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十二国記シリーズ「月の影 影の海」ざっくりストーリー要約

※ネタバレあり
※※ヘッダー画像は小野不由美、十二国記シリーズの山田章博のイラストより引用。

十二国記をおすすめする人は「ネズミが出るまでは」ということが多いそうで、これにはものすごく納得する。



↑感想記事はこちら。
こちらがメインなので要約記事は読まなくても良いかも。


以下、ざっくりしたストーリー要約。

【上巻】

普通の女子高生だった陽子が、ある日突然十二国の世界から来た景麒に連れられると同時に、刺客である妖魔に追われながらあちらの世界へ迷い込む。

突然現れた景麒に「主(あるじ)」だと言われるが理解できない陽子。
追手に追われあちらの世界へ渡る途中、陽子は景麒とは早々にはぐれてしまい、あちらの世界でひとりぼっちになる。

・宝剣の水禺刀(スイグウトウ)
・傷を癒し疲労を回復させる碧双珠(ヘキソウジュ)
・剣の扱いを助けてくれる憑依型の妖魔である賓満(ヒンマン)

景麒に与えられたこの3つを使い、もとの世界へ帰るため・景麒を見つけるための旅をせざるを得ない状況になった。

あちらの世界の十二国のひとつである巧国に着いた陽子は最初、訳のわからないまま人里では「海客(蓬莱・日本から来た者)だ」と捕まり追われ、旅の途中でさんざん妖魔に襲われ、やっと親切な人に出会えたと思ったら騙されて女郎として売られかける。

陽子はだんだん十二国の世界での生き方を覚え始め、剣で妖魔と戦うことも覚え始める。また、もとの世界での自分の生き方がどうだったのかも、剣の見せる幻影で改めて考える機会が生まれる。
幻影と共に青猿が出てきて陽子の心を読み惑わす。

その後、巧国内で偶然自分と同じ海客に出会い「なぜ言葉に不自由していないのか」という疑問が生まれる。
その海客のおじいさんは世界二次大戦の終戦直前にこちらに流されてやってきて、最初は言葉も通じずかなり大変な目に遭ってきたようだった。
陽子は言葉で困ったことがなかった。傷の治りもなぜか早く、こちらに来てから、自分の外見も変わってしまっていた。
結局、そのおじいさんには荷物を盗まれてしまい、海客同士でも分かり合えないことに人を信じられなくなっていった。

さんざんな目に遭ってもしばらくは剣で戦う意思も持てなかった陽子は、だんだん自分の意志で戦うようになってくる。

追手の妖魔や衛兵に追われ、信じられる人が誰一人いないまま戦い続けた陽子が道に倒れていると、助けてくれる母子が現れたが裏切られ続けた陽子は信用できなかった。
拒絶された母子は弱り切った陽子に水と水飴を与え去ってゆく。

しばらくして今度こそ死にかけた陽子に水禺刀は映像を見せる。
両親や教師、クラスメイトが自分をどう思っていたのか、元の世界でいかに自分が誰からも理解されていない存在だったのかを知り、自分の命をあきらめかけるところで上巻が終わる。

【下巻】

死にかけていたところを半獣のネズミ、楽俊(ラクシュン)に助けられる。
見殺しにできなかったからと見返りなく親切にし、兵にも突き出さずにてくれる楽俊だが、裏切り続けられた陽子は信用できずにいる。

巧国では半獣は勉強ができても学校に入れてもらえず、職も与えてもらえないとのことだった。
それは巧国の王の意向で、半獣や海客は巧国では疎まれているとのこと。それもあり、陽子に雁国(エンコク)へ行くことをすすめる。
楽俊は陽子にこちらの地理や国政などさまざまなことを教えてくれた。

陽子は楽俊のことを信用しないままに、ともに雁国へ向かうため港町の阿岸を目指した。
楽俊は道中、自分が半獣だから上の学校にいけなかったこと、上痒(幼少の学校)での成績は一番だったこと、半獣を差別しない雁国へ行けば自分にも職が与えられるかもしれないと思ったことを話した。
自分を助けたことが全くの善意ではないことを皮肉に思う陽子に落ち込む楽俊。

二人は次の町の門前で、再び妖魔に襲われる。妖魔と戦うことに高揚を覚える。戦いが終わるころには周囲の人々は妖魔にやられている人も多かった。
陽子は戦闘に置いてきた楽俊を人の中に見つけ、手当のためにそばに寄ろうとするが、衛兵に見つかることや楽俊が自分を裏切る前に止めを刺すこと、助けることとの間で葛藤する。そして結局衛兵に見つかりそうになりその場を立ち去ってしまう。

親切にしてくれた楽俊を見捨てたこと・止めを刺しに戻ろうかと迷いを持ったことに罪悪感を持つ陽子。その場に青猿が現れ陽子を惑わす。
陽子は「自身が人を信じることと、人が自分を裏切ることは何の関係もない」「自分に誰一人として味方がいなくても、他者を信じず害することの理由になどなるはずがない」と青猿を切り捨て、幻影から解放される。
青猿は水禺刀の鞘だった。幻影は陽子自身の心だった。

その後楽俊を探す陽子。
その最中で死にかけの陽子に水と水飴を与えてくれた母子に再会する。今後は素直に感謝を述べることができた。

楽俊を見つけられなかった陽子は、先に雁国へ行ったのだと考え阿岸の港へ向かった。
そこで船を待つが衛兵が船乗客の荷物を確認しており乗船できない。船を見送る陽子に声をかけた船乗りの4人組の男たちが船に追いついてくれるという。

船の中で散々働かせれる陽子。だが4人組は約束通り雁国への船へ追いついて選別を渡してくれる。これが巧国で出会った最後の人間だった。

雁国へたどり着いた陽子は、楽俊と再会する。巧国からの船を待っていてくれていたのだ。
見捨てたことを謝る陽子に楽俊は恨む気になれないと言い、海客としての手続きをしに行こうと再び同行する。
雁は巧国と比べ物にならないくらい豊かな国だった。

雁の国王である延王の治世は500年とも言い、王は人ではないため天命が尽きるまでは不老不死だという。
雁では半獣も海客も差別を受けずに暮らしている。痒庁(学校)の先生をしている海客に会える場所があるということで、会いに行くことにする。

海客はこちらの名で「壁落人(ヘキラクジン)」と言い、故国から逃げてきたという意識があり最後まで日本名を名乗らない。
壁落人との会話の中で、この世界では子どもは木の実として生まれること、陽子が胎果(タイカ)と呼ばれる十二国から日本の女の胎へ流されていった者であること、胎果はこちらでの姿と両親に似たあちらでの姿の両方を持つことを教えられる。
元は十二国の出身だと知らされる陽子。

そして、通常妖魔は特定の人物を襲うことはあり得ない、ましてやわざわざ世界を超えて特定の人物を狙うこと・それを操るものが居るのだとしたら、大事態だという。

そこで陽子は延王に会い、助力を願うことを勧められる。
そしてその後の楽俊との話で自身が慶国の新たな国王だと知る。
景麒は麒麟と呼ばれる神獣で、王にしか従わないものだということ。その景麒に主だと言われた陽子は新たな王で間違いないだろうと。

混乱し否定する陽子のもとに妖魔が現れる。途中、妖魔との戦闘を助太刀してくれた男が延王、尚隆だった。
陽子と同じく胎果の生まれである尚隆とその麒麟である延麒の六太。
今の慶国の現状と陽子のすべきことを教えてくれる。

慶国の前の王は舒覚(ジョカク)といい、景麒に恋着した結果国から女を全て追い出そうとして天命を失った。
麒麟は王が天命を失うと失道の病に罹り長くない。また、麒麟が死ぬと王は生きられないが王が先に死ぬと麒麟は死なない。景麒を愛していた舒覚は自ら王を退き死ぬことで景麒を助けた。
その後舒覚の妹、舒栄(ジョエイ)が王を偽った。

王は世襲制ではないため、舒栄は偽王だ。舒栄には後ろ盾が付いており、おそらくどこかの国の王が麒麟と刺客を使い、景麒を舒栄のところへ捕らえ、今まで陽子を妖魔に襲わせていたのだ。
それに立ち向かうため、雁国が力を貸してくれるという。

本来、王には決して犯してはならない罪が三つある。
一つは、天命に逆らって仁道に悖ること。
一つは天命を容れずに自ら死を選ぶこと。
最後の一つが、たとえ内乱を治める為であろうと、他国に侵入すること。
だけど今回は景王陽子を助力する立場であれば、延王は罪にならないとのこと。

陽子をずっと狙っていたのはなんと巧国の塙王だった。
周りの雁国や奏国が五百年、六百年栄えているのに対して自分の国が五十年ほどの治世であることに限界を感じていた。
そこに巧よりも貧しく荒れた国である慶に新王がたち、延王と同じ胎果の陽子が慶国を反映させてゆくことが恐ろしかった。
そこで天命を失うことを承知で陽子を狙い、塙麟に景麒を捕獲させた。
陽子はそれを水禺刀で知り、王として道を見失わない難しさを思う。

今までの自分の人生を後悔している陽子は、もう一度日本に戻ってやり直したいと思っていた。
王になり国王になってから日本に帰ることもできるが、それでは慶国が荒れてしまう。荒れる国を放置する王は天意に背くことで麒麟を病ませ、結局は王も死ぬことになる。
悩む陽子に説得をする尚隆や六太や楽俊。ただどちらにしても景麒だけは救出しなくてはならない。
楽俊に再度説得され、悩んだ陽子はついに王となることを決意する。
景麒を助けるべく慶国へ向かう。

雁国とその軍を率いて陽子たちは景麒の捕らえられている慶国征州都維龍へ向かい、景麒を助け出す。
たくましくなった陽子に驚く景麒は、出会った時と同じように再び頭を垂れ、忠誠を誓うのだった。

ここから陽子の物語が始まる。

終わり。

今回はストーリーを自分の中で整理するために要約記事も書きました。
メインは感想記事なので、こちらもぜひ見て行ってくださいね。

おしまい。


関連図書&今後買う予定のものたち

原作本。少しずつ新潮文庫の方で買い足していくぞー。

ある程度シリーズを読んだら読む予定のガイドブック。

山田章博のイラストが好きで小さい頃ホワイトハート文庫の方を買っていたくらいなので、画集も欲しくなってくる…。
十二国記の原作が面白すぎて購買欲を押さえきれるかどうか今後の課題だ。

2025年の12月31日にオーディオブックが配信されるらしい!
1年近く後だけど、聴いてみたいなあ。

↑2か月間99円で体験できる。これが年末まであればなあ。。2月4日までだそうな。


今後増えてゆく予定の十二国記関連記事


ではでは。


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ばくの子
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