#12Lund 遊、学、食、歌、酒、住んで分かったここがすごいぞ北欧
第12弾は私が1年留学していたスウェーデンのLund(ルンド)について!あまり知られていませんがこの街、ルンド大学を中心に人口の4割が学生。思っているよりほとんど学生です。ただでさえ国民人口が少ないこの国の、さらに田舎にこれだけ学生が集まってくるとなにが起こるかというと、学生が学生の社会を作るということが起こります。レストランやクラブを経営したり、イベントを企画したりしますが、これらに大人が介入することはありません。これがLund(ルンド)です。
今回は
1. 勉強も遊びも学生は本気(社会まで作る)
2. 暗くて長い冬を越すには
3. 春が来たぞ!春を祝うクレイジーな祭り”バルボリ”
の3本仕立てでお送りします。
1. 勉強も遊びも学生は本気(社会まで作る)
まず、スウェーデンの学生生活について。日本の大学にありがちな講義形式より、グループワーク、プロジェクトが目立ちます。これは理系だけでなく、文系もです。私がとっていた広告の授業では少人数だったこともあり、会議室のような部屋で卓を囲み、真ん中に先生が用意してくれたコーヒーと紅茶、学生が持ち寄ったお菓子を広げ、カフェに来たような感覚で意見を交わしていました。スウェーデンでは先生との距離が近いことも有名で、教授も生徒も関係なく下の名前で呼び合います。こんな感じ↓
次回の授業までに読んでくる文献と課題を渡され、授業外で集まり、文献を参考にグループで課題解決に取り組みます。授業中よりむしろ授業外の方が大事でした。特にこの授業は。
そして、遊びに関して!大事です!遊び!スウェーデンは結構物価が高いので、ご飯を食べるにも、飲みに行くにも、手軽な居酒屋や手軽なカフェは本当に少ない。。そこで、ルンドの若者は考えました。「学生が運営して学生だけが利用できる安価なバーやらレストランやらクラブやら作ればいいじゃん!!」と。すごくないですか?!?!これはネーションという仕組みなのですが、いわゆるハリーポッターの寮制度です!!(多分)。いくつかネーションが存在し、それぞれ代々使われてきた建物を一棟(!!) 持っています。そこには、運営チームとなった学生が住んでいて(!!)、イベントの企画運営や、レストランの経営をおこないます。その建物内の地下スペースがだいたいバーやクラブ、レストランに使われ、運営チームと、働きたい学生がサポートして成り立っています。必ず学生証とパスポートの提示が求められ、客が学生かどうか判断されますので、安全だと言えます。変な大人やナンパ目当てで来たお客さんなんかはいません!毎週水曜の夜11時からはルンドの学生が夜な夜な集まって来るクラブ、これ以上楽しくて安全な街ってないと確信していました。学生が作るからこそ提供できる安価なランチもとても助かりました。働きたいと手をあげると働くこともでき、その日の食事+ミール券がもらえます!この学生が作る社会、懐かしい、戻りたい。。
2. 暗くて長い冬を越すには
大好きなスウェーデンの好きじゃないところといえば、物価が高いことと、冬が暗くて長いこと。スウェーデンの南端にいたので幸いそんなに寒くなかったのですが、日の長さはやはり違います!夏は朝4時前には薄明るくなって23時過ぎるまで明るい。冬は9時過ぎに明るくなってきて、15時半には真っ暗なんてことも。。日光にあたれないことからビタミン不足になって鬱が増加し、自殺率が高くなるのも有名な話です^ ^; 大事なことは家にこもっていないで外に出ること!人に会うこと!ですから、冬になるとホームパーティや食事会を頻繁に開いたり、映画鑑賞会を行ったり、キャンドルを焚いて、ホットワインを飲みながら友人たちと過ごすことが多いのです。そういった背景を知ると、北欧デザインがカラフルで元気の出そうなものが多いのも納得ですし、食器こだわることも室内で十分に楽しむ工夫と言えるのかもしれません。
さあ、では学生ならではの冬の楽しみ方ってあるのでしょうか。私はここでシットニングという文化をシェアしたいと思います。簡単にいうと、3コース料理の夕食会です。ドレスアップして、臨みましょう。座席が決められていることが多く、隣になった人と知り合えることも醍醐味。では、何が普通の夕食会と違うのか。それは、バイキングの名残から、10分に一度の間隔でバイキングソングの大合唱が急に始まるということです 笑!歌は1曲1分くらいで、終わるたびに乾杯します。寒い冬に強めのお酒を飲んで温まり、暗い冬もみんなで腕を組み歌うことで暖まる。素敵ですよね。。あ、もちろんこの3コースも学生が作ります!
3. 春が来たぞ!春を祝うクレイジーな祭り”バルボリ”
そして、4月ごろから春がやって来ます。春は急にやって来ます!この前までの日の長さを体が覚えているので混乱して、体感は正午起床でも、まだ朝の9時だったのを覚えています。留学生はみんな感覚がおかしくなるといっていました。そして来たる4月30日、4月最後の日に春のお祭りValborg(バルボリ)は開催されます。町一番の公園に集まって、持ち寄ったお酒を飲もう!というイベント。大量のお酒を持ち込みます。酒屋さんはこのイベントの2日前くらいから店を閉めます。もうヘトヘトなうえ、自身もお祭りに繰り出すからでしょう。ほぼ町中の人が参加しますからね。で、このイベント、朝の6:30とかから場所取りして、飲み始めます(!?)。クレイジーです。こんな状態です↓
仮設トイレも見たことない量がこの日のために設置されます。そして、15時ごろ一旦イベントは終了、解散して、地域の職員による清掃活動が行われます。そして夜20時ごろまた、清掃された公園にみんな戻って来ます。写真中心に巨大な山が見えますよね?これを燃やすキャンプファイヤーが始まるのです。みんなで火を囲むこのコンテンツ。人の大きさと比較するとお分りいただけるかもしれませんが、かなり大きい炎になります。もはや火事です。笑
この祭りが終わって、5月が来るとピクニックが日常です。冬の間浴びられなかった分の光を浴びながら、外で過ごします。私はこの季節が大好きでした。キラキラした空、早く戻りたいです。
今日はこの辺で。
ーー
ありがとうございました。よければフォローもお願いします!
今日の一曲(故アヴィーチーもスウェーデンのアーティストなのです。これはクラブでの定番でした。)