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第3話 サイパンからメディアとの付き合い方を考えてみた

毎日、書くテーマがあるのは生活にハリがでる。

話すという行為を得意としていないので「書く」がワタシのアイデンティティを保つ健全な方法で、その裏には考えるという行為があって、「書く」ことによって、誰かに届いて、さらにその方からのアイデアが注入されて、さらに考えが好転していくことがよくあるから好きみたい。

ただ、夢中で書いているとやはり身体に支障が出ることがあって、昨日は眼精疲労から頭痛を発症していて、それを相談したところ、パソコンを少し持ち上げて視線を上げるといいよと教えてもらったので、さっそくやる。

こうすると、パソコンの下に空間ができて、どうやらパソコンのクールダウンにも良さそうな予感もする。

こんな風に1つの変化が連鎖的により良い方向に転がっていくのがうれしい。

と、全く関係ない話をこうやって書くから、毎回結論までたどり着く前に2000文字を超えることになる・・・。

でも、この話題にちょっと触れた人が、ちょっとやってみようかなと思って世界中のどこかで試してみたりして、「あ、意外といいじゃん」って思えたらまた嬉しいし、これが人間だけにできる進化の手段でもあると思うのだ!

だから何だ?

おとなしく、昨日の話の続きをします。

原稿を読むという行為

“○○局の報道部の△△と申します。 と挨拶から始まって、取材が始まったのですが・・・。なんだか、思ってたのと違う・・・。 なんだろう、この違和感…この居心地の悪さ…。 あ、もしかしてこの方、取材原稿を読んでるんじゃない??”

スーパー台風の直撃を受けて、水も電気も届かいない家の中で、かろうじて自家発電機で照明だけがある暑苦しい室内で、電波の影響でとぎれとぎれになる国際電話を受けていました。

電話をかけてきた女性スタッフさんは、この会話を録音して夕方のニュースと翌朝のニュースに使われることを淡々と述べた。

了承し、さっそく質問に答え始めたが、なんだか違和感。

彼女の質問に回答をするんだけど、どうも「淡々と」という言葉が頭をちらつく。

淡々と・・・あっさりしているさま。特に言動や態度、人柄などについて、しつこさやこだわりがなく、冷静に事を進める様子。Weblio辞書

しつこさは要らないし、冷静に事を進めることは良いこととは思う。

ただ、「こだわり」がない仕事は、イヤね。どんな仕事であれ、やる人の「こだわり」が乗っからないとそれは人間の仕事とはいいがたい。

取材対象に取材者が興味がなければ、紙のアンケートに答えているのと同じじゃない?

と、ずっとそう思っていたんだけど。

3年たった今、もう一度あの時放送されたニュースの動画を観てみたら、目からポロっと何かが落ちた。

そうか、そういうことか。彼女の取材は『用意された質問の答えを取材対象者の音声で録る』というのが目的だったんですね。

だから、彼女の目標は100%達成されていたけれど、ワタシの取材という行為に対する考えとの誤差で違和感が生じていたのか。非常に納得。

彼女は一切悪くなかったじゃん。

勝手に期待値を用意して、そこに誤差があっただけ。しかしながら、印象とは期待値との差によって生じる値なので、実際に起こった事実には全く関係ない値になることは往々にして起こり得ると言える。

彼女の取材態度からは、まったくサイパンの被害や状況には興味がないんだなということがひしひしと感じ取れたし、実際に興味がなかったんだと思う。

だって、そりゃそうじゃんね。日本の報道番組で台風を取り扱う目的は、「今後、その台風がどういう進路をとって、日本にどんな影響を与える可能性があるか」を伝えることであって、決して「現在のサイパンの被害状況」ではないのだから。

ただ単に相手の立場に立って想像ができなかっただけで、悪印象が残っていることが世の中にはたくさんあって、「なんで、こんなことするんだろう。あり得ない!!信じられない!!怒」と思うような出来事ですら、きっとその人なりの筋の通った理由がある。

ということで、悪印象だった2018年の報道番組からの取材は、こうして3年たって文章にすることで、ワタシの中で消化できた。

電話取材をしてくれたあの女性。3年も悪印象としてワタシの中でキープし続けてごめんなさい。

ちなみに、そのニュース番組をたまたま観ていた昔一緒に潜ったことがあるお客さんから

「洗い物してたら、テレビから急に聞き覚えのある声がしてびっくりしました!!台風大丈夫ですか???」

みたいなのご連絡を本当にたくさん頂き、かなり懐かしい方からもご連絡を頂いたので、取材を受けたこと自体はとても有意義な経験でした。

今回、かみ砕いて再度広げてみることで、体温を感じられなかった女性スタッフさんとの経験も、ワタシの誤解が原因だったことがわかったので、トータルですべていい思い出に変わりました。

歴史とは解釈によってこうも簡単に変わるもので、裏切り者として400年以上描き続けられてきた明智光秀も、幼少期からずっと見てしまうと「そりゃそうなるよ。信長は討たれてしかるべし!」ぐらいに、ちょっと大河ドラマ「麒麟が来る」を観たくらいで印象が変わるのものだ。

長谷川博己さんの爽やかさが大いに影響しているということも完全には否定できない。

そして、次のメディアとの接触は2021年となる。


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