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紫陽花の花言葉 13

目を覚ました俺は、簡易ベッドから降りた。

兄は俺が眠りに落ちる前と同じ姿勢で、父に付き添っていた。

「兄さんも少し眠ったら?疲れてるだろう?」

「あまり眠くないんだ。眠ってしまったら、その間にお父さんが……」
兄はその言葉の先を言えないでいた。言葉にしたら、現実化してしまいそうだと思うのだろう。

「ねぇ、兄さんは父さんが憎くないの?母さんが兄さんに冷たい仕打ちをしても、父さんはそれを咎めることはしなかった。もしも、父さんが母さんを止めていれば、兄さんはこの家の居場所を失うことはなかったはずだ!」

「……清明、俺はお父さんを憎いとは思ったことないよ。ただ……俺を見て欲しいとは思っていた」
兄は悲しそうな目で父を見つめていた。

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