2022.12.30. 今年の映画納めは『真・事故物件パート2/全滅』
今年の明けに一作目『真・事故物件 / 本当に怖い住民たち』ので容赦ないゴア描写で多くの観客をビビらせてから10ヶ月後の今、ニ作目『真・事故物件パート2/全滅』が公開された。
2022年は真・事故物件の年か?
二作目だから前作からの売りであった過激なゴア描写はさらにパワーアップ。登場人物(犠牲者)の数も増え、死に様のバリエーションも多様性がマシマシ。
シナリオ面でも、前作の惨劇の裏にはカルト教団の存在があったという風呂敷の広げ具合からも気合いが伺える。
前作の筋書きが、若手女性youtuberたちが企画の体で事故物件で過ごしていくうちに悲惨な目に遭うという筋書きだったが、今作はまたもやyoutuberたちを悲惨な目に遭わせている。
彼らyoutuberたちを事故物件に住まわせ、恋愛アリ心霊アリのリアリティショーという世に散々溢れかえっていそうな企画に巻き込んで始末していくのだ。
登場するのは迷惑系youtuberから美容系、心霊スポット探索系と死んでも心が傷まない、ホラーの犠牲者としては最適な奴らばかりだ。
彼らが凄まじい死に様を晒していくのが今作の一つの目玉となっている。
そうした新機軸ばかりでなく、前作からの継続要素でも見所はある。
前作から続投の小野健斗演じる安藤の縦横無尽なクズ演技も魅力的だ。
爽やかで快活な好青年の仮面を被りつつも怠惰で迂闊な惨劇の仕掛け人として暗躍しつつも、同時にカルト教団に振り回される苦労人でもある複数の側面のあるキャラを生き生きと演じている。
他の役者たちも主演から助演まで伸び伸びとした演技をしていて、そういうところもあって今作は役者に恵まれた一作だと思う。
特に、窪田彩乃演じる主人公が終盤とある苦行をやらされているシーケンスで疲れや虚無感で目つきが次第にバキバキになっていくところは本作でもかなり印象的だった。
ただ不満な点はそこそこあって、
BGMがホラー映画らしくない選曲でそれがこの作品の一つの魅力にもなっているのだが、音量の調整が適当なせいで、折角好演している役者たちの声が全然聴き取れなくなっていてもったいなかった。この点はパンフレットでも指摘されていて笑ってしまった。
以下メモ
・前作もそうだったけど全体的な雰囲気が邦画ホラーとは一風変わった洋ホラー的だった。
・そもそもゴア描写に力を入れた作品って日本ではなかなかメジャー配給でないよね。
・主人公兼ヒロインの姫宮が彼氏の趣味で終始チアガール姿なのがキャラのかっとび具合を表していて良かった。そのチアガール衣装の上に赤いスカジャンを羽織ったファッションは両儀式の和服の上に革製のジャケットを羽織るスタイルと勝負できるだろう。
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