フランス語の「tu と vous 」の使い分けは?日本人の規律はどうなのか?
私はもうパリに住んで約20年です。
フラン人の友人もいて、仲がいい人とは、tuを使って話しています。
それが先日非常にびっくりすることがありました。
今歯科医にかかっており、その先生と見習いのインターンがなんと、お互いにtuで話していました。
かなりびっくりして、先生に、インターン生が先生にtuで話すのですかと、(その先生とはかなり仲がいいので)と聞いたくらいでした。
フランス語ので2人称のtu と vous
フランス語では、2人称で相手のことを、貴方や君のように使い分けています。
tuとvousがあります。
フランス人でも職業や収入や、家庭環境で話し方も違い、それぞれ、親しさや、年齢の差、職上の関係で、その使い分けをしています。
ある時点で、仲が良くなり、vousからtuへスイッチしたりはあります。
そのタイミングには個人差があります。
動詞で、tutoyerとvouvoyerがあり、
tutoyer:tuを使って話す、
または、
vouvoyer:vousを使って話す、
に分けています。
それがいままで、vouvoyerしていたのが、tutoyerし始めるというのはあります。
私は、あまり急激にため口をきくのも、されることにも抵抗があるので、最初はかならずvouvoyerして、ある時点で変えるようにしています。
ところが、ある特定の環境なら、最初からtutoyerするのは、友人宅でのパーティなどです。
フランス人友人宅で2人称のtu と vous の差
友人宅でパーティがあったりすると、数十人が同じ空間にいます。
こんな場合は、年上も年下も関係なく、女性同士と、女性と男性は、頬にキス(Bisesといい粘膜の接触はないタイプ)で挨拶をして、「tutoyer」で話しをします。
この時は、20歳の人も、60歳の人も、超有名大学の教授でも、ニートでも、「tutoyer」で話しをするのが一般的です。
友人宅という、お互いに知り合いの知り合いで繋がっているという認識があるのも手伝っていますよね。
フランス人の歯医者の先生とインターン生がtutoyer
ところが、職場ではそれなりに目に見えないコードがあり、友人同士とも違います。
冒頭に書きました、歯医者の先生は普段助手のアシスタントさんへは、vouvoyerしていました。
それがある日、インターン生が歯医者と一緒で、先生もそのインターン生へ、そのインターンも先生へ、tutoyerしていたのです。
それで、私は先生へ、「tutoyerするのですね。でも助手さんとはお互いにvouvoyerをしているのに、なぜですか?」というような質問をしたら、
「これは、インターン生であっても将来は、私と同じ職業をする医者の卵です。同業でtutoyerすのです。そんな仲間意識があります。」
という答えだったのです。
これは、年功序列のはっきりしている日本では考えられないなと、カルチャーショックを受けてきたのです。
私にとっては、驚き事項で、そんなのありと、別の友人に改めて聞き直したのです。
そうすると、この20年くらいで、アメリカ文化が入ってきた影響があるとの返答でした。
会社でカードルをする友人は、名前で呼ぶ習慣が定着したということで、20年前までは、苗字で読んでいた場合も今は、名前で呼び合うようになり、会社の会議の席でも、大体tutoyerするのが普通になってきたということでした。
例外の友人はtutoyerをしない
しかし、例外はいつもありますよね。
一人の別の友人は、年齢を考慮する教育が強い家庭で育った人で、tutoyerされるのに抵抗があると言っていました。
その友人は定年退職前の大学教授で、研究室へ入ってくる博士課程の生徒からtutoyerされるのは、もっての他といい、自分が博士課程の生徒をtutoyerしても、ずっとvouvoyerさせているということでした。
歯科医の先生は若いのもあるのかもしれませんが、考え方は随分と違うものですね。
最後の友人は、日本人ぽいなと思いました。
ただ、数でいうとやはり、年齢に関係なく、tutoyerしている割合はきっと7割くらいだと感じています。
フランスでは大体先輩とか後輩とかとう概念はほぼないですし、自然にtutoyerしている環境ですが、仕事上でも使い分けは、職種とその人の考え方によっているという顕著な例でした。
当たり前ですが、フランス人も色々ですね。