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【コラボショートショート】思い出と手を繋ぐ

11/10は「ハンドクリームの日」ということで、コラボ小説「ただよふ」の、澪さんとお別れした後の航さんのショートショートを書きました。


香水を買いにロクシタンのショップに来た僕は、見覚えのあるハンドクリームを見つけた。

別れた最愛のあなたが、香水とお揃いで使っていたエルバヴェールのハンドクリーム。

僕はテスターに手を伸ばし、クリームを付けていた。

クリームの香りと柔らかなテクスチャー。僕はあなたがクリームを塗る仕草を思い出す。

許されない恋をしていた僕たちは、新潟の冬の日本海ではじめて手を繋いだ。

「大切な人へのプレゼントにいかがですか?」という店員の声に我に返る。

香りに敏感な妻。香水と同じ香りのハンドクリームは、女性の存在を思い浮かべるだろう。

僕は香水だけを買ってショップを出た。

家に帰れば、洗い流さないといけない。
それまでは、あなたとの思い出と手を繋ごう──


ハンドケアの日のショートショートも書いています。



原作「澪標」で、2人がはじめて手を繋いだお話です。


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さくらゆき
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