リトルプレス『ありふれたくじら』の制作プロセス、随筆、うつろいかたちを変えていく思考の記録、などなど。不定期の投稿は、こちらのマガジンにまとめていきます。
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#捕鯨
P. 14 | 川村たかし著『ノルウェーから来た鯨とり』を読んで / Note on "Whalers from Norway" by Takashi KAWAMURA
(English follows Japanese) 川村たかし著、『ノルウェーから来た鯨とり』(1979年発行)を読みました。 舞台は明治40年頃の和歌山県・太地。かつて網取式捕鯨の担い手だった太地の鯨とりたちは、ノルウェー式捕鯨を導入した捕鯨会社の捕鯨船の働き手になっていく。伝統として受け継いできた鯨とりをやめ、新しい技術の捕鯨に適応していく人々の葛藤と若者の成長の物語だ。 創作文学として書かれたこの物語に登場する3名のノルウェー人の名前を見て驚いた。その3名の名は
P. 13 | 経緯、その鯨ほどの余白——是恒さくら展 / Sakura Koretsune Exhibition "The warp and woof of a whale of a tale" (北海道文化財団アートスペース / Hokkaido Arts Foundation Art Space)
札幌市にある北海道文化財団アートスペースにて、是恒さくら展「The warp and woof of a whale of a tale-経緯、その鯨ほどの余白」を開催します。 今回紹介するのは、一年間のノルウェー滞在中に取り組み始めた作品群です。 個展の開催は久しぶりです。個展をひらくことは、自分が探究·表現を続けていく途上、終わらない道の上で「現在地」を標として形にしていくことなのだなと思います。振り返ると過去3年間の2回の個展も北海道内で開催したので、今回の展示に向けて
P.12|ノルウェーと日本の間、ある船の記憶をたぐる / Drawing a memory of a ship between Norway and Japan
(English follows.) ノルウェーに来てから半年が過ぎました。滞在の折り返し地点です。4月下旬からオスロにて最初の展示を行います。会場はオスロ大学図書館の展示スペースです。こちらで参加している研究プロジェクト「Whales of Power」との展示です。 ここ半年ほど手繰っていた物と語りを紹介します。 ---------- それは一枚のガラスネガから始まった。撮影者はヘンリク・G・メルソム。1900年前後に日本の捕鯨船で活躍したノルウェー人砲手だ。20世紀