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【7-2】シャニP担当P視点で振り返るWINGプレイ感想 ~ 緋田美琴編 ~
はじめに
本記事はシャニマスの各アイドルのWING編をシャニP(ゲームの登場人物である『プロデューサー』の通称、プレーヤーとは別個の存在とする)を中心に振り返っていくシリーズの緋田美琴編。つまりシャニP担当P視点から見るWINGの緋田美琴編となります。
シャニPに興味のある方や、美琴のWINGについて軽く知っておきたい人の参考になればと思います。
加えて朝コミュ(プロデュースモードで週の切り替わり時にたまに発生する3択問題)についても取り扱っています。
ネタバレ全開なのでその点に注意してください。
《 あらすじ 》
「私が、ここで生きている意味も あるのかもしれないね」(美琴WING本選敗退コミュより)
緋田美琴は「パフォーマンスでみんなに感動を与えられるアイドル」を目指すため、所属していた事務所を離れ、新たに283プロの門戸を叩く。古巣とは全く違う社風の事務所ではあったが、10年のアイドルとしてのキャリアもあり、283プロのプロデューサーからは常に高い評価を貰う。一方で、他人から貰う高い評価に反して、自分の名前を呼ばれることはなかったという経験から、本当に目標とするアイドルに成れるのか疑問視していた。しかし、それをプロデューサーに伝えると、彼は「そんな世界を変えよう」と美琴を当たり前に応援してくれることを誓った。そしてその決意をWINGで体現し、見事優勝した。元ユニットの斑鳩ルカとの軋轢など、全ての問題が解決したわけではないが、確実に美琴は目指すアイドルへ一歩踏み出した。
《 感想 》
先に実装されたにちかのWINGがマッシブだっただけに、美琴・シャニPともに比較的安定した動きを見せる美琴WINGは落ち着いて読むことができた。ただ、それだけに時折みせる美琴の執念がじんわりと効いてくる。
シャニP担当としては、見どころという点では流石ににちかWINGと比べれば多くはない。しかし、全体的な完成度であればどちらも良い点が多く、その評価は人の感性によるところだろう。個人的には美琴WINGの方が好きです。
気になるのは伏線の可能性がある、もしくは明らかに伏線だろうと思われる箇所が多く見られる点ですね。このあと共通コミュとして感謝祭編、GRAD編、LP編の実装がほぼ内定していると考えると、長期的な物語が予定されているからこその措置なのかもしれない。特に斑鳩ルカ関連はこの記事を書いている現時点では公式HPに載っている情報+美琴WINGでの登場のみですので、彼女と設定上最も重要な関係性を持つであろう美琴はどうしても伏せなければならない魅力が多く、そのせいでワリを食らっているとも考えられる。
ともあれ、美琴の評価は長期的な目で見る必要があり、このWINGコミュも美琴の新たなコミュが実装されるたびに再評価されることでしょう。
《 WING振り返り 》
P「素質を持っていそうな子が、必ずしも アイドルになりたいってわけじゃないしな……」(美琴WING共通コミュ冒頭『call』より)
当たり前ですが、あのシャニPでもスカウトは容易ではないみたいですね。また、誰彼構わず声をかけているように言われがちなシャニPですが、ちゃんと素質の有無を見分けてスカウトしてるみたいですね。
美琴「君がその、プロデューサー?」(美琴WING共通コミュ冒頭『call』より)
シャニPの年齢は透との過去から20代中~後半程度と推察されていますが、決定打はありませんでした。ここで、24歳の美琴が初対面でもシャニPにフランクに接しているコミュが登場した。その結果、シャニPの年齢は24歳前後説が浮上した。
ただ、共通コミュ2で美琴はスタイリストやディレクターなど多くの人とタメ口で喋っているので、美琴は基本的に明らかな目上の人や改まった場面以外にはフランクに接するスタイルなのかもしれない。加えて、シャニPもいつも通り共通コミュ1からは下の名前呼び捨てしている。
残念ながら、このコミュではシャニPの年齢を確定できる決め手とはならないのかなと思います。
P「美琴!」(美琴WING共通コミュ1『sincere』より)
シャニPが美琴の名前を叫ぶシーンその1。このときはまだ美琴の反応もドライな感じ。
P「美琴、ほとんど毎日深夜まで…... いや、明け方くらいまで練習してる日もあるだろ?」(美琴WING共通コミュ1『sincere』より)
長時間の練習を続ける美琴を心配するシャニP。ただ、シャニPもそれを知っているのはもしかして彼もその時間まで仕事していたからなのだろうか。……流石に管理してる人に聞いたか鍵の管理をしてるシステムで調べたのだろう、と思いたい。
コミュタイトルである「sincere = 誠実」はコミュでのストイックな練習を続ける美琴のアイドルへの思いであると共に、それをサポートするシャニPにも係っている言葉なのかなと思います。
また、この後のコミュでこの美琴の練習にとことん付き合うこととなるシャニPですが、もしかしてこのスケジュールを継続したうえでの話なのでしょうか。…...どこまでも努力できるところは二人に共通する良いところですが、自身の体も大切にしてほしいと思うところですね。
P「それは…... 話してくれるまで待つよ」(美琴WING共通コミュ2『bygone』より)
不用意に踏み込まない、でも必要な時には踏み込む、そのギリギリの距離感の調整はシャニPはそこそこ上手な印象がありますね。これは距離感に関してデリケートな結華のコミュでのシャニPの活躍を知っているからでしょう。メタ的に言えば、WINGでは美琴とルカとの関係にリソースを割きたくないので、情報を最低限に絞った結果なのでしょうが。
P「美琴ーーー!」(美琴WING共通コミュ3『stage』より)
シャニPが美琴の名前を叫ぶシーンその2。叫びでもしないと美琴が気付いてくれないことを理解したらしい。
美琴「顔に書いてあるよ 『美琴に聞きたいことがあって来た』ってね」(美琴WING共通コミュ3『stage』より)
他の子の、特にWINGの各シーズンの審査突破を伝えるときでも、シャニPは顔の表情で悟られてしまうことがありますね。放クライベコミュ「ミッション・コンプリート!」でも自分の顔色からアイドルにドッキリ企画がバレてしまうことを心配していたあたり、自他認める「分かりやすいヤツ」なのでしょう。
P「……もし、美琴が話してくれるなら 美琴のこれまでのことが知りたいな」美琴「………… これまでって? 生まれたところから?」P「そこから聞いていいのか?」(美琴WING共通コミュ3『stage』より)
前コミュでは引く姿勢を見せたシャニPですが、今回は前に出ましたね。そして相手がちょっとでも歩み寄りの姿勢をみせたらグッと手繰り寄せる手腕は流石かなと思います。彼は釣りの才能もあるかも。そして釣った魚に餌をやらないタイプでもあると思う。主に凛世への対応を見るにですが。
美琴「完璧じゃない方が応援したくなるし 歌えなくても踊れなくても、どんな振る舞いをしてたって」「見た目が良くて、個性があって キャラが立ってて、推せればいいんだって」(美琴WING共通コミュ4『become』より)
これに近い話はイルミネの感謝祭コミュでも語られていましたね。そしてイルミネのコミュでも、今回の美琴のコミュでもシャニPは彼女たちの希望やそのための努力を否定しません。もちろん「推せればいい」という方向性も否定はしていませんが。
そしてそれが彼の良いところであり、彼に並々ならぬ負担がかかっている原因でもあります。画一的な指導は作業の効率化・分業を図れますし、分かりやすいキャラ付けはステークホルダーにより短時間に魅力を伝えやすいメリットがあります。こと流動性の高く、何が当たるか分からない芸能界であれば、安価で生産性が高く価値を創造しやすい管理システムの方が間違いなく多くの人間に必要とされるものかなと思います。だからこそ、シャニPのような異端者が入り込める隙間が生まれるのでしょう。両者は善悪・正誤というよりも表裏一体の相互関係に近いものがあるんでしょうね。
つまり何が言いたいかというと天井社長はもっと従業員を雇えということです。もしくは、シャニPお前分身しろ。
P「だけど、美琴の実力が評価されないのも おかしいと思うよ」「だからさ、世界が変わるくらい すごいものを見せてやろう」「――美琴なら、それができるだろ」(美琴WING共通コミュ4『become』より)
良き指導者の条件のひとつとして、「優れたビジョンを提示できる」ことが挙げられることがあります。その観点で言えば、シャニPの「世界が美琴を評価しないなら、その世界を変えてやればいい」という視点の切り替えは面白いなと思いました。それができるかどうかがで問題ではなく、それに挑戦したい・彼と一緒に居たいと思わせるビジョンを提示できていることがシャニPの強みなのかなと思います。
ともあれ、シャニPらしくそのアイドルのことを全力で信頼しきるが故の、非常に前のめりなセリフ。だからこそフレッシュで、輝いていて、人を惹きつける力があるのかなと思います。全WINGコミュでもトップクラスに好きなセリフ。
P「美琴が毎日積み重ねている努力も 当たり前のことなんかじゃないもんな」「…...頑張ってくれてありがとう、美琴」(美琴WINGシーズン1(クリア)より)
実力が正しく評価されることが当たり前のことではないと語る美琴へのシャニPの返答。シーズン1の段階ながらすでにそれなりの信頼関係が見えている。
P「美琴ほどの実力があって 評価されないなんて…………」(美琴WINGシーズン1(失敗)より)
WINGのシーズン途中敗退コミュでのシャニPは「落選しまったのは残念だが仕方がないかった。これからも頑張ろう!」みたいな内容が多いが、美琴の場合は「落選に納得できない」という内容なのが珍しい。まぁ、元々アイドルとして活躍していた美琴の経歴を考慮すれば気持ちもわかるが。
美琴「わかってる 毎日会ってるんだから、わかるでしょ?」(美琴WINGシーズン2(クリア)より)
毎日会ってるのか……。深夜にまで練習を続ける美琴を監視するためでもあるだろうが。レッスン室の主、美琴の管理責任を果たすシャニPの休日はいづこへ。
P「美琴は、前に『当たり前のことなんてない』って言ってたけど」「俺が、美琴を応援するのは 当たり前だと思ってくれて、いいからな」(美琴WINGシーズン2(クリア)より)
シーズン1のクリアコミュに引き続いた内容。自分が応援するのは当たり前だというシャニP。安心感が持てるセリフ。
P「美琴の好きなドリンク買っておいたんだ 持って行ってくれ」(美琴WINGシーズン2(クリア)より)
にちかWINGコミュでのシャニPとの比較で、二人の飲み物の好みを把握していたかどうかでやたらと話題になったセリフ。別にアイドルの飲み物の好みなんぞ些細な事とか、美琴の好みがわかりやすかっただけとか、たまたま比較しやすい描写っぽく見えるだけで運営はそこまで考えてないよとか、思わないでもないです。特に、レッスンをするたびに用意しておくドリンクを変えるような新しいもの好きというわけでもなさそうですし、毎日差し入れしているのであれば好みの把握も容易でしょう。逆に、にちかの例のコミュは状況的に「体が温まるドリンク」というざっくりとした条件しかないことも考慮しなければなりません。
ともあれ、シーズン2時点でシャニPと美琴の信頼関係は前回よりもさらに高いもののように見えます。性格上シャニPと美琴は気が合いやすいのかもしれませんね。
P「美琴ー!」(美琴WINGオーディション前1より)
シャニPが美琴の名前を叫ぶシーンその3。
P「このガムいつものやつ」「美琴の好きなタブレットあるぞ」「これでも飲んで落ち着いてくれ」(美琴WINGオーディション前3より)
シーズン2クリアコミュでも美琴の好みのドリンクを渡していましたが、ここではそれに加えてタブレットとガムも持ってるみたいですね。シャニPのカバンには常に美琴が好きなものが備えられているのかもしれない。……オーディション直前に用意した可能性の方が高いだろうが。
関連するところでは、真乃のオデ前6や小糸の朝コミュ1でもアメを渡していたことがありましたね。もしかしたらシャニPのカバンにはアイドルたちの好きなものがぎっしり詰まっているのかもしれません。そういえば、イルミネイベコミュ『くもりガラスの銀曜日』ではシャニPのカバンの中身として、くまさんのグミやたい焼きのスタンプカード、パソコン、仕事の資料が登場していましたね。
P「美琴ー!」(美琴WINGオーディション前6より)
シャニPが美琴の名前を叫ぶシーンその4。セリフはオデ前1と全く一緒、かつどちらもテンションステータスが上昇するのも共通。オデ前1の時の反応よりも明らかに嬉しそうな顔をする美琴が見られる。シャニPへの信頼度の変化が分かる。
美琴「だから、応援してて ――美琴って、名前を呼んで」(美琴WING準決勝前コミュより)
これまでシャニPが美琴の名前を叫んでいた描写がここで活きてくるんですね。”呼ばれなかった”人生を歩んできた美琴だけに、当たり前に自分の名前を呼んでくれるシャニPの存在がとても大きなものになっていたのかもしれない。
そういえばシャニPに名前を叫ばれると非常に喜ぶ子として美琴の他にも摩美々、透などがいますね。何か共通点があるのかもしれません。
P「美琴ーーー!」(美琴WING優勝Endコミュ『my name』より)
シャニPが美琴の名前を叫ぶシーンその5。名前を呼ばせておきながら、実は最初から聞こえてたのこと。イチャイチャしてんじゃねーぞ!
《 Morning 》
美琴「え?うん、これから帰って寝るよ」(美琴Morning1より)
まさかの完徹レッスン。ハードワーカーシャニPもびっくりのストイックさ。本記事の主題とはあまり関係ないが、衝撃が大きかったので紹介。
P「心配してしまうものなんだよ プロデューサーっていうのは」(美琴Morning3より)
親かな?本人が大丈夫だと思っていても心配してしまうという文脈は摩美々や雛菜のコミュなんかでも見られますね。
P「ああ、これも仕事のうちだよ!」(美琴Morning6より)
仕事と称して美琴とアイドルのステージ映像を見ようとするシャニP。サボりたい訳じゃないと信じたいところ。
美琴「あ……ううん、283プロって 意外とこじんまりした事務所だなって思って」(美琴Morning7より)
現在283プロのスタッフ数は社長含め3人ですが、25人もアイドルを抱えていればもっとスタッフがいるのが普通じゃないかとは筆者も思います。例えば、木村佳乃氏や松坂桃李氏を抱える株式会社トップコートは28人のタレントをHPに掲載していますが、事務所の従業員は37人。Avexグループのタレントマネジメント部門を担う子会社、エイベックス・マネジメント株式会社であればタレント数171組(※人ではない)に対してスタッフ数254人である。ちなみに現代において、1人の前線兵士を支援するため7~8人の後方支援が必要という説もある、らしい。
ともかく、抱える仕事の総量に対してマンパワーが絶望的に足りていないのは明白である。資金調達、人員輸送、案件交渉、トレーナー・クリエイターへの依頼、タレントマネジメントなどのアイドル業に加えて総務、法務、人事、経理などの会社組織として必要な業務を、1~2グループならまだしも25人分を3人のスタッフでこなそうというのだから無理がある。もしかしたら多くの業務を人材派遣会社や税理士などの外部に委託しているのかもしれない。あるいは描写されていないが3人以外にもスタッフがいるとか、子会社やグループ会社が代理しているとか。そこまでいくと、美琴の「こじんまりした」という発言と矛盾するが。
もしかしたら、人間離れした働きぶりとその成果という点で、天井社長、シャニP、はづきの方がアイドルよりもファンタジーな存在なのかもしれない。まぁ、メタ的に言えば、彼らは舞台装置としての役割が大きいので……。
美琴「だけどプロデューサー、 他の事務所のこと、あまり知らないんじゃない?」(美琴Morning7より)
「283プロが一番だ」と語るシャニPへのツッコミ。それはそう。10年芸能界に居た美琴の方がシャニPよりも多くの実体験があるだろうから思うところもあるだろう。こうツッコまれる程度にはシャニPは若めのかもしれない。
美琴「……ちょっと意外だね なんだか可愛いけど」(美琴Morning8より)
「この時間は占いコーナーだよな」と語るシャニPへの反応。にちかも朝コミュ3でシャニPに「カワイイ方面で自己プロデュースしろ」と言っていましたが、シーズの2人にはシャニPが可愛げのある人物に見えているのかもしれない。
ところで、プロデューサーが現れた瞬間テレビを消した美琴でしたが、一体何を見てたんでしょうか。Nomal選択肢が芸能ニュースであることを考慮すると先にデビューして活躍しているアイドルや斑鳩ルカ関連でしょうか。今後のコミュで拾われるのかもしれない。
P「おーい、美琴ー!」(美琴Morning9より)
シャニPが美琴の名前を叫ぶシーンその6。今回は音楽に集中している美琴への呼びかけ。ただ、選択分岐である「呼んでみただけだ」はそりゃあNomalコミュニケーションでしょうねという選択肢。
P「連絡くらいは、してあげてくれよ きっと心配してるだろうし……」(美琴Morning10より)
実家に全然帰っていないという美琴への反応の一つ。あまり美琴にはいい顔はされなかったが。もしかしたら、事務所で美琴を預かる際にシャニPが彼女の実家に挨拶をした際に、何か親御さんから一言あったのかもしれない。
「綺麗な曲だな」「寂しい曲だな」「聴いたことない曲だな」(美琴Morning12の選択肢、順にPerfect、Good、Nomal)
美琴の鼻歌へのシャニPの感想。選択分岐先のコミュの内容からして、美琴にとって思い入れのある曲なのだろう。寂しい曲という感想に肯定的な反応を示していることを考えると、もしかしたらこの鼻歌はにちかWINGで登場した『そうだよ / 八雲なみ』なのかもしれない。あるいは美琴のデビュー曲、もしくはルカと歌った最後の曲とか。今後のコミュで拾われるかもしれない、その2。あと、一瞬で曲のニュアンスを理解できるあたり、シャニPの音楽的なセンスは悪くはないのかもしれない。
美琴「プロデューサーがわからないなら 誰もわからないと思うよ」(美琴Morning15より)
シャニPへの信頼度の高さがうかがえるセリフ。自分よりも自分の事を分かってくれてる、と思っているということでしょうか。選択肢にも「美琴のことわかってきた」とあるので、ある意味相思相愛な関係とも言えるかもしれない…...すみません、言いすぎました。ともあれ朝コミュの締めくくりとしても魅力あるコミュですね。
終わりに
以上となります。他の子のWING振り返りも行っておりますのでぜひそちらもチェックしてみてください。ハブとなる記事はこちらです。読んでいただきありがとうございました。