240813

突然現れたそれは
何度も大きく息をして瞬きを繰り返していた
やるせなかった

偽善なのかもしれないが
事務的に作業するなんて耐えられなかった
涙が溢れた
偽善なのかもしれないが
無感情に作業するよりよっぽどいいと思った
偽善なのかもしれないが
とにかく悲しかった
でも どうしようもなかった

そんな状況でも冷静になってしまう思考が
その体温に触れることは許さなかった
いま冷静に考えても間違っていなかったと思う

鉄の上で終わることを選ばせてしまった
ほんとうに間違っていなかったのだろうか

身体を広げて大きく息をしていたはずなのに
気づくと羽を閉じ 目を閉じ 口を閉じていた
もう少し早く気づけば変わっていたのだろうか

早く気づいたとて
できることなんかあったのだろうか

無機質なコンクリートのうえで
もがきながら 邪険にされながら
あまりにも短い余生を送るより

鉄の上で終えたのは
いいことだったのだろうか
目的地は柔らかい土と草だった

着いた時にはもう遅かった

意味があったのだろうか
どう終えたかったのだろうか

鉄の上

その鉄は私が運んで移動していた
"飛んでいた"ということにしておきたい

一生忘れられないかもしれない
必死に生きていた

24年夏、迎え盆の朝。

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