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パーソナリティ障害

 パーソナリティ障害とは、思考・感情・行動などのパターンが平均から著しく逸脱し、社会生活や職業生活に支障をきたしている状態のことをいう。思考・感情・行動の特徴が極端な形で現れ、柔軟性がなく、長期間にわたって持続し、著しい機能障害または主観的苦痛が引き起こされている場合に限って、パーソナリティ障害と診断される。
 パーソナリティ障害は、正常な状態とはいえないが、病気であるともいなない。パーソナリティ障害を持つ人は、統合失調症、気分障害、不安障害などの精神障害の一部と重なる症状を示すことがあるが、精神疾患と区別されている。パーソナリティ障害の概念自体は、正常圏とも精神障害とも重なりつつ、しかしそれらとは異なるものとして位置づけられている。
 今日、パーソナリティ障害の診断は、精神疾患の診断・統計マニュアルによって行われるのが一般的である。ここには、10種類のパーソナリティ障害と、これら分類に含まれないパーソナリティ障害が定義されている。そして、10種のパーソナリティ障害は記述的類似性に基づいて次の3つの群に分類される。

A群パーソナリティ障害:奇異な/普通でない行動を示す群
 ◆猜疑性/妄想性、ジゾイド、統合失調型パーソナリティ障害
これらの症状は、統合失調症のそれほど深刻ではない症状との間に類似性があるといわれている。

B群パーソナリティ障害:派手な/突飛な行動を示す群
 ◆境界性、演技性、自己愛性、反社会性パーソナリティ障害
これらの症状は、周囲の人々との関係のなかで問題化していく。境界性パーソナリティ障害に特有の不安定な自我や情緒を生み出す要因として、幼少期の不適切な経験が挙げられる。

C群パーソナリティ障害:不安/恐怖に関連する行動を示す群
 ◆回避性、依存性、強迫性パーソナリティ障害
これらの症状の一部は、対人恐怖、甘え、ワーカホリックなどと関連があり、日本文化との親和性が比較的高いと推察されている。
 

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