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夢見るそれいゆ 235

重苦しい雰囲気を感じ取った更紗先輩は、
「そういや、ひなは國吉の父親に会った?」
と話題を切り替えてきた。

「え?まだ会ってないですけど…。」
國吉先輩の父親は八幡宮の宮司である。
先輩を厳しく育て上げたと聞いている。

「なかなか濃い性格してるから、会ってみるといいよ。」
クスクス更紗先輩が笑っている。
「…まあ、お前の伯父さんだからね。」
羊司先輩が呆れた顔をしている。

宮司らしき人は、クレハに会いに行った時に遠目でちらりと見たぐらいである。
若い頃の顔は、更紗先輩の家で写真を見たから知っているけど。

「まあ…ひなが頼めば、國吉の謹慎も簡単に解けるんじゃないかな?」
更紗先輩は私に紙袋を手渡した。
中は老舗の和菓子屋のようかんだった。

「これ、國光伯父さんの好物。羊司んちの店で作っている名菓。
うちら帰るから渡しておいて!」
そう言って羊司先輩と更紗先輩は去っていった。

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さくらゆき
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