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玉の輿は本当にハッピーエンドなのか問題。

みなさんは「あのこは貴族」という映画を見たことはあるだろうか?

なんで突然映画の話?!?
となったらごめん。

でも、この映画をみて私は「うわあああああ〜〜〜!」が止まらなかったのである。

誰に共感したのかというと、一般的に視聴者から共感を得られそうな美紀ではなく、共感とは程遠い場所にいそうな華子である。

見たことがない人にサクッとあらすじを載せておくと、映画の内容はこうである。

東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされる。あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、ハンサムで良家の生まれである弁護士・幸一郎と出会う。幸一郎との結婚が決まり、順風満帆に思えたのだが…。
一方、東京で働く美紀は富山生まれ。猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。幸一郎との大学の同期生であったことで、同じ東京で暮らしながら、別世界に生きる華子と出会うことになる。2人の人生が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく―。

映画「あのこは貴族」公式サイトより

え?!桜子ってお嬢様なの?

ノンノン。
私は断じてお嬢様ではない。

が、意図せずとんでもない格差結婚をしてしまったというただ1点のみが、華子と全く同じなのである。
年齢も状況も全く違うけど、この1点だけが同じなだけで私はひどく華子に共感し、苦しくなってしまった。

「玉の輿」は一般的にいうと人生の成功である。

シンデレラも王子様に見そめられて結婚し、今までの努力が報われてハッピーエンドとされているし、他にも幼い頃に読むような童話から、思春期に読む漫画まで、玉の輿は絶対的なハッピーエンドとして語られることが多い。

だけど、その先は?

大体のストーリーは結婚してハッピーエンドであるが、私たち現実を生きている人間にはその先がある。
そう、結婚生活だ。

結婚するということは目の前の相手だけとの関係ではない。
自分の親も、相手の親も、ともすれば親戚一同巻き込んだ一大イベントである。

だけど私も華子もそんなことは知らなかった。

私たちにある考えは「目の前の素敵な男性と結婚したら幸せになる。」
ただそれだけなのだ。

華子は周りがどんどん結婚していく中で焦っていたし、私も同期がどんどん新しい得意先を任されたり、東京本社への異動が決まる中で自分だけ地方配属のまま、営業なのに事務仕事のようなことばかりしている現状に焦っていた。

だけど結婚すればこんな悩みは全て終わる。
しかも相手は誰もが羨むような完璧な相手。
一発逆転私の人生パラダイスである。

…と、まあ、実際そんなことは絶対にないんだけどね。
ということは前回の記事で書いたので未読の人は読んでみてね。

で、だ。
今回何を書きたかったのかというと。

格差のある結婚は家庭同士の人生の前提が違いすぎて詰む。

である。
そう、ここからが本題だ。(前置き長)

私は流れるようなスピードで元旦那との結婚が決まった後、当然彼(以下元旦那のことはAとする。)の両親宅へご挨拶に行った。

Aの実家は地方の高級住宅街にデカデカと聳え立ち、見たこともない分厚く高い塀がお堀のようにぐるりと和風の家屋を囲んでいた。
庭には中型犬二頭が走り回り、聞くとどうもこの犬たちは外に散歩に行ったことがないらしい。
散歩するには庭で充分だからだそうだ。(oh,リッチ‥

この大層すぎる家を見ただけで庶民育ちの私は怯んでしまったが、Aは当たり前のように門の中へ私を誘った。

そしてAの母親が出てきて、通されたのは応接間。
家に応接間などというものがあること自体初体験だった私はそれにもまた怯んだ。
震える手でAの母親が出してくれた謎の高そうなお茶を飲んでいると、いきなりピリッと空気が変わるのを感じた。

ラスボス、Aの父の登場だ。

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