ウルトラマンギンガ~10年越しの逆襲~第2話「俺の正体、バレちゃう?」
前回のあらすじ
M78星雲光の国からやって来たウルトラマンギンガこと礼堂ヒカルが地球で活動し始めて今年で10年が経った。そんな中、ヒカルはギンガと一体化した状態で新たな仕事を始めたのだった。それは今をときめくアイドル、櫻坂46のメンバーである守屋麗奈のマネージャーだった。そして、麗奈を次の現場に送り届けようとした次の瞬間、いきなり姿を見せたゼットンが熱球を放ち、街を破壊し始めた事から麗奈を隠れさせたヒカルはギンガに変身してゼットンとの戦闘に突入した。そして、様々な技を駆使してなんとかゼットンを倒すことに成功したギンガは、姿を消した。しかし、麗奈は物陰からヒカルの行動を目撃していたのだった。
場所は変わって怪獣墓場。謎の怨念を復活させるために闇のエネルギー波を分け与えていたウルトラダークキラーは、遂にそのエネルギー波を全て注入し終えたことにより、謎の怨念からあの闇の巨人を復活させたのだった。
ウルトラダークキラー「ようやく私のエネルギーを注入されたことにより復活を果たしたか。我が同士よ!」
?「ここはどこだ?お前は誰なんだ?」
ウルトラダークキラー「私の名はウルトラダークキラー。貴様と同じくウルトラマンを心の底から憎んでいるものだ!」
ダークルギエル「ほう、この俺と同じ志を持つ者がこんな偏狭な星にいたとはな。俺の名はダークルギエルだ。たった今から我らでウルトラマンを全滅させようではないか!」
ウルトラダークキラー「待て。ダークルギエルよ!我々の出番はまだだ!」
ダークルギエル「何?」
ウルトラダークキラー「ゼットンを倒したくらいで当たり前のような顔で地球に居座るウルトラマンギンガを苦しめてこい、パンドン!」
そして、最強最悪の闇の巨人同盟を結成したウルトラダークキラーとダークルギエルだったが2人の計画を実行するための第2段階として地球に新たな怪獣をギンガの刺客として送り込んだのだった。一方、ヒカルの身の回りはちょっとした大騒ぎになっていたのだった。
ヒカル「ヤバいな、ネットニュースになってやがる。参ったな、こりゃ。麗奈どころかあの人にまで伝わりそうな勢いだぜ。」
ヒカルがスマホに出てきたネットニュースを見て驚愕の顔をしていた理由、それは「街に怪獣が出現!そして怪獣を退治するためにこの街にもウルトラマンが現れた!」というものだった。そして、ヒカルが予想した通りスマホのネットニュースの画面から着信の画面になると共にそこには「秋元康」と記されていたのだった。
ヒカル「ほら、言わんこっちゃない。来ちゃったよ、あの人からの呼び出しが!」
そして、その電話に出たヒカルは目にも止まらぬスピードで事務所に向かうのだった。
ヒカル「お呼びですか?秋元先生。」
秋元「急に呼んでしまって申し訳ない。君にこの記事の真意を聞きたくてね。」
ヒカル「なるほど。」
秋元「このウルトラマンが君なんだね?」
ヒカル「あ、いや。まあ、そうなりますかね?」
秋元「なるほど。はぐらかさないということは真実なんだろう。それで君は怪獣を止めるためにあんな公衆の面前で変身したんだね?」
ヒカル「まあ、皆も危険でしたし麗奈を守らないとっていう一心で変身したって感じですかね?アハハ。」
秋元「アハハって。まあ、正体が君であることが記載されていないことだけがせめてもの救いと言った所か。」
ヒカル「そうですね。この中で俺がウルトラマンであることを知るのは先生だけですからね。」
秋元「ああ、そうだな。それからまさかだが君の担当である守屋に正体を知られた訳では無いよね?」
ヒカル「安心して下さい!それだけはないってことは保証します!何故なら物陰に隠してきましたから!」
秋元「そうだったら良いんだけどね。」
ヒカル「え?どうかしたんですか?」
秋元「いや、実は変な話を聞いてね。」
ヒカル「変な話とは?」
秋元「実は守屋がスタジオに来なかったから収録が遅れたという話をね。」
ヒカル「え?本当ですか?」
秋元「ああ、詳しい話は本人に聞いてくれれば助かるんだがな。」
ヒカル「分かりました!」
秋元先生が話した謎の噂、その真相を確かめるために待ち合わせ場所にいる麗奈を迎えに行くためにバイクで到着したヒカルはそこに麗奈以外の人物がいることを目撃したのだった。
ヒカル「またせたな、麗奈ってあれ?玲ちゃんも一緒だったんだね?」
麗奈「あ、ヒカルさん!」
玲「こんにちは!ヒカルさん!」
そこにいたのは麗奈と同期であり同じく櫻坂46のメンバーとして活躍している大園玲だった。
ヒカル「あれ?今日って2人一緒の仕事だったっけ?」
玲「いや、私は休みだったんですけどれなぁがどうしても会いたいって言ったものですから。エヘへ!」
ヒカル「そうだったんだね!」
そんなことを話していると急に思い出したかのように玲がヒカルにこんな事を尋ねるのだった。
玲「そういえばれなぁがこんな事を言ってたんです。」
ヒカル「何を言ってたんだ?」
玲「ヒカルさんがウルトラマンだって。」
ヒカル「俺がウルトラマン?そんな訳ないだろ。」
麗奈「あるもん!」
ヒカルがウルトラマンであることを否定した途端、麗奈は大きな声を出したのだった。
ヒカル「麗奈?」
麗奈「だって麗奈見たんだもん!ヒカルさんが変なアイテムにおもちゃを刺したと思ったら光に包まれてウルトラマンになったのを見たの!」
ヒカル「それは見間違いだって。」
麗奈「え?」
ヒカル「だって俺はあの時、一般人を避難させるために奔走してたんだぜ?それなのに俺がどうやってウルトラマンになるんだよ。そんなの無理だろ?」
玲「ほら。だから言ったじゃん、ヒカルさんには無理だって。」
麗奈「そっか。そうだよね!ごめんなさい、ヒカルさん!疑ったりして!」
ヒカル「いや、良いんだよ。こっちこそごめんな!ちゃんと話さなくて。」
なんとか麗奈の誤解を解くために心が苦しくなることを承知で小さな嘘をついたのだった。しかし、何の因果かは分からないが、ヒカル達の後ろで謎の火球がビル群を破壊したのだった。
ボカーン!
玲「キャー!」
麗奈「ヒカルさん!」
ヒカル「大丈夫だ、俺はここにいる!」
マネージャー「ヒカルさん!」
ヒカル「玲ちゃんのマネージャーさん!助かりました、一瞬だけマネージャーさんの車で玲ちゃんと一緒に麗奈を預かって貰えませんか?」
マネージャー「それは良いですけどヒカルさんは?」
ヒカル「安心してください。俺は確かめたいことがあるので!では、よろしくお願いします!」
マネージャー「はい!お気を付けて!」
なんとか理由を作って玲ちゃんと玲ちゃんのマネージャーさんに麗奈を預けたヒカルは全速力で現場に向かうとそこにいたのはあの怪獣だった。
ヒカル「あいつはパンドン。ウルトラマンが最後に戦ったゼットンに続いて今度はセブンが最後に戦った怪獣かよ!」
かつてウルトラセブンが地球を離れる際に最後に戦った双頭怪獣パンドンが街で暴れていることを知ったヒカルは、ギンガスパークを取りだしてギンガのスパークドールズをライブしたのだった。
『ウルトラーイブ!ウルトラマンギンガ!』
ヒカル「ギンガァァァァ!!!」
ギンガ「行くぜ!パンドン!」
パンドン「ガガァッ!ガガァッ!」
そして、パンドンに向かって走り出したギンガは同じくこちらに向かって走り出したパンドンとつかみ合うと共にパンドンの噛みつき攻撃を交わそうとするが、2本の首があるからかギンガはもう片方の首の噛みつき攻撃を交わすことは出来なかった。
ギンガ「なめやがって!だったらこれはどうだ!」
そう叫んでギンガが蹴りを入れて交わすと共に体勢を立て直した次の瞬間、パンドンの必殺技である火炎地獄を食らって倒れてしまうのだった。
パンドン「ガガァッ!ガガァッ!」
そして、再び馬乗りになって噛みつき攻撃を繰り出してきたパンドンに対して嘴を抑えたギンガは蹴りを入れたのだった。
ギンガ「離れろよ!」
パンドン「ガガァッ!」
そして、今度こそ体勢を立て直したギンガは目にも止まらぬ連続攻撃をパンドンに叩き込むのだった。
ギンガ「こいつでどうだ!」
そして、強烈な回し蹴りを食らって吹き飛んだパンドンは怒りに任せてギンガに火炎地獄を繰り出したのだが、空に飛んで回避したギンガのクリスタルは赤く発光したのだった。
ギンガ「目には目を歯には歯を炎には炎をってな!喰らえ、ギンガファイヤーボール!」
そして、燃え盛る隕石を出現させ、誘導ミサイルのように操って相手を爆撃する必殺技であるギンガファイヤーボールを食らったパンドンは倒れ込むのだった。
パンドン「ガガァッ!」
ギンガ「さて、こいつで終わりにしてやる!ギンガクロスシュート!」
そして、ギンガの必殺光線であるギンガクロスシュートを食らったパンドンは爆散したのだった。
ギンガ「シュワッチ!」
そして、それを見届けたギンガもまた空を飛び姿を消したのだった。
ヒカル「はあ、これでなんとか麗奈を騙すことが出来たか。でも、なんか麗奈には申し訳ない事をした気分なんだよな。ただ、正体がバレてしまうとマネージャーでいられなくなるのはちょっと困るしな。」
そんなことを呟いたヒカルの背後に黒い影が迫っていたのだった。
ダークルギエル「見つけたぞ、ギンガ!」
ヒカル「今の声は、まさか!」
その声に反応したヒカルが勢いよく振り返るも誰もいなかったのだった。
ヒカル「そんな訳ないか。ダークルギエルは既に俺が倒してるんだからな。」
この時のヒカルは知る由もなかった。この判断が後にこの世界と麗奈達を巻き込む大きな騒動の始まりに過ぎなかったことを。
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