数字で振り返るコロナとサクラサク
■進化した2年間
さて早いもので、今期もあと一か月を切りました。17期目が終わりを迎え、4月から18期目を迎えます。
2年前のこの時期にコロナという未曾有のパンデミックに世界中が見舞われました。
そこからの2年間。サクラサクはどう変わったのか。
自分達に降りかかる難局に無我夢中で適応する中で、気づけばサクラサクは2年前とは全く別の組織に進化していました。
サクラサクは上場していませんし、上場を目指してもおりません。経営数字を公開する必要はありません。
2019年コロナ前、2020年コロナ1年目、2021年コロナ2年目の数字変化を公開。誇れるような数字ではありませんし、上場企業であれば株主の槍玉に上がるような内容です。
しかしこの2年間の取り組みが如実に数字に表れているため、数字とともにコロナとサクラサクを振り返ってみたいと思います。
■コロナ1年目の軌跡
売上15%、粗利12%ダウンという厳しい状況になりました。
実際、2019年の3月度には途中解約や提案していたものが白紙に戻ったりと単月でも影響がありましたので、通常年で比較するともっと厳しい数字になっていたかと思います。
3月に新規提案がほぼ吹っ飛び、また決まっていた4月からの継続契約も白紙なってしまうものが続出しました。
さらになんとか1Qを乗り越えたと思いましたが、さらに悪い状況は3か月程ずれて時差式で我々の数字に直撃。2Q(7-9月)の数字が最も厳しい状況となりました。
一方で、5月という非常に早いタイミングでコロナが長期化すると読み、販管費の大幅なコストダウンに踏み切りました。オフィス移転、完全リモートワーク、クラウド化・・・販管費のダウンが10%に留まっていますが、家賃のダブルカウント、前オフィスの原状回復など特別な支出もありましたので、実際数字にこの効果が出てくるのは2年目のことになります。
また2019年12月の大胆な組織改革により少なくない退職者が出ましたが、業務効率化により、人員を増やさずに現メンバーが踏ん張ってくれたことも大きく数字に貢献しています。
営業利益で見ると60%ダウンと激減していますが、こちらもオフイスを捨てたことによる固定資産除却損などの特別損失の影響があり、実際は前年対比トントンで抑えることができたと言えます。良く耐え抜いた1年だったと振り返ります。
■コロナ2年目の軌跡
コロナが常態化した2年目、世の中の景気が回復するわけでもなく、絶好調というわけにはいきませんでしたが、前年のコスト圧縮により、増益は固いスタートなりました。
また下期より、自社マーケティング、営業体制の見直しを敢行したことにより、受注数、売上と後半にかけて伸びてきました。
事実、上期 VS 下期比較で売上は105%成長。3Q VS 4Qで116%成長と後半にかけて、右肩上がりの状況が作れています。
結果、昨対で売上はギリギリ横ばい、粗利は6%ダウンするも販管費の圧縮により増収増益達成、営業利益が約3倍、コロナ前と比べても120%となり、営業利益の面では綺麗なV字回復の着地となりました。
コロナという緊張事態でなりふり構わず、改革を断行したことによって、2年間で利益構造も大きく進化させることができたと言えます。
売上はコロナ前比較で15%もダウンしているものの、しっかり利益を創出できる体制になっています。
特に何がこの数字に貢献しているのか?大きく3つのポイントがありました。
■フルリモートワーク効果
考えるまでもなく、リモートワークによって、家賃、交通費と販管費の大幅な圧縮に繋がっています。細かい点でいえば、会議費、交際費、また備品など物理的な活動の縮小に伴って、費用も削ることができています。
ただそれ以上に下記3点のメリットが大きく数字に繋がっていると感じます。
①生産性の向上
約40名近いスタッフ。出社の移動時間1日2時間。顧客の往訪など移動時間1日1時間、合計3時間。1日全社で120時間。一週間で600時間。
無論、オフイスの方が集中できるとか、リアルミーティングの重要性などリモートワークの賛否には議論の余地がもあると思います。が、1週間600時間を会社として創出できているこの事実。
600時間すべて業務に使えるわけではありません。しかし、その分、ゆっくり休息できたり、家族と過ごせたり、各メンバーが有効活用できる時間は間違えなく増大しています。
人件費を抑えながら、売上を維持するためには、当然、生産性の向上が不可欠。その基盤にはサクラサク流フルリモートワークという働き方改革があります。
②離職率の低下
上記で述べたように個人の自由な時間が創出できる環境。これは給与や福利厚生にも勝るプレゼンスになっています。
特にコロナ禍で幼稚園や小学校が閉鎖したり、共働きで育児と仕事を両立させなければならない環境で物理的な移動時間がない、働く時間を制約されない、これは大きなメリットです。
また様々な働き方の多様化が生まれています。
・都会の喧騒から離れて、田舎に引越して働く
・7時から始業して16時終業。夕方から自由時間
・土日に旅行にいって、そのまま一週間、旅行先で仕事
・保育園の送り迎えの時間は休憩に当てて、その前後で仕事。
この2年間で、日本の中では、最先端の新しい働き方が可能な環境になりました。メンバーにとっての良い意味での居心地の良さが離職率の低下に繋がっています。
③採用力の向上
上記②の裏返しになりますが、他社では認められない働き方が実現できる環境。これは年収アップやキャリアアップ以上の魅力的な環境ともいえます。
またフルリモートワーク環境下では、自然と時間での束縛から、成果コミット型の組織文化に変わっていきます。結果的に業務委託という選択肢が大いに広がりました。
こうした変化の中で今までは採用できなかった複数のメンバーがサクラサクにジョインし、活躍してくれています。
・即戦力のベテランWEBコンサルタント
・週4勤務のママコンサルタント
・アーティスト兼コンテンツディレクター
・兵庫県在中の敏腕ディレクター。
そして1月から北海道在中のコンサルタントも加入予定です。
物理的、条件的垣根を超えた採用が実現できているのもフルリモートワーク好材です。
■マーケティング改革
コロナ禍の窮地からマーケティングのオンライン化を決め、ねぎおが陣頭指揮をとり、様々な施策を展開してきました。
・オウンドメディアのセッション数
・メルマガ登録数
・セミナーの申込数
・Twitterのフォロワー数
・YouTubeのチャンネル登録数 etc
様々なKPIが着実に伸びていく中で、ふと感じた違和感。。。
という素朴な疑問。マーケティングとは自社サービスの売上を上げるための活動の総称。売上につながっていない活動はマーケティングとは言えないのでは?
このあたりのしくじりは動画でまとめましたので、是非、ご興味ある方は、ご覧ください。
この気づきから大胆に施策変更をして約5か月。ターゲットドンピシャりなお問い合わせがバシバシ来るようになりました。
大胆に刷新したこちらのサービスページが絶大な効果を生んでくれています。そして今期の後半の数字の追い上げにも大きく寄与していると感じます。
■救世主の存在
約17年間のサクラサクの歴史の中で危機的状況を振り返ると危機に瀕したタイミングで、必ずといっていいほど、救世主が登場します。
今回も厳しい売上状況の中で、
・サクラサクを指名してくれるクライアント
・サクラサクと協業してくれる代理店やパートナー
・粉骨砕身で働いてくれる業務委託や外注パートナー
の存在がありました。
運が良い、ラッキーだったといえばそれまでですが、先義後利という商魂がサクラサクの組織の根幹にあったがために起こった神業だと信じてやみません。※詳しくは下記、ご覧ください。
■2年間の総括と今後
さて客観的に数字でこの2年間を振り返ってみてまず一番に思うことは「願えば叶う」ということ。私の経営者人生の中でも2020年4月はワースト3に入るほど、大きな不安に苛まれました。
この時に、どうありたいのか?どうあるべきなのか?必死に考えて、1つ1つ行動に移しました。とにかく目の前のことに必死で、どうなるかなんてわからない中、ひたすらに意思決定を繰り返しました。
結果的に2年後、自分が望んだ形に組織は進化していきました。
そんな成功体験をした2年でした。
さてここから。余計な脂肪が落ちて利益体質に生まれ変わった組織。
ただ社内を俯瞰するとサービス面、メンバーの考え方&スキルと進化させていかなくてはいけない点も多々見受けられます。
願わなくなってしまった途端に進化は止まります。
この2年間の軌跡はメンバーと共に賞賛するとして、4月より次の目的地に向かって、しっかり舵を取りたいと思います。各メンバーもしっかり自身の2年間を振り返って、次の1年に対して、どうしたいか?どうあるべきか?しっかり願って欲しいと思います。
「願えば叶う」
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