2022.12.02. 『パラノーマル・アクティビティ7』は村ホラーの快作だ
夜な夜な自宅で起こる怪現象を調べるために定点カメラを仕掛けたら大変なことになるシリーズの7作目は怪村が舞台のフェイクドキュメンタリーだった。
俺は『パラノーマル・アクティビティ』シリーズの過去作は『呪いの印』だけしか見ていない。
『ハッピー・デス・デイ』で知られるクリストファー・ランドンが監督を務めた『呪いの印』は結構面白かったことを覚えている。
今作『パラノーマル・アクティビティ7』はその彼が脚本をやっているらしいので、Amazonビデオのレンタルでセールだったのも相まって視聴してみた。
以下若干ネタバレありの箇条書き
・主人公は、自分のルーツがあるらしいアーミッシュの村に取材カメラを持って訪問することになる。
文明から離れた電気やガスのない時代がかった生活を営む集落に、取材クルーがドローンや小型カメラにゴープロといった最新の撮影危機を持ち込むのが対照的で良かった。
・序盤、アーミッシュの村とその住人を取材カメラで映していくパートが異郷訪問ドキュメンタリーの趣があった。
・ジャンプスケア的な演出が惜しい。
フェイクドキュメンタリーの体裁を取っているのだから、登場人物の撮影クルーが撮った映像に後から編集を加えて一本の映画にまとめた人物がいるという想定で俺は見ている。
なので、元の素材の映像にわざわざジャンプスケア的な編集を施した者がいるということになる。
後半は割と洒落にならない事態になるので、作品世界的にこの編集をした奴は物凄い不謹慎野郎ということになるがそれでいいのか。
・劇中に出てくる双頭の仔山羊のビジュアルが良かった。異郷ホラーなんだからやっぱりこういうギョッとなる見た目の奴が出てきて欲しいよね。
・今時の若者だからアスモデウスの名前にピンとこないのが面白いよね。ボンクラオタクだったら一瞬で理解できるのに主人公たちはそうでもないから、一回店にあるパソコンでググるシークエンスを挟む必要がある。
・教会にある穴の演出がいい。昇降機で徐々に徐々に降りて行った先にぽっかりと広がる謎の空間。ここには何かがいそうだぞという予感。そしてそれが終盤に明かされるこのきっちりした段取りよ。
・アーミッシュが悪魔崇拝している設定なんてやっていいの? ポリコレ的にやばいだろと思ったらこの種明かし。若干のミッドサマーみがあるね。
・序盤の村取材シーケンスで子供を喜ばせるためにやったスローモーションが終盤で最悪な形で回収されるのが巧いぜ。
・このラストは続きがあるということなのかな。正直今作だけできっちり完結させて欲しかったが、これもシリーズものの宿痾なんよね……。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?