夢見るそれいゆ 254
「ひなちゃん、『ささやかな夢』って何?」
ママが目をキラキラさせている。
私はうっかり口を滑らせてしまった。夢のことは、まだ両親には言うつもりじゃなかったのに。
「ひな、言いにくいなら言わなくて良いからな?進路に関わるんだったら、準備は必要だから早めに言ってほしいけどな。」
パパはそう言っているが、気になっている様子だった。
進路に関わる話ではないが、2人が関係していることなので、打ち明けることにした。
「…あのね、パパとママ、『世の中の事情』で結婚式を挙げられなかったって言っていたじゃない?だから、私がウェディングドレスを作って、ささやかな結婚式を開いてあげたいんだ!」
パパとママは、呆気に取られていた。まさか、私の夢が自分たちに関係あると思わなかったからだろう。
國吉先輩は「素敵な夢だ」って言ってくれたけど、本人たちには迷惑なのだろうかと心配になった。
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