8月のパリ「Paris au mois d'août 」
パリも8月に入り、いよいよガラガラです。
市民がバカンスで親元に帰ったり、海や山の静けさを求めて避暑地に行ったりでパリは静かです。
コロナでやっと再開したレストランもお客さんがいなくて、夏休みに入ったところも多いです。
残っている市民は、残っているもの同士でこの静けさを楽しんでいます。
地下鉄も席に座れる、カフェの席も空いている、この8月だけの恩恵です。
ところで、この特別な状況の8月のパリを題材にした映画があります。
歌手アズナヴールの1965年にリリースされた映画、タイトルも、
「8月のパリ Paris Au Mois D'août」
です。
閑散としているパリで、店も閉まり、そんな時期に始まった一夏の恋のお話しです。
ひと夏の恋ですので、継続しないで終わるのがポイントです。
夏の恋とか、ひと夏の恋はそれが運命とも言われていますね。
恋が長続きして、結婚をして、子どもができてとなれば、視聴者は納得しないから、そんな悲哀があった方がいいのか、当時1960年代はそんな傾向でした。
元々はこの映画「Paris au mois d'août」は、René Falletの小説だったのが、映画化され主題曲となったのです。
映画の粗筋は、アズナブール扮する中年男性が、妻子がヴァカンスに出かけ、そこにパリを訪れたイギリス人の若いモデルと出会い、熱烈な恋をするお話しです。
歌詞で、
Pour te dire je t'aime
Aussi loin que tu sois
Une part de moi-même
Reste accrochée à toi
Et l'autre solitaire
Recherche de partout
L'aveuglante lumière
De Paris au mois d'août
君がどれだけ遠くいようが、
君を愛していると言いたくて
僕の一部は君と一緒だ、
そして残りの淋しい半分は
8月のパリの中、
暗闇光をどことも求めている
最後に、主人公は妻子が戻るので、恋を諦めることを受け入れ終わります。
定番の恋のお話しですが、面白いのが、主人公のアズナブールは、デパートのラ・サマリテーヌ(La Samaritaine)のセールマンでした。
このラ・サマリテーヌのデパートは、セーヌ川が流れるポンヌフ(新橋の意味)にあります。
このポンヌフは、「ポンヌフの恋人」という映画の舞台になりました。
夏と、ポンヌフ、ラ・サマリテーヌの恋、絵になる構図です。
ところで、パリの8月のガラガラ度を書きましたが、いまではフランスでも有給休暇の取り方が1960年代とは違い、全くガラガラということはないのです。
当時の1960年代は、有給休暇の取り方で、1ヶ月まるまる有給を使い、こぞってパリから地方へ行くことが多かったので、本当にガラガラだったのです。
これ↓は去年のパリのサンミシェルにあるカフェの様子ですが、ガラガラだったのは、コロナで観光客がほぼ0だった時でした。
お店の従業員数が客数より多い、普通ではない時期でした。
今は回復して、良かったです。ウフ。
パリの生活費をまとめています。