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生きていれば

 人間は、このまま温暖化が進めば、
どういうことを考えるだろうか。
私が興味深いのは、火星移住計画だ。
地球を捨てて火星へ逃げるなんてことを
人間は正気で考えている。
地球が汚れたら火星へ。
火星が汚れたら、また他の星へ。
人間は、自然を汚すだけ汚して、
その罪を何かもっと大きな未知の存在に
咎められる日が来るかもしれない。
例えば火星人とか。

 そんなSF小説みたいなことを考えては、
時間が過ぎていく。自分たちの汚したところを放っておいて、逃げていくなんて無責任だ。人間って愚かだなと考えるけれど、私自身も正真正銘の人間なのである。
私自身を省みると、やはり私も逃げる日々を生きてきたように思う。

 一部の人が火星に逃げることを考えているのと同じように、私は逃げることばかりを考える人間だった。苦手なことから逃げ、中学校から逃げ、大切な人から逃げ、しまいには自分の好きなことから逃げた。

 苦手なことから逃げると、中学校にも行けなくなる。向き合ってくれた大切な人の前で自分の心を閉ざし、大好きだった文章を書くことをやめた。私の逃げた経路を言語化するとざっとこんな感じだ。

 火星に逃げれば、火星人が襲ってきて人間なんてすぐに食われてしまうかもしれない。逃げるのは怖い。でもありがたいことに私が逃げた先には、火星人などどこにもいなかった。

いたのは、むしろ温かく迎えてくれる友人たちだった。逃げることばかりだった私は、高校にたどり着いたのである。

 私は高校に入学し、変わった。苦手なことにたくさん取り組んだ。高校にも毎日行った。大切な人に感謝を伝えるようになった。大好きだった文章を書くことを再開した。

 私はこの火星の出てくるへんてこりんなエッセイを書くことによって、逃げることも必要だということを伝えたい。どんなに無様に生きることになっても、生きていれば火星人と仲良くなれることだってあるかもしれない。
私のように素敵な出会いをして、 
人生が変わっていく人もいる。

 私たちが
人と出会い、心を動かし、満ち満ちた気持ちになれるのは
地球という場所があるからのようにも感じる。

逃してはいけない大切な機会
辛い場所から逃げても良い時

 いろいろあるけど、
とにかくこの世に生まれ、
精一杯生きている自分を褒めてあげよう。


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