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子供を望まない女は自分勝手なの?
思春期の頃から子供があまり得意ではなかった。
無遠慮に敵意を剥き出してくる稚拙な感情表現も、構ってほしくて何度も同じ話をしてくる非合理的な行動も、「女性はみんな子供好き」という公式に乗れない自分を露骨に表してくるその存在自体も、全部苦手で「かわいい」なんて思ったことは一度もなかった。
だけど人には言えなかった。
だって「私、子供苦手なんですよ」なんて口にしたら非国民と言わんばかりにギョッとされる。
だから赤ちゃんを見れば周りと同じように笑顔を作り、「かわいいですね」と微笑んだ。
赤ちゃんたちはそんな私の顔を無表情にまっすぐ見ていて、その目はまるで〈お前の本心は知っているんだぞ〉といっているようで怖かった。
そんな私が少し子供を克服したのは大学生の時。
何を思ったのか小学生を連れてキャンプに行くボランティアに参加したことがきっかけだった。
当然子供の世話をしたいとか、関わりたいという気持ちは一切なかったが、友達に誘われて、暇だったし、旅費は全て出るとのことだったから遊びに行く感覚で参加した。
そこには低学年から高学年の小学生数名がいて、夏休みの1週間近くを子供達と山の中で過ごした。
1週間も一緒にいると、ひとくちに「子供」といっても一人一人に人間性があり、個性があり、中にはすごく仲良くなった子もいて、かわいいなあと思える子もいたし、「子供」という括りではなく1人の人間として付き合えるのだということを知った。
それに私が考えるほど子供には〈見透かす〉なんて能力はなく、もっと単純で、もっと素直な存在だった。
ずっと一緒にいることは無理だけど、子供に対する「怖い」という感情が消えたのはちょうどその時からだった。
だけど、だからといって自分の子供が欲しいなんていう前向きな気持ちは一切生まれないまま適齢期と呼ばれる年齢を迎えてしまった。
※これはモラハラ離婚回の続きの話です。
前回の記事はこちら。
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