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人間魚雷「回天」
読書会で提示されたこの本。作者の名前を見た時にはすっかり刑事物か警察ものかと思いましたが、開いて仰天!
第2次世界大戦を生きた大学生の話でした。軍国主義に国全体が染められている時に、海軍で人間魚雷「回天」が開発されてそれに乗り込む青年の姿が中心に描かれています。
この魚雷はとても完成とは程遠い研究途中の魚雷で、青年たちを乗せて練習しながら日々、手を加えていくといったあまりにお粗末な計画でした。練習中に命を落とした青年たちの数も決して少なくなく、そういう計画を秘密裡に進めていた当時の権力を持った人たちは一体何を考えてこんな計画を進めたのだろうと呆れるばかりで腹が立ちました。
戦時中のことは経験していない世代の私にはわかりませんが、でも、命の尊さは同じはず。まるで機械のパーツのように人間を扱うことは許されません。
さて、怒りはそのくらいにして、いったい日本は何を考えて第2次世界大戦に参戦したのでしょう? ドイツ軍、イタリア軍に何を見たのか、遠いヨーロッパの国についてどこまで日本軍は分かっていたのだろう? とそこがとても気になりました。
第2次世界大戦はもちろん、今起きているパレスチナ問題、またウクライナとロシアの戦争、私たちはニュースで伝えられている画像を見たり、記事を読むことで理解した気になっていますが、どういう歴史があって今に至っているのかはどこを見ても説明がありません。きっと長い抗争があったのでしょう。でも、原因があったからこそ今があるので、そこもわからずに、いい加減な意見を言っては行けない、と思うのです。
この国の政治家たちが安受けないしないように、そして何も知らないまま世界の場であたかも分かって発言するようなことがないように、私たちはしっかりと監視しないといけないのではないでしょうか?