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「野菜に触って、タネを土に植えてみる」

4月9日 北池袋さくらキッズ保育園 キッズパーク
「野菜に触って、タネを土に植えてみる」企画

・目的
子供には、野菜に親しみを持ってもらい、食べず嫌いを少なくする。

大人へは、食育は「食べ物だけに集中することではない」ことの理解。
食べ物を取り巻く環境に意識を向けられるか、そのきっかけ作りを提供。

都市部の生活では、大人も子供も食べ物として認識しているのは食べられる「果実」の部分。「食べられる物」を売っている前提でお店で買う都会人には、目の前の物が、食べられるか、食べられないか、の判断が難しくなってきている。
食べられる物が前提の都会の市場では、美味しいことへの欲求の方が強く、本来の目的である、健康に生き抜く知恵が失われつつある。

幼少期の子供に食べ物を認識する知恵を与えるのは、親の役割と捉え、親子の共有体験「タネを土に植える」催しを企画。

普段、触らない「土」、記憶に無い「タネ」に焦点を当てることで、生産まで意識を向けてみる試み。

・内容
有機無農薬野菜をなるべく使う。感覚的に「自然なゆえに不揃い」を理解してもらう。触って、食べて、見て、聞いて、匂いを嗅いでみる。五感で認識することで、無意識で食べることから、考えてみることを促す。

普段意識しないものは、記憶に残らない。
食べられる「実」~>入っている「タネ」~>付いている葉っぱや茎~>タネを植える「土」まで想像できるように「飛び出す絵本」も使い説明。体感としてタネを植えるまでやってみる。

・反応
「色とりどり、形も様々な有機無農薬野菜に目がいく。」

子ども:
色や形、思い付きで判断していることが表情や行動からうかがえる。見慣れたものは食べ物として認識していることがわかる。子どもたちは恐々手に取り口にしたいと表現する。

大人:だいたい食べられるもの、という認識があることがわかる。「食べられるだろ」という前提があるせいか、子どもほど目新しいものに好奇心が出ない様子。反応に時間がかかる。食べると子ども以上の驚きと好奇心が生まれる。
「土とタネを見せてみる」

子どもと大人:
両者に共通して見てとれるのは、「土」、「タネ」に目の焦点が合わないこと。
「実」を目の前に出してみると焦点が合う。それだけ「土」と「タネ」に意識が向かなくなっていることが、表情、目線、集中力、からも見て取れる。

子ども:
目の前の見慣れない、「土」、すごく小さな「タネ」に戸惑う。「飛び出す絵本」でイメージを送ってみると「絵」として全体は認識できる様子だった。土に穴を開け、小さなタネを植えるには行動を管理できる物心がつく必要がありそうである。

大人:
「土」や「タネ」を目の前にして無感情であることが見てとれる。
「土」は質素で、「タネ」はすごく小さい。普段食べている野菜をイメージすることが難しい様子。自分が野菜を作るイメージができない様子だった。

・結果

子ども:
普段食べているものに近いものは食べ物としての認識ができる。見慣れない野菜へは形、色から興味を持つ印象を受ける。いっぱい触れることで親しみを持ってくれるようだ。自分より人に食べさせようとする子どももいた。食べなれた野菜の隣にある野菜も「食べてみようかな」と親しみが出た様子だった。
 
大人:
はじめ無関心だが試食により他の野菜にも興味が出てくる。見た目より味に反応を示しやすい。これまでの経験上の苦手意識もある様子。

ピーマンやトマトを割って「普段でも皆さんは種を見ている」ことを説明してみる。大人は土とタネに意識と焦点が合わないことが見てとれる。
子どもにはタネに集中する集中力がまだ無い様子。大人も実よりも小さい「タネ」、普段関わりのない「土」に意識を集中することが難しい様子。今後、植物を育てる環境まで興味が出るかは、知識に接する回数が増えるかどうか次第だと思われる。

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