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#海宝家
【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 2 (「澪標」シリーズより)
僕は澪さんから受け取った香水瓶を枕元に置くと、澪さんに手を差し出した。
「……手を…握ってもらって…良いですか?」
僕は幼子のようにねだった。
「ええ、良いですよ。」
あなたは僕の手を包むように握ってくれた。
「兄さん、起きてる?入るよ」
見舞いに来た弟の千洋が病室に入ってきた。背の高い弟は、ベッドに寝ているといつもより大きく見えた。
千洋は僕の手を握るあなたに目を向けると、「兄さん、こち