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2022.11.21. チート付与魔術師の最新話が面白い
正確には『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~』だけどな。
本作は追放物のなろう小説(原作は未読)を好き放題に魔改造に魔改造をしまくった挙句唯一無二のオリジナリティを獲得してしまった怪作だ。
だけどストーリーライン自体は結構堅実だと思う。
これまでの話が以前腰を据えていた居場所(ギルド「王獣の牙」)を追放されて放逐された主人公レインが新しい居場所に迎えられてこれからの自分の生き方を模索していく、成長物語や逆転物語の起点だったわけだ。
これからは新しい居場所である「蒼い水晶」(安住の地ではなく薄氷の上で成り立っている脆い場所)を守っていく話になっていくだろう。
で、最新14話だ。
この話も滅茶苦茶やりつつも堅実だったと思う。
「蒼い水晶」の借金返済に向けて高額のクエストを受けるためにレインたちが装備の準備をするとか、レインの付与能力が目を注目されはじめているとか、王獣の牙」の残党がガラの悪い集団になって街の治安を悪化させているとか、かつてレインを追放したバリオスが再起をかけようとしているとか、きっちりこれからの話の種をバラまいて布石を敷いているのはわかる。
これらの要素を詰め込んでいながら話がとっ散らかっている感じは全くない構成力の高さが窺えるし、最後の引きでは次回への期待をきっちり持たせてくれる。
でもさあ……。
ボーケンマンってなんなの!? 異世界にワークマンなんてあっていいの!? UZI短機関銃が出てきた時点から突っ込んでも無駄だってわかるけど世界考証とか思い切り過ぎじゃない?
相変わらずどんぐりの作画が適当過ぎじゃない!?
セカンドライフを謳歌しているのはレインじゃなくてバリオスじゃない?
キャラの頭部を吹き出しにするな、その演出は反則だろ!?
ファンタジー世界に半グレを出すにしてもその伏線回収を盛り込んでくるのはウルトラCが過ぎるだろ!?
などなど相変わらずのツッコミどころが凄まじすぎる。
果たして業務用餅先生は稀代の天才か狂人のどちらだろうか……。
いや、両方かな。