夢見るそれいゆ 234
私は目の前のコンビニで急いで氷とビーチサンダルを買ってきた。
「ごめんなさい!私がすぐビーチサンダルを買ってくれば、こんなことにならなかったのに!」
私は國吉先輩にビーチサンダルを履かせて日陰に避難し、赤くなってしまった脚に氷を当てた。
「ばっかだなー、國吉。ひなと両思いになれたのが嬉しすぎて、火傷してるのに気づかないなんて。」
更紗先輩がニヤニヤしている。
「うるさい、更紗。」
國吉先輩は言葉とは裏腹に、照れ臭そうにしている。
「そういえば、羊司先輩は何で制服なんですか?
今日は休みですよね?」
更紗先輩は私服なので、部活でないことは確かだった。
「ああ、生徒会の引き継ぎ選挙の準備をしてきたんだよ。
今週は例の事件で先生がたがバタバタしてたから…。」
羊司先輩が言う「例の事件」とは、ちなっちゃんの監禁事件のことに違いない。
國吉先輩も私もうなだれてしまった。
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