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怒涛の中で、コップの水が溢れてる。


6月はもともと忙しかった。6月末に社宅を追い出されるので、引っ越しの準備をしなきゃ。

仕事も23新卒の選考が落ち着き始めたと思ったら、24新卒のインターンを企画し始めなきゃ。

忙しいな。プライベートも仕事も踏ん張りどころの正念場だなと思っていた矢先に。



祖母が倒れた。
心原性脳塞栓症。

心臓でつくられた血の固まりが血流によって流れてきて、首の太い血管に詰まってしまったらしい。土曜日、すぐ飛行機で実家に戻り、病院へ会いに行った。

意識はあるのかないのか、時折痙攣する手がわたしの問いかけに返答してくれているみたい。


ああ、苦しい。
自分を無償の愛で包み込んでくれていた人が、自分が愛していた人が、突然この世から離れてしまうことを受け入れられない。

何もやる気が出なくて、思考することができなくて、月曜日火曜日の仕事はお休みをもらった。病院に頼んで、特別に面会させてもらって、ご飯食べて、昼寝して、ご飯食べて、寝る。

「辛いときこそちゃんとご飯を食べろ。そうすればなんとかなる」と何処かの誰かが言っていたので、何か摂取するようにはしている。たぶん、わたしは何とかなっている。母はご飯さえ食べられなくて、4日間で3キロ痩せた。家族が心配だ。

病院から電話がかかってくると怖くて、ふとした瞬間に涙が込み上げてくる。


今まで廊下を通ると祖母の部屋から聞こえていた大音量のテレビ音が消えて、廊下が孤独にシーンとしている。

病室に入ると、なんて声をかけたらいいのか。1人5分しか持ち時間がないから、5分で何を伝えようか考えて、頭が真っ白になるんだ。だから、気持ちをここで書いてみようと思う。



「今が1番幸せ」といつも言うばあばがとても可愛くて、こんなふうに言えるように歳を重ねていきたいと思っていたよ。

気前が良くて、面倒見が良くて、そのせいで騙されたことも何回もあったけれど、それでも変わらさないばあば。自分はそんな風にはなれないと思うからこそ、懐の深さがすごいなと思っていたんだよ。

いつも実家に帰るととびっきりの笑顔で喜んでくれて、東京に帰ると言うと寂しそうに「次はいつ帰ってくるの」と尋ねていたね。そして、「これで赤福買ってきゃあ」ってパートナーへのお土産代を毎回くれたね。


ケラケラ笑って、おちゃめなばあばが大好きだよ。いつ、どんなときも、絶対私の味方でいてくれてありがとう。



水曜日、どうしても行かなきゃいけない仕事があるから、一旦関東に戻ってきた。一心不乱狂ったように仕事をした。でも、帰り道はどうしてもまた思い出が浮かんできちゃうよ。帰りのバスでこの文章を綴っていると涙が止まらないよ。


今はずっと心のコップの水が溢れたまま。
溢れっぱなしだから、もうどうしたらいいのか分からなくて。正直、地獄という表現がしっくりくるほどやり切れないけれど。いつか地獄を乗り越えることができる日が来るのだろうか。

みんなはどうやって、乗り越えてきたのだろうか。

いかに自分が不安定な状態なのか、それだけは分かるから。この文章は私のストレスコーピングとしてゆるく見守ってください。

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