエボルドライバーのレバーを回して必殺技であるエボルテックアタックの体勢に入るのだった。
『Readygo!』
『エボルテックアタック!』
マッドローグ「これで終わりです!」
『Readygo!』
『ドラゴニックフィニッシュ!』
クローズ「終わるのはお前だ!」
背中にマッドフライヤーを展開した状態で紫色のエネルギーを纏ったドロップキックを放つエボルテックアタックと背後に出現したクローズドラゴン・ブレイズの吐く火炎に乗り蒼炎を纏った右脚でボレーキックを叩き込むドラゴニックフィニッシュのぶつかり合いで周囲に大爆発を巻き起こすのだった。そして、爆炎の中で立ち上がったのはクローズであり、マッドローグは変身を解除して内海の姿に戻っていたのだった。そして、クローズもまた万丈の姿に戻るのだった。
内海「仕方ありませんね。今日は、いや今日だけはあなたの勝ちにしてあげますよ、万丈龍我!また会いましょう!」
そして、ネビュラスチームガンの煙で内海は姿を消してしまうのだった。
万丈「逃がしたか。」
一海「まあ、今日は良いだろ。次は完全決着と行こうじゃねえか!」
そんな事を話していた万丈と一海、そしてそれを遠くで見つめる幻徳とエボルトは2人の絆に驚くのだった。
幻徳「全くあいつらがここまで仲良しになるとはな。そうは思わないか、エボルト?」
エボルト「そうだな。確かにアイツらがあんなに仲良くなるとはな。昔は代表戦だのボトル争奪戦だのって言ってたからな。」
幻徳「そんな俺もお前も今となってはアイツらと行動を共にしてるんだもんな。」
エボルト「全ては桐生戦兎か。あの男のラブアンドピースが原因かもな。」
幻徳「ラブアンドピースね。」
そんなことを幻徳とエボルトが話していた頃、東都にいた戦兎と美空だったが美空に異変が起きるのだった。
美空「カズミン!!」
戦兎「うわっ、ビックリした。どうしたんだよ、美空?まさかベルナージュの力で何か見えたのか?」
美空「カズミンが危ない。戦兎、そのアイテムを渡さないと!」
戦兎「俺は今、手が離せないから美空1人で行かせるよりもゲンさん、呼ぶしかないかもな。ちょっと連絡してみるよ。」
美空「うん。」
そして、戦兎は幻徳に連絡を取ると直ぐに幻徳は電話に出たのだった。
幻徳「どうした、戦兎?」
戦兎「ごめん、ゲンさん。今、大丈夫?」
幻徳「ああ。」
戦兎「実はさ。美空がベルナージュの力で一海がピンチになったみたいでどうしても1人で行くって言うからさ、もし良かったらゲンさん迎えに来てくれないかな?と思ってさ。」
幻徳「分かった。ポテトから車でも借りて美空を迎えに行くよ。」
戦兎「悪いね、じゃあよろしく!」
幻徳「ああ、分かった。おい、ポテト!」
一海「なんだよ、ヒゲ!」
幻徳「お前の彼女を迎えに行くように戦兎に頼まれたんだが。」
一海「なんだと!なんで、お前がみーたんを迎えに行くんだよ!だったら俺が行く!」
幻徳「お前はここにいろ。猿渡ファーマーのリーダーはここにいなきゃダメだろ?だから車を貸してくれ。」
一海「分かった!その軽トラ、使ってくれ!」
幻徳「ありがとう。」
一海「おい、ヒゲ!」
幻徳「なんだ、ポテト?」
一海「みーたんの事、頼んだぞ!」
幻徳「任せろ、行ってくる。」
一海「ああ、気をつけてな。」
そして、幻徳は一海の軽トラを借りて東都に向かうのだった。一方、東都にいる戦兎はグリスブリザードナックルとノースブリザードフルボトルの調整を完了させたのだった。
戦兎「よし、これで完成だ。この状態でグリスブリザードになっても旧世界のようにはならない、安心してくれよ一海。」