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私がテディベア作家になるまで~念願のテディベア教室と初出展の苦い思い出

ぬいぐるみ好き

幼いころからぬいぐるみが好きで、傍にはいつも、ピンク色の犬のぬいぐるみがいました。
寝る時も一緒なのはもちろん、写真を撮る時も、いつもぬいぐるみを抱えていたのでした。

「よし!テディベア作家になるぞ!」と、テディベア作家を夢見た子どもではありませんでしたが、
小学生の頃からぬいぐるみを作るのが好きで、手芸店にあるキットを母にねだりヒヨコや犬のぬいぐるみを作っていました。

大人になりテディベアと出会ってからは、いつも私の中心にテディベアの存在があったように思います。


テディベア作りという大好きなことを続けていたら、いつの間にか「テディベア作家」への道を進んでいました。


初めてのテディベア作り

テディベアを作り始めたのは今から20年以上も前のこと、2人の子どもが幼稚園に通っていた頃でした。

1999年、NHKの趣味悠々で『愛しのテディベア』というテディベアを作ってみようという番組を放送していました。
伊豆のテディベアミュージアムに行ったことはあっても、テディベアを作る事が出来るなんて知らなかったので
「え?テディベアって作れるの?」と、驚きました。

「作れるなら作ってみたい!」
NHKのテキストを買い求め、テキストの通販で材料を取り寄せました。

番組は何度も見返せるように録画して、ワクワクしながら作ったのでした。

初めて作ったテディベア

NHKのテキストの表紙をめくった1ページ目にあったのが『プリメーラテディベアアカデミー』の広告ページでした。テディベア作りを学べるお教室の紹介です。

初めて作ったテディベアは息子に、もう1体ピンク色で作ったベアは娘に、それぞれプレゼントしました。
手作りのテディベアを渡した時の、子どもたちの嬉しそうな笑顔が忘れられず、
もっとテディベア作りを学びたい!
いつか東京のお教室に通いたい!
と思うようになりました。

当時、2人の幼稚園児のママでしたので、静岡在住で幼い子がいる私が、東京のお教室に通うことなど夢のまた夢でした。

その後、末娘が誕生し、小学生、幼稚園児、赤ちゃんの3人ママになり、子育てで忙しい日々を送ります。

テディベアを作りたい気持ちはあるものの、小さい子がいる中で針仕事をするのは危険で、寝静まった夜中にする程度で、少しベア作りから離れることになったのでした。


念願のテディベア教室へ

末娘が高学年になったころ、ようやく、月2回の東京へのお教室通いの夢が実現するのでした。
初めてテディベアを作った1999年から、10年後のことです。

ママが夕方少し遅く帰るようになっても大丈夫かもしれないと、家族みんなの協力をお願いしました。
末娘は上の2人と年が離れているので、夕方遅くなる日は姉と兄に留守番をお願いし、少しでも早く帰るため新幹線で往復していました。

そんなこんなでテディベア教室の初級、中級、上級と、1年半通う事が出来ました。
子どもたちの成長もあり、更に講師科に1年通う事が出来ました。

卒業作品展でサーフィンをイメージしたテディベア

とにかくテディベアを作るのが楽しくて、念願のテディベア教室が嬉しくて、講師科のあと、続けて研究科に進み、トータルで7年間も通うことになるのです。
プリメーラさんが大好きで、私にとっては行くだけで幸せになる夢のような空間なのでした。

その後、ありがたいことにプリメーラテディベアアカデミーの講師のお話をいただき、講師として3年間過ごすのですが、
2020年、様々な影響で静岡から東京に通えなくなり、3月に本当に残念ながら講師を辞退させていただくこととなったのです。。。


初めてのコンベンション出展

初めて日本テディベアコンベンションに出展したのは講師科を卒業した頃でした。

日本テディベアコンベンション 2013年


私のテディベアを見てもらえるかな?と、
ドキドキしながら会場で2日間を過ごしたのを覚えています。

ご縁を頂き、初めてお迎えいただいた時のことを今でもはっきり覚えています。

初出展のブースの様子


初めてのお客様は女性の方でした。
「テディベアと目があっちゃった。可愛いですね」
と、言ってもらえて、とっても嬉しかったのです。

初めてお迎え頂いたベア

次のお客様は男性の方でした。
テディベアを気に入ってくださった様子で、とっても嬉しかったのを覚えています。

茶色にレースの飾りのテディベア

テディベアコンベンションやテディベアのイベントにいらっしゃるお客様は、目当ての作家さんの元に一目散に走って行くのです。
目の前を何人もの人が素通りして、初めの頃はかなり落ち込み、メンタルをやられました。

目当ての作家さんを目指していく人の波を、ただ見つめているだけで、人の波に酔ってしまいそうな切ない経験でした。


作品を手に取ってもらう喜び

その時のトラウマでしょうか。

テディベアを販売したら完売を目指したい。
人気作家にならなきゃ意味がない。
と、ずっと思っていました。
そうでなければならない!と。

その気持ちは、イベントでの対面販売もオンラインショップも同じで、販売を開始したら即sold outにならないとダメなんだ。
そうならない自分はダメな作家なんだと思っていました。

でも、違うんですよね。

最近、ようやく気付きました。

心込めて作ったテディベアですが、テディベア好きな方の好みも人それぞれ。

万人に受け入れてもらえる作品ではなく、自分が好きだな、こんな子を作りたいと思うテディベアを制作して、それを同じ感性で気に入ってくださる方に見てもらえたら、それが幸せなんだと。

初めてのコンベンションのテディベア

初心を忘れずに

そんなことにようやく気付いた私。
なのでもう、
イベントでブースの前を人の波に素通りされた過去のトラウマとはさよならすることにしました。

作っていて幸せ、可愛い、誰かのもとに届けたい!
そんな心のままに制作したテディベアの中から、どなたかにお気に入りの1体を見つけてもらえるような私でありたいと思ったのです。

その方がずっと嬉しくて幸せ。


だから、
私はテディベアを作る。
心を込めて大切な方に届くように。

それを目標にしていこうと思っています。
いろんな表情や色のテディベアの中から
「この子かわいい」
「ずっと一緒にいたい」
と、思ってもらえたら幸せです。

そんな出会いを待ってみようかなと思っています。

テディベア作りを始めたころ、ただただテディベアを作るのが楽しくて、
テディベアを抱っこして笑顔になる子どもたちを見るのが嬉しくて、
夢中で作ってきたことを思い出しました。

これからも、そばにいてほっと気持ちが和らぐようなテディベア作りを続けていきたいです。


現在は、作家としての活動のほか、テディベア講師としてテディベア教室を開講しています。
自宅アトリエ教室、オンラインレッスンがございます。

テディベア作りを始めたころのピュアな気持ちのまま、テディベアを作る喜びを伝えてまいります。

お教室について、詳しくはHPをご覧ください。

さくらんぼベア 坂元あゆ実
静岡県沼津市
さくらんぼベア テディベア工房
さくらんぼベアHP


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