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正規雇用が減ったわけ:クビにできないけれどいつでも辞める。そんな従業員は欲しくない。
終身雇用の前提が崩れた時、正社員を雇うメリットは激減したのです。
そして意外かもしれませんが、労働者が正社員になるメリットも減りました。非正規が増えたということは、転職が増えたということです。より良い職場を求めて転職が容易になりました。
退職が増えれば、採用も増えるのです。
逆に言うと、日本で求人が少なかった理由は解雇できないからです。
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かつては新卒で正社員にならなければ、お先真っ暗でした^^;
経営者から見たら、正社員は「解雇できないだけ」の人です。でも辞職は自由だ。実情として、一生懸命に育てても3,4年で辞める人が多い。
正規採用しないという判断は合理的です。これを非難しても始まらない。実行しない企業は倒産してなくなります。生き残るのは非正規雇用を重視する企業だ。つまりマクドナルド、セブンイレブン、イオン、クロネコヤマトです。
企業側の戦略としては、社員のうちの「これは」と思う人材だけを(正社員として)育てるのが正解だと思います。そして給与、福利厚生を手厚くして、辞めないように努力する。
現状を見る限りでは、どこもこれを実行しているようです。
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労働者が自由に次々と雇用主を選べるのならば、逆もしかりなのです。
しかし労働者としては「安定した仕事」が欲しいのもわかります。
じゃあ、どうするのか?
一つの手は「転職はしない」という契約を結ぶことでしょうね。どれほど魅力のあるヘッドハンティングが有っても、会社が潰れかけても、今の会社に骨を埋める。死なばもろともです。
願わくば忠誠を誓う。
そこまですれば経営者も正規雇用をすると思います。
そして、これはほんの2,30年前までは、どの会社・労働者も(事実上)やっていました。
問題は「現状とどちらがよいか?」ですが、個人の価値観によるとしか言いようがない。2つの選択肢を社会が許容し「わが社はこっちだ」と宣言するようにすれば良いのではないでしょうか?
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経済的な観点から見ると、「死なばもろとも」は長期的には不安定です。企業の平均寿命は30年で年々短くなっている(注1)。正社員になれば、今月の給料は非正規よりも高いでしょう。しかし、その高給を死ぬまでもらえるわけじゃない。
昇給しない、賞与がなくなる可能性は大いにある。給与不払いになる可能性すらある。
注1:企業の寿命は人間の寿命よりもずっと短いのです。
だから、正社員だって、現在の勤め先は10~20年後には無くなります。今年の新卒社員で、退職金満額を貰える人は2~3割しかいないはずです。会社が無くなりますから^^;
一方で、非正規社員はスキルアップをして、あるいは新しいスキルを身に着けて、次々に高賃金の職場を選べる。少なくともその可能性がある。本人が有能ならば。
(米国では、むしろこのスタイルで働いている人の方が普通みたいですね)
長期的には、「スキルを持つ非正規社員のほうが給与が高い」というシナリオをは大いに有り得るのです。
現に一つの企業しか知らない元正社員で、失業して無収入という人は大勢います(注2)。再就職できるだけの能力(若さも能力のうちです)がない。高齢者はこんな人ばかりです。
注2:私自身がそうでした(笑)
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おまけ
これは私の読みに過ぎませんが、企業は潰しの利く仕事に関しては正規採用をしないと思います。どうせ転職するし、汎用性のある仕事には正社員は必要ない。
一方で、その会社の固有の仕事には正社員を雇うでしょう。会社を辞めないと期待できる。そして、その種の仕事には長年の経験が必要なのです。非正規の短期雇用社員には実行できない。
メーカーの職人技的な仕事には、こういう人がたくさんいます。逆にライン工は非正規が(労使共に)適しているでしょう。
おまけ2
法律で正規雇用を義務づけても無意味です。もしも仮に非正規雇用を禁止したら、セブンイレブンやイオンは倒産します。人件費が膨らんで相賀S痔になるからです。
単にその産業が無くなるだけです。雇用は逆に減る。
これは経済の本質的な話で、労働者は自ら生み出す収益以上の報酬は、基本的に貰えません。当たり前です^^
だから、貧困対策は労働者の能力を上げるしかないでしょう。