目に見えるもの、見えないもの…放射線の摩訶不思議
オーロラを各地で観測
11日夜、北海道や東北、本州の日本海側を中心に、広い範囲でオーロラとみられる現象が観測されました。
りくべつ宇宙地球科学館館長の上出洋介(かみでようすけ)氏によると、「オーロラは、太陽が放出している太陽風によってつくられます。太陽からプラズマ粒子(太陽風)が放出され、それが地球の極地の高層大気と衝突して発光します。一種の放電現象なのです。オーロラは、地上から100~500kmの高さで光っています。プラズマ粒子が大気中の原子や分子と衝突して発光するのがオーロラです。酸素原子とぶつかると白っぽいグリーンや赤色、窒素分子とぶつかると紫や青色になるというように、プラズマ粒子がどの原子や分子と衝突するかで色が変わります。」JAXAホームページより
オーロラは放射線ではありませんが、オーロラのニュースに接して、我々は日々目に見えない放射能(小さな粒、素粒子)を浴びて生活していることを思い出しました。
日常の放射線被ばく
我々は日常的に放射線を浴びて生きています。これを自然放射線と呼び、放射性物質を含む大地からの放射線、宇宙からの宇宙線、食品に含まれる放射線などがあります。一人あたりの世界平均年間放射線量は2.4mSvです。年間100mSv以下の少ない線量では、放射線が発がんにどれだけ関与しているのかはわかっていません。発がんにはいろんな原因があり、発がんに最も寄与しているのは間違いなく煙草でしょう。また、放射線量は場所によっても違います。
地域によって違う被ばく量
例えば、関東より関西の方が放射線の被ばく量が多く、それは六甲山があるからだといわれています。また、地層によっても違います。土の中にいろんな物質が含まれており、放射線を出す物質もあり、そこから出たものを我々は浴びます。中国にも放射線が高い地域と低い地域があって、故・菅原努先生(京都大学名誉教授)が、そこで発がん率を調べました。結果は差がありませんでした。
飛行機への搭乗でも被ばく
また、飛行機のパイロット、キャビンアテンダントは沢山の放射線を浴びています。宇宙飛行士も同様です。しかし、飛行機のフライトでパイロットにどれだけがんが増えたのかという比較は難しく、報告は様々なものがあります。