日本最後の秘境「雲ノ平」と日本最奥の秘湯「高天原温泉」3日目
日本最後の秘境雲ノ平と、日本最奥の秘湯高天原温泉大冒険3日目の22日
激しく小屋の屋根を叩く雨の音で眠れない。
何度も目が覚め、うつらうつらして、目が覚め、を繰り返す。
その度に、『雨は嫌いだ!、早く止んで!』と祈る。
天気予報は、22日は1日雨☂️
当初の計画では、高天原山荘から次に泊まる山小屋、「薬師沢小屋」には大道新道という、沢沿いを歩く予定だった。
が、晴れていても難しい上級者向けのルートだと知って、雲ノ平まで登り返して、急坂を下って薬師沢小屋に行くしかないのかー、と諦めてはいた。
沢好きとしては、サラサラ流れる気持ちいい沢沿いを歩きたい。そして何より移動時間が短い。
昨日、9時間を超えて歩いているので、今日の歩く距離は短くしたかった。
しかし、雨の音は静まりそうもない。
雲ノ平を越えるしかないか、覚悟を決めた。
あのお花畑がまた見れる、気持ちを切り替えた。4時過ぎに、出発の準備に取り掛かる。
隣で昨日の彼女はまだ寝ている。
彼女は、ここから更に上を目指し、鷲が翼を広げた形に見えるところから名前が付けられた「鷲羽岳」に登ると言っていた。
この雨で、どうするのだろう?
日程に余裕のない私は、雨でも進まなくてはならない。朝食を取っているうちに、少し空が明るくなってきた。
急いで出かけないで、少し様子を見ていたら雨は小降りに変わってきた。
これくらいなら歩ける。
今日の予定を変更しようか迷っている彼女に、お礼と無事を祈って、6時に山小屋を出発した。
と、男性5人のグループも
同じ時間に出発するところだった。
「今日はどちらまでですか?」
お決まりのご挨拶をすると、
雲ノ平を超えて薬師沢に下り、太朗平小屋泊まりで、明日(23日)下山だと言う。
今日泊まる山小屋は違うけど、同じルートを歩き、下山日も一緒。
雲ノ平へ登り返す悪路が、この雨でどうなってるのか不安だった私はすかさず、
「私も同じルートで薬師沢小屋まで行きます。一緒に歩いてもらっていいですか?」
と聞くと、リーダー風な方が、快く
「別にいいよ、自分達はゆっくりだから、途中で抜いてもいいし、自分のペースでね。」
と、言って頂いた。
すごく安心した。
一人で計画して、自分の足でここまで歩いて来た。
一人で来ても、仲間で一緒に来ても、
自分で自分の足を一歩前に出さなければ、前には進まない。
でも、同じ道を苦労して歩いている人が前にいる。
たったそれだけで、すごく安心した。
苦しいのは私だけじゃない。
そして、5人皆さんの歩みが元気をくれた。
雨は30分も歩くと止んできた。
太陽の日が見え隠れする。暑い!
リーダーさんの声かけで、レインウェアを脱ぐ。
その後も、リーダーさんの声かけで、
定期的に休憩をとる。私も一緒に水分補給する。
私一人だったら、もっとちょこちょこ休憩してしまい、進まなかっただろう。
橋がかかっていない小さな沢は、予想通り増水している。足の置き場に困って、ウロウロしていると、
「この石に乗って、次ここ。」
とアドバイスしていただき、無事に沢を越えた。
その後もぬかるんだ道が続き、足の置き場を間違うと、ズボッと靴が泥沼に沈む。
泥につからない様に、足の置き場を選んで歩くものだから、足が変にクロスして普通以上に疲れる。
鉄の長いハシゴを3つ登ると、木道が現れてホッとした。雲ノ平だ。
1番の難所は越えられた。
「10分休憩、自由に何してもいいよ。」
リーダーさんから声がかかり、
木道で、水を飲み、行動食に持っていったナッツと甘納豆を口に放り込み。写真を撮る。
雨の予報は見事に外れた。晴れ間も覗く。
朝の水晶岳がきれい。
「後2分」
リーダーさんの声かけで、
行動食、携帯をしまい、リュックを背負う。
ここからは、ゴロゴロした岩の小高い丘を2つ越える。その先が雲ノ平山荘だ。
大きな岩は滑りやすい、おまけに登山道は水が流れ、沢と化している。
登山道の両脇には、ハイマツという、背の低い松が登山道に迫り出して生えている。
水に浸からない様に、岩の上を歩く。岩の上で滑らない様に、ハイマツを掴む。
ハイマツさんのお陰で、バランスを崩す事なく、岩の登山道を歩き切り、雲ノ平山荘に到着した。
10時、ちょっと過ぎたところ。
男性5人グループの皆さんと、いろいろお話ししながら歩いて来たが、
私はお腹が空いて、エネルギー切れ、雲ノ平山荘で早いランチにし、ここでもう少しゆっくりお花を見る為に、先を急ぐ皆さんとお別れした。
[明日の下山のバスは一緒なので、またよろしくお願いします!」
と言って。
雲ノ平山荘で食べたスパイシーうどん。
トッピングに揚げた牛蒡と人参がのって、ココナッツ香るうどんだった。
残った汁に、ご飯を入れて、炭水化物たくさん、まさに山ご飯。エネルギーいっぱいチャージして、
ここからは一人、今日最後の難所、薬師沢へ下る急坂を行く。
その前に、
きれいな景色の前でコーヒーを淹れた。
一緒に歩いてくれた皆さん
顔出しOKという事だったので、冒頭の写真にも使わせていただきました。
5日間、北アルプスを縦走してきたと言う皆さんいい顔してる。
ありがとう😊