【小学校受験】志望校の選び方
特に縁故もないフリーのご家庭が小学校受験を決めて最初に悩むのが「志望校をどこにしようか」ということです。
「何をポイントに選んだら良いのか分からない」と戸惑う方も多く、実際に私もこれまでにたくさんの相談を受けてきました。
特別なご紹介者がいたりすでに兄姉が通っている、お父様お母様自身の出身校というご縁をお持ちの家庭は、志望校で悩むことはあまり無いかもしれません。
しかし縁故を持っているご家庭でもお子さんの性格が学校の校風に合っていないとか、兄姉と下の子とでは性別が違う、性格が違うなどの理由でやはり志望校を一から検討するご家庭も結構いらっしゃいます。
ここでは、小学校受験における志望校の選び方をお伝えしていきます。
■志望校とは
小学校受験における志望校とは、要するに「絶対に行きたい学校=第一志望の学校」ということです。
まずは志望校を決定しないと、当然ながら相応の受験対策が取れません。
さらには併願校も決められません。そもそも併願校は志望校の試験日と被らないように決めていくわけですから、当たり前ですね。
小学校受験を決めたなら、まずは志望校を確定しないとなかなか前に進めないということは誰もが容易に想像がつくことでしょう。
それでは志望校はどのように決めていったら良いのでしょうか。
順を追って確認していきましょう。
■志望校の選び方step1.志望校を決める前に家庭を振り返る
漠然と何となく志望校を決めてしまうと、「やっぱりどうしよう・・・」と後々になって迷いが生じるケースが多くあります。
自分の判断に裏付けがなく、土台が不安定な状態ではやはり時間と共に気持ちも揺らぎその先もブレブレになってしまいます。
親御さんがブレていると、お子さんも結局振り回されてしまうのでそこは本当に気をつけたいところです。
志望校を決める前にまず確認すべきことを押さえて、ご家庭の意思を明確にしておきましょう。
・家庭の教育方針を確認
ご家庭の教育方針として何を大切にしているのか優先順位をつけながら書き出してみます。
自立心や自主性を伸ばす
優しい思いやりの心を培う
困難に力強く立ち向かう強い心を養う
礼儀礼節が第一
創意工夫で表現力豊かな才能を伸ばす
個性を大切に得意な分野をさらに引き上げる
などなど。
ここでお父様とお母様の考え方に相違があると、後々面接などで揉める原因となります。ご両親で意見をしっかりすり合わせておくとをおすすめします。
・どのように成長してほしいのか
次に、お子さんがどのような大人へと成長してほしいのか、長期的なビジョンを描いてみます。
国際社会で貢献できる大人
常に他者を思いやり、誰かのために自らが汗をかける大人
困難に立ち向かい自分の力で道を切り開ける大人
自らの手で新しいものを創造し常にチャレンジできる大人
お子さんがすでに、医者になりたい、お父様の仕事をお手伝いしたいなど
明確な目標を持っているならそれも良いと思います。
・子供の性格(資質)を見極める
お子さんの性格と学校の校風がかけ離れていると、たとえ入学することになってもストレスを感じてしまう場合があります。
お子さんにとって居心地の良い環境で学校生活を楽しむためにも、客観的な視点でお子さんの性格を見定めることは重要です。
リーダータイプなのか
縁の下の力持ちタイプなのか
自由でのびのびとした環境で自己表現をするタイプか
ある程度決まりのある環境の方が居心地が良いのか
メンタルは強いタイプか
家庭では見えない部分もあるので、幼稚園や保育園の先生に普段の様子を伺ってみることも一案です。
■志望校の選び方step2.学校を研究する
ご自身の家庭を振り返ったら、次は学校を深く知っておきましょう。何となくのイメージと実際は異なるケースもあります。先入観だけで決めないことが大切です。
・学校をタイプ別に分けてみる
様々な角度から学校をタイプ別に分けて書き出してみると頭も整理されます。
【明確なカテゴリー分け】
共学校
女子校
男子校
大学附属校
高校までの一貫校
中学受験校
キリスト教
非キリスト教
伝統校
新興校
【学校の教育方針によるカテゴリー分け】
自主性を重んじる
協調性を大切にする
他者への気遣い、優しい心を重んじる
自由な発想を大切にする
規律を重んじる
※もちろん、どの学校も一つだけに特化しているはずはありませんので、
これらの中でもどの点に比重を置いているのか、という観点で確認していくと良いです。
・実際に足を運んで学校を知る
HPで見ただけでその学校を知った気になっていては危険です。
百聞は一見にしかず。
学校説明会や見学会、その他参加できる行事があればできるだけ多くの学校に足を運び、生で見たこと聞いたことをメモしておきましょう。
実際に行ってみたら印象が変わった(良い意味でも悪い意味でも)という話は毎年のように耳にします。
その学校でお子さんが制服を着て過ごしている光景を想像してみるのも良いですね。
・在校生や卒業生にお知り合いがいたら話を聞く
在校生・卒業生の保護者や自身が卒業生のお知り合いから生の声を聞くことができたら、情報収集としても大きな収穫が得られるでしょう。
より具体的な学校の取り組みであったり先生方の様子、生徒たちの様子を
詳しく教えてもらうことで、願書や面接でのヒント(ネタ)も見つかります。
個別相談会などで学校に直で聞けないような些細なことやネガティブなことも教えてもらえる貴重な機会と捉えて、積極的にお話を聞いておいて損はないはずです。
■選び方step3.家庭の方針と合致している学校を探す
ご家庭を振り返り、学校もよく理解した上で、家庭が大切にしていることと方向性が合致している学校を探します。家庭と学校が同じ方向を向いていないと、途中で歪みが生じ、いつしか学校への不満がたまってしまいます。
そうなると悲劇ですからね。
「学校の方針に心から賛同して家族共々ついていきます!」
といった気持ちになれないのであれば、その学校は再考した方が良いかもしれません。
■やってはいけない志望校選びのパターン
最後に志望校の選び方としてやってはいけないパターンを確認しておきましょう。以下のような選び方をすると、後になってに気持ちがブレやすく迷いが生じたり、後悔する元となります。思い当たるフシのある方はご注意ください。
・お教室の言いなりになる
もちろん、お子さんの性格や資質を見極めてぴったりの学校を一緒に考えてくれる教室もたくさんありますが、中には実績欲しさに「〇〇ちゃんは優秀だから」と人気校や難関校ばかりを勧める教室もあります。
「〇〇君ならもっと上を目指せますよ」と上手に持ち上げて志望校を変更させる教室もあります。
家庭の意志もなく丸々教室の言いなりになるのは危険です。結果に対してお教室は責任など取ってくれませんから。アドバイスはアドバイスとして受け止めて、最終的にはご家族で決断・選択をしていきましょう。
・倍率や人気ランキングだけで選ぶ
受験者数が多く倍率の高い学校は、確かにそれだけ人気があるといって良いでしょう。
ただし、人気があるからといってお子さんやご家庭にマッチしている学校とは限りません。時々「難関校」というカテゴリーを意識する人もいますが、
その区分けも大手教室が勝手に作り上げたものです。
某女子校の校長先生がかつて学校説明会でおっしゃっていました。
「上辺だけの判断で当校を受験することのないように」と。
表面的な見栄えだけで志望校を選んでも、学校側には全て見抜かれると
思って間違い無いです。
・親の憧れだけで選ぶ
「自分が行きたかった」とか「友達のお子さんが行っているからウチも」、「あそこの子に負けたくない」などの気持ちから受験する学校を選ぶのはほぼ無意味です。
実際に通うのは親ではなくでお子さんです。親の理想をゴリゴリ押し付けてもお子さんがかわいそうなだけです。
ママ大好き、パパ大好きなお子さんはママ(パパ)の喜ぶ顔が見たくて親の言う通りにするかもしれません。
だからこそ、客観的な視点に立って
「本当に子どもの将来を思っての決断なのか、自分(親)のためになっていないか」を振り返ることは大切です。
■さいごに
小学校受験をする多くのご家庭にとって志望校選びは本当に悩ましく、すぐには答えが出ないものです。どうぞ大いに悩んでください。
家族で向き合い、子どもの幸せを願って話し合う時間は尊く貴重なひと時であることに、いつしか気づくことでしょう。
この記事が小学校受験をするご家庭の一助となりましたら私も嬉しいです。