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あるインタビュー番組で

ある有名なインタビュー番組に90歳を超える婦人が出演しておられました。

彼女は、79年前、学生時代に被爆され、その経験をインタビュアーに話していました。

被爆経験をされた人で、現在も生存している人は残り少なくなっています。
其の方々は、今話さなければならないという使命感を感じて、今まで黙していたのに、証言し始めています。

私自身、何度か被爆体験を耳にしましたが、この度の彼女の証言は、とても印象深かったです。

何故かというと、実際に体験した様子をとても細かにそのときの感情も込めて、話していたからです。

被爆した場所、そのときの状況、そこから何という町に逃れたか、そこは広島市内からどのくらい離れているか、母親を探すためどの交通手段を使って再び市内に入ったか、母親を探すため川に入って一人一人確認したことなど、まだ十代前半の女の子の体験としては、あまりに強烈で恐ろしい事だったのでしょう。

それらを、淡々とまるで昨日の出来事のように、彼女は話していました。
だから余計に心にしみました。

やっと探し当てた母親の側で、その晩はゆっくり眠れたこと、その後、母親の実家に移ったが、母親は原爆症のため亡くなったこと、その際、お母さんは実家にいた親戚の人達に「娘達を頼みます」と頭を下げたそうですが、それを聞いて涙がジワッとあふれました。

やがてお兄さんが戦地から帰ってこられたので、孤児にならないで済んだそうです。(もちろん、沢山の子ども達が原爆孤児になってしまいました)

原爆で生き延びても、放射能によって沢山の人達が原爆症で亡くなりました。

今、彼女は、精力的に被爆体験を話しておられます。
其の姿に、強い意志を感じました。

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