【読書記録】西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養
タイトル:西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養
著:木村泰司
美術品は"見る"ものではなく、"読む"ものである。ヨーロッパやアメリカの有名な美術館に飾られている彫刻や絵などは、その時々の社会情勢や歴史を反映した”メッセージを伝えるもの”である。
その美術品の作られた時代や出来事を理解しておくことで「こうした背景の中で生まれたんだな」と"読む"ことが美術鑑賞の面白さに繋がる。美術品を読むことは、その国々の歴史を理解するであり、それゆえにこの本のサブタイトルが、世界のビジネスエリートが身につける教養となっているのもうなづける。
本書の構成
紀元前500年前にギリシャで生まれた彫刻の解説から始まり、その影響を脈々と受け継いできた美術品の解説が時系列で1900年代近くまで続く。本書ではその時代の代表作を写真で掲載してくれており、世界史の知識がなくても、その当時にどのような出来事が起こり、どんなメッセージ性を伝えようとしたかまで解説してくれているので、非常に読みやすい。
この本を読むだけでもヨーロッパの歴史を学べてしまう。
大まかな構成としては以下の流れで解説が進む。
BC500 アルカイック(ギリシャ)
500年 ローマ美術(ローマ帝国)
1000年 宗教美術・ロマネスク(北ヨーロッパ・フランク王国)
1100-1200年 ゴシック美術(フランス)
1300-1500年 ルネサンス(イタリア)
1500-1600年 ヴェネツィア・オランダ絵画(ヴェネツィア・オランダ)
1700-1800年 フランス古典主義・ロココ(フランス)
1800-1900年 レアリスム・バビルゾン派・印象派(フランス)
まとめ
本書を読むことで美術品をより興味深く鑑賞できるようになる。絵を描いた作者の心情や当時の社会を思い浮かべながら、その絵を読むことで人の心に何か強く残すことができるゆえに、名画は名画と呼ばれるのだろう。「美術を知ること」=「世界を知ること」そんなことを教えてくれる一冊だった。
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