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2022年4月に見たもの読んだもの
映画
①ドライブ・マイ・カー
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遅ればせながら劇場で鑑賞。
序盤は主人公・家福さんの村上春樹的洒落臭さ(村上春樹好きな人はすまん)に辟易しながら見ていた。しかし、次第に見え隠れする彼自身にある繊細さや演劇人としてのプロフェッショナルぶりにどんどん惹かれていく自分がいた。
鑑賞前は本作の3時間という長尺に見ていてる最中に退屈しないかなと危惧していたが、そんなことはまったくなくてこれは良い想定外の事態だなと思った。劇中でドラマチックな出来事はあんまりないのだけれど(序盤の妻の死や途中のある人物のやらかし以外)、映像のリズムというか演出の巧みさというのか、そういった作り手の上手さのおかげで画面から目が離せなかった。
それはそれとして、配信で見ていたら一時停止は何回もしていただろうし、最悪何日かに分けて鑑賞していただろうなとも思った。強制的に席に固定されて映画を見させられる映画館という環境だからかきっちり見ることができたのだなとも感じる。
②名探偵コナン ハロウィンの花嫁
コナンの新作映画見ました。前作が良くも悪くもいつもの感じだったのに対して今回は安室さんメインだからかきっちり気合の入った作りになっていましたね
— しぼり (@zofalc) April 25, 2022
安室透はもう登場するだけで画面をかっさらうほどのスペックのキャラなので今作では爆弾付き首輪でナーフされていて笑った○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ https://t.co/a4ZMk6XiCt
— しぼり (@zofalc) April 25, 2022
今回の映画の安室透、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ https://t.co/yj3ZyGs7Br
— しぼり (@zofalc) April 25, 2022
あと白鳥警部が出てきたとき映画の雰囲気がトレンディドラマになって笑った。高木佐藤の関係じたい結構トレンディ気味なんだけど白鳥警部のトレンディ係数の高さはさらに凄い
— しぼり (@zofalc) April 25, 2022
本
①笠原和夫『映画はやくざなり』
あの『仁義なき戦い』を書いた昭和の名脚本家笠原和夫が自身の映画人生と脚本術について語った一冊。
前半は彼自身の脚本家としての来歴を当時の映画業界と絡めて語る。あの傑作『仁義なき戦い』の作品としての出来に脚本家として滅茶苦茶切れまくったという衝撃の出だしから始まる半生記は昭和の映画業界の良く言っておおらか、悪く言ったらコンプライアンス違反ギリギリのノリが読んでいて楽しい。
後半は笠原和夫自身が脚本執筆の金科玉条としていた「秘伝 シナリオ骨法10箇条」を紹介しつつシナリオライティングを解説する。この脚本術は、ハリウッド黄金期の名作映画からエッセンスを抽出しているため、いわゆるハリウッド映画脚本術と似たようなことを語っている。だが、それよりも短くまとまっているため本質そのものになっているのではと個人的には思う。上からの直しの命令にはきっちり応じろというくだりには脚本職人としての矜持すら感じた。
②野田サトル『ゴールデンカムイ』
無料公開に乗じて最終話まで読んだ。野田先生ありがとうございます。
もう色々な人から散々語られているので自分が語ることはもうないがひとつだけ。
登場人物たちで最後まで生き抜くことができたキャラは暴力以外の生き方を見つけることができた人たちなんだなと思った。
そう考えると序盤の時点で杉元はアシリパさんと出会ってアイヌの文化と触れ合うことで、谷垣はマタギとしての生き方を取り戻したことで既に生存フラグをゲットしているんだよな……。白石や門倉といった非戦闘員キャラは必然的に暴力以外の手段を持っているし、まあ生き残る。
そう考えると第七師団は暴力以外の生き方を見つけることのできなかった人たちの集まりなんだよな。
ただその中でも、鯉登は最終話では暴力以外の手段でこれからの生き方を模索しようとしているし月島もその圧倒的光に導かれるようにして生存の道を行くことになる。
とにもかくにも、野田先生面白い漫画を描いてくれてありがとうございます。長期連載お疲れさまでした。