【小学校受験】合格する子の「正しい姿勢・ご挨拶の仕方」
多くのご家庭で頭を悩ませる課題の一つ、それが
「うちの子は姿勢が悪い!」という問題です。
言っても言っても治らない、、、
面接の練習や普段の授業で指摘された、、、
本番までには身につけさせないと、、、
不安が募るばかりの保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は合格するお子さんが身につけていた、正しい姿勢やご挨拶の仕方についてご紹介します。
※姿勢やご挨拶についてのポイントはお子様だけでなく、大人にとっても同じことです。面接対策として、お父様お母様自身もぜひ一度振り返っておかれることをお勧めします。
■そもそもなぜ姿勢や挨拶が大切なのか
まずは、なぜ小学校受験において正しい姿勢やご挨拶が大切なのかを確認しておきましょう。その重要性が理解できないと、お子さんも「やらされている感」が強くて「きちんとしなくちゃ」と自覚することが難しくなってしまいます。
先生やまわりの人に対して良い姿勢できちんと挨拶をしなくてはいけない理由をお子さんに説明して、本人に納得させることも時には必要です。
・印象が全然違う
たとえ同じ内容のことを話していても、良い姿勢の時とそうでない時とでは印象が全く異なります。人の印象は「話す内容(=耳から入ってくる聴覚的情報)」よりも「表情、姿勢、立居振る舞い(=目から飛び込んでくる視覚的情報)」に大きく左右されます。
※これはアメリカUCLAの有名な心理学博士もデータとして発表されています。
当然のことながら、せっかく試験官である先生とお話しするなら良い印象を持って高評価を得た方が良いに決まっています。
少し気をつければ誰だってできることですから、ここで損をしないことが大切です。
・家庭での様子が透けて見える
小学校受験において先生方は考査中のお子さんの所作や振る舞いを見てご家庭での様子を想像しています。普段のご家庭では何を大切にしているのか、どのようなことをお子さんに躾けているのか、などは試験中のお子さんの様子から透けて見えてしまうものです。
行動観察でのハプニングや面接での想定外の質問等とっさの状況では特に素の状態が出やすく、そこから本来のお子さんの姿を読み取ろうとする、ということは確かにあります。そこまではコントロールできないとしても、基本的な聞く姿勢、話す姿勢、取り組む姿勢などはできるだけ正しく丁寧さを心がける意識は持っておくと良いでしょう。
・減点対象となりうる
ペーパー、行動観察、体操、面接etc, どの場面においても(待ち時間でさえ)姿勢や所作は評価対象に入っていると思っておいた方が良いです。試験官の先生の手元にはチェック表があり、そこにチェックが入ると減点となることもあります。どれだけ考査自体が上手くいっても、姿勢や態度で点数を落としてしまったらこれほどこれほどもったいないことはありません。
その1点が運命の分かれ道かもしれない、と肝に銘じておくことが大切です。
■正しい姿勢をチェック
お子さんに漠然と「良い姿勢になりなさい」と言っても子供にとっては、どういうのが「良い姿勢」なのか分からないことだってあります。
「ビシッとしなさい」などと曖昧な表現で言われたらさらに混乱することもあるでしょう。ここでは、正しい姿勢を具体的に確認していきましょう。
・立ち姿勢
足を揃える(かかとをくっ付けてつま先は少し開く)
足から頭の先までピンと伸ばす
胸を張る(肩が内側に入って丸まらないように注意)
お腹やお尻を突き出さない
手は横、指先まで伸ばす(グーにしない)
・座り姿勢
足を揃える(クロスさせない)
背筋を伸ばす
椅子にもたれかからない
机に顔を近づけすぎない(特にペーパー時)
話を聞くとき、手は膝の上(太ももの下に手を入れない)
・やってはいけないNG姿勢
特に倍率の高い難関校や女子校では、美しい姿勢が当たり前のように出来ているお子さんが多いです。裏を返せば、少しおかしな姿勢でいると途端に悪目立ちしてしまうということです。
以下のNG姿勢にはならないよう日頃から気をつけておきましょう。
☑︎立っているときにグラグラ、クネクネしない
☑︎机に座っているときに肘をつかない
☑︎膝の上で手を揃えている時に指遊びをしない
☑︎ソワソワ、キョロキョロしない
☑︎髪の毛を触らない(特に女の子)
☑︎独り言を言わない
※時々小さな声で歌を歌っている子もいます。多分無意識なのでしょうが、このクセは早いうちに治しておくことをオススメします。
■ご挨拶の仕方をチェック
続いてご挨拶の仕方を確認していきましょう。
これは正直、大人も子供も関係なく抑えておきたいポイントです。
そんなこと分かってるよ・・・と思っているご家庭ほど意外と出来ていなかったりします。
面接対策としてお父様お母様も今一度振り返っておくと安心ですよ。
ぜひ一度お子さんと一緒に楽しく練習してみてください。
・まずは立ち姿勢を整える
立ち姿勢は立居振る舞いの基本中の基本です。
ご挨拶のタイミングでなくても、待機中や列に並ぶとき、歩いている時にも気をつけた方が良いでしょう。
先にお伝えしたチェック項目をもう一度確認してみてください。
くれぐれも、片足だけに体重を乗せた「休め」の姿勢になったり「仁王立ち」にならないよう気をつけましょう。
・目線を合わせる
話をする時には相手の目(目じゃなくても顔)を見ること。これは鉄則ですが、なかなか出来ないお子さんが実に多いです。
☑︎下を向いたまま目線が合わない
☑︎全然違う方向をぼんやり見ている
これでは魅力半減です。
きちんと顔を相手に向けるように意識します。
中には「顔」だけでこちらを向いて「体」は全く違う方を向いているお子さんも結構います。
当然ですが、顔だけでなく体ごと話す相手に向けて正対することが大切です。
・挨拶言葉が先、お辞儀はその後で
「おはようございます」「ありがとうございます」「よろしくお願いします」など挨拶の言葉を言い終わってからお辞儀という行為に移った方が丁寧で折り目正しさが表現できます。
言いながらお辞儀をする挨拶も間違いではありませんが、少し乱雑で「さっさと終わらせてしまいたい」と言う印象をもたれてしまうこともあります。
挨拶は丁寧すぎてマイナスになることはありませんから、きちんと感を出すためにもご挨拶の言葉とお辞儀という所作は分けて行った方が好印象につながります。
・お辞儀はゆっくり、頭のテッペンを相手に見せるように
緊張していると「早くこの場を終わらせたい」という思いから、話すスピードや所作が速くなりがちです。
お辞儀は自分で思っている以上にゆっくりするくらいで丁度良いです。
また、お辞儀で体を曲げているのに顔は相手を見たままの状態のお子さんも時々見かけますが、とても不自然です(ちょっとコントっぽい感じ、、、)。
挨拶をするときは相手の顔を見ますがお辞儀をするときはもちろん視線が外れてOK。相手に頭のてっぺんを見せるくらいのつもりでしっかり頭を下げます。
・顎の向き、首の傾きに注意
真っ直ぐにしているつもりでも、日頃のクセで顎が上がっていたり下がっていたり、首が斜めに傾いた状態になってしまっているお子さんもいます。
顎が上がっている=横柄な印象
顎を下げすぎている=上目遣いとなり自信のなさそうな表情
となってしまいます。
顎の位置は真っ直ぐ、です。
首が斜めに傾いているお子さんは、少し幼い印象や困った印象にに写ってしまいます。
首も真っ直ぐ、です。
・表情はもちろん笑顔
どれだけ正しい姿勢で丁寧に挨拶ができていても、表情が固いとそのお子さんの良さ・魅力が十分には伝わりません。
試験という緊張の場ではありますが、険しい顔や困ったような顔、不安そうな顔にならないよう心がけたいものです。
普段の幼稚園や保育園でのイキイキとした表情が出せるよう本番に近い雰囲気の模試などで経験を積んでおくことも一つの方法です。
お子さんにいきなり「笑顔になりなさい」と言ってもなかなか難しいかもしれませんが、豊かな表情作りのためにも表情筋を動かし柔らかくしておく練習はいつでもできそうです。
方法としては
「う」の口と「い」の口を強調するように「うーいーうーいー」と10回くらい声を出して行ってみる。
目玉を右回り・左回りに動かしてみたり、ぎゅっと目をつぶった後に大きく見開く、などもおススメです。
一緒にお風呂に入っている時などに楽しく取り入れてみてください。
■どうしても直らない時は動画や写真に撮って見せる
どれだけ言っても姿勢がなかなか直らなかったり、ご挨拶が全然できない場合もあります。
お子さんの性格や月齢の壁もあり、考査で評価されているという自覚を持って行動できないこともあるでしょう。
そんな時は、「俯瞰の眼を持つ=第三者の視点を持って自分を客観的に見る」機会を作ってあげるのも一案です。
スマホで写真や動画を撮り、自分が人からどのように見えているのか確認させることで、「自分ではきちんとしているつもりだったけど、実際には変な姿勢だったな」と気づくことができます。
お父様お母様も一緒に写真を撮り合って、誰が一番良い姿勢か競争する、といった遊びの要素があっても良いと思います。
「人に言われてからやる、やらされている」のではなくて「自分から気をつける」ことができたらこれ以上の収穫はありません。
自転車と一緒で、一度身についた美しい挨拶や正しい姿勢は大人になっても忘れることはありませんから、まさに一生の財産となるでしょう。
■おわりに
正しい姿勢やきちんとしたご挨拶は大人でも出来ていない人がいるくらいですから、決して当たり前のことではありません。先月よりも今月、昨日よりも今日、少しでも良くなったところを見つけて、ぜひたくさん褒めてあげてください。
他のお友達と比べるのではなく、その子自信の成長に気づき認めてあげることが大切です。
この記事が小学校受験を控えた皆様の一助となりましたら私も嬉しいです。