【ちびまあ】🍊
住宅街にはちょっとした野原があって、そこにこんもりした山があった。
最初は段ボールで滑ったりして楽しんでいたのだが、
そのうち誰かが『ここ秘密基地にしよや!』といいだした。
我々は『ええやんええやん』と興奮してせっせとスコップで穴を掘ったり
敵を威嚇するために(敵って誰?)オナモミを大量に仕入れたり
次はああしてこうしてと瞳を輝かせたものだった。
といってもそこは子供。次第に飽きてしまった
みんなでぼーっとしていたら地べたにボトン!と腐りかけたポンカンが。
子供心に食べ物を粗末にするのはどうなんだろう?と思いはしたが
もうこれは食べられないだろうとみんなで蹴り始めた。
そしたら『こらこら食べ物粗末にしたらアカン』とおばあちゃん。
恐らく地主さんだと思う。我々は肩を落として『はぁ..ごめん』
おばあちゃんはニコッと笑って『これ食べな』と実ったポンカンを
分け与えてくれた、まあうまいことうまいこと!!
そのときはまだわからなかったけど、今振り返って思うと
腐りかけだってこれが肥料になってまた良い味をつけてくれるかもしれない
そしたらそれはれっきとした食べ物だ。『食べ物を粗末にしたらアカン』
飴と鞭で教えてくれたあのときのおばあちゃんに感謝したい。