素敵なマダム
「そのレザーのズボン素敵ですね」
「…? ありがとうございます!」
駅のベンチで電車を待っていると
隣のマダムに話しかけられた。
「私もね、昔同じようなの持ってたわ。
レザー高いわよね。当時16万くらいしたわ。」
「レザー高いですよね。これはフェイクなのでそんなに高くないですよ。」
「そうなの?あら、本物に見えるわ。あなたが着ると^ ^」
「ありがとうございます😊」
「ステッチの部分、靴と合わせて素敵ね。」
見知らぬ人のお洋服を褒めるって、
日本人だと余裕のある人間しかできないよな(イメージ)
このくらいポップに見知らぬ人とも会話しちゃっていいのにな日本も。なんてふと思う。
そういやその会話始まる前から
「素敵なお洋服」みたいなワードが聞こえたけどもしかして私に言ってたのだろうか。
普通にスマホに集中していた。
無視してたみたいだ。ごめんなさい。
でもめげずに話しかけてくれて、強心臓なマダムだった。(尊敬)
色白でミディアムヘアの黒髪をゆるくウェーブさせた、上品な風合いのマダム。
耳にはDIORのピアスをつけ、お顔は丁寧にお化粧を施されていた。
発色の良い、肌に馴染むピンク色のリップが印象的だった。
私の住む街は上品なマダムが多いので、その象徴のような人物像でもある。
手元には、ペット用のカバンに愛犬のチワワ。
「今から六本木に散歩YouTube撮りにいくの。YouTubeは見る?」
「みます!!チワワ好きなので見たいです☺️」
一緒に電車に乗り込み、ひとしきりチワワ トークで盛り上がる。
マダムは愛犬のチワワ に「ねえ?」って話しかけながら手を伸ばすと
チワワはすごく不機嫌な顔をし、噛みそうになった。
チワワあるあるだ。基本的に気が荒い子が多い。
常に威嚇してくる。自己防衛かな。愛しい。
私も触りたかったけど我慢した。
「乗り換えがあるから、私はここで。ぜひYouTubeみてくださいね」
マダムは別れ際、ご自身のチワワチャンネルのアカウント名を告げながら電車を降りた。
「ありがとうございます!みますね!!」
私はそのまま電車に残り、すぐに告げられた名前でYouTubeを検索した。
出てこなかった
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