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仮面を外して見えた世界


私は他人から認められたい欲が強い方だと思う。


ぼんやりとした世界のどこかにいる誰かじゃなくて、目の前にいる人から。
関係が深い人にも、挨拶するだけの人にも、できれば私に関わる全ての人に私を認識してほしい。
できれば私を受け入れてほしい。 

と、少し前まで強く思っていた。

今思うと、物心ついた時から私はその気持ちを持っていたように思う。
そのために背伸びをしたり、一生懸命気を回したり、好きじゃないことを勉強したり、いろんな努力をしてきた。


『私はどういう人に見られるか』にこだわっていた時期もある。

楽しい人だと思ってもらえるか
元気な人だと思ってもらえるか
良い人だと思ってもらえるか

当時は今以上に自分に自信がなく、根がネガティブだった私は、とにかくポジティブなイメージを持ってもらえるように、いろんな仮面を被っていた。

おバカを演じてみたり
全肯定botになってみたり
相手に興味があるフリをしてみたり
相談事には全てポジティブな返事をしてみたり

時々本物の自分が混じることもあったが(あれれ?)、仮面を被り続けることで、自分が望んでいた環境に近づけている気がしていた。
しかし、仮面を被った自分を評価されても、あまり嬉しくなかった。
しかも仮面を被った状態はものすごく疲れるし、楽しくない。

ある日、疲れきった私は「実は無理して頑張ってたんだ」と近しい人達に打ち明けた。
『仮面を被った私しか受け入れてくれないなら、もういいや』と半ば諦めて。

そうしたら、彼らは言った。

「知ってたよ。いつも頑張ってるなと思ってた。」













え……え!?!!??????

その言葉に心底驚いた。
仮面の下は知られていないと思っていたし
本当の私を知ったら幻滅されると思っていたし
誰も認めてくれないものだと思っていた。

が、私が勝手にそう思い込んでいただけだった。
彼らは素顔の私を知っても、どこにも行かなかった。
むしろ知っている上で、いつも通りに接してくれていたのだ。


私の素顔を嫌う人もいるだろう。
素顔を知ったら離れて行く人もいるだろう。

出会う人全員に素顔を見せることが良いとは思わない。
完全な素顔のままで人間関係を築いていくのは難しいと思う。

でも素顔を見せても嫌わない人がいるという現実は、私の人生においてすごく衝撃的で、何よりとてもとても嬉しいことだった。


私にはまだ、自分自身のありのままの素顔を受け入れられない時がある。
だけど嫌わない人がこの世に存在するということは、私にとってすごく心の支えになっている。


仮面を被ってもいい。
だけど仮面を被ったままでは息苦しい。
たまには仮面を外してみてもいい。

大丈夫。素顔の私はきっと素敵だ。



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