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【小学校受験】 「小学校受験」とはズバリ何なのか

この記事に目を留めたあなたはきっと小学校受験真っ只中のご家庭か、
これから小学校受験を検討しようとしているご家庭でしょう。
小学校受験とは文字通り私立や国立の小学校を受験することですが、
テストの成績順に合否が決まる中学受験や大学受験とは全く異なり、ある意味掴みどころのない世界です。

そもそも小学校受験とは一体何なのでしょう。
この記事では小学校受験をするなら初めに知っておくべきことを
お伝えします。

今後、小学校受験を選択肢の一つとして検討しているご家庭はもちろんのこと、すでにお受験真っ只中のご家庭にとっても願書や面接のヒントとなる内容が詰め込まれていますので情報収集の一環として、ぜひご一読ください。

■小学校受験の現状を知る

小学校受験において、独特の価値観であったり暗黙のお作法のようなものに関してはもう何十年も変わらない部分が確かに存在します。
一方で時代と共にお受験に対する意識は変わってきているところもあります。
それは現場に立つ人間として、私もヒシヒシと感じるものです。
まずは小学校受験の昔と今を見ていきましょう。

・ひと昔前の小学校受験

今の親(またはさらに年配の)世代において受験をして小学校に入るということはかなり珍しいケースでした。
受験者層は由緒正しい伝統を引き継いだご家庭や、大会社の社長といった特別な富裕層に限られていた印象です。
ですから今以上に縁故が当たり前。
なんのご縁もない家庭が受験するなんて、逆に「どうして?」と思われる時代でもありました。
ある意味、一般家庭と完全に棲み分けられていた時代と言って良いかもしれません。

そして、大学附属の小学校に入学したらそのまま大学までエスカレーターで上がるのがごく普通の流れでした。
ですから小学校で入ったらお勉強はそこそこでOK、自分の好きなお稽古に
熱中することだけを考えていればよかった、そんな風潮もありました。
お母様は当然のように専業主婦で、お子さんはもちろん幼稚園。
保育園に通っているだけで不利と言われていたのですから、今とは本当に違います。

・今は小学校受験の裾野がますます拡大

現在、小学校受験者数は年々増えています。
中受の過熱ぶりが小受にまで下りてきた、とか
コロナ禍などの社会情勢を心配して早めに子供の教育に道筋をつけてあげたい、とか理由は様々言われていますがとにかく受験者層の裾野がどんどん
広がっているのは確かです。

小学校に合格する人数は変わらないのですから、倍率はますます上がる。
それに不安を感じて皆さん幼児教室に駆け込むので、お教室もどんどんコマ数を増やしているのが現状です。
今やインターから受験するご家庭も珍しくありません。
ワーキングマザーも当たり前ですし、保育園に通うお子さんが小受することにも何の違和感もない時代といって良いでしょう。

ただし、入学後はお子さん最優先、学校最優先で駆けつけられることが大前提です。お仕事を持っているお母様には、面接で「学校行事は多いですけど大丈夫ですか?」とズバリ聞かれることもあるので、お答えできる準備をしておく必要はあります。

また、たとえ大学附属の小学校に入学しても小中高の後は別の大学に受験する、というご家庭も増えました。
・医学部に行きたい
・行きたい学部が附属の大学にはない
・より偏差値の高い大学に挑戦したい
・海外の大学へ行きたい
など、理由は様々です。

入ってしまえばこっちのもの、とあまりお勉強に力を入れずに済んだひと昔前とは違って、今では私立や国立の附属小学校に入学しても勉強に遅れを取らないようサピックス等の中学受験塾に通うお子さんは実に多くいます。
入学してからも過酷なレースは続く、と思っておいた方がよさそうです。

■小学校受験と中高大受験との大きな違い

最近では、小受の中受化と言いましょうか、受験者層の裾野が広がった分、小学校受験を偏差値や倍率で順位付けするフシがありますが、数字で語れないのが小学校受験です。
小学校受験とそれ以降の中学・高校・大学受験ではその性質が全く異なるという点をを押さえておく必要はあるでしょう。

・中高大学の受験は成績順という明確な物差しがある

ご存知の通り、中学・高校・大学の受験では、はっきりとテストの結果が点数で表れます。そして点数の高い順に合格します。これ以上明快なことはありません。
自分で努力した分がそのまま数字となり認められ、合格する。
ですから手応えも感じやすいですし、数字は裏切らないというある意味安心感もあります。

・小学校受験はその「子」を選ぶのではなく、その「ご家庭」を選ぶ

小学校受験は、たくさん頑張った子から順番に合格する、ということはありません。どれだけペーパーテストの点数がよくても、それだけで合格できるわけではないのです。
なぜなら、小学校受験で学校側は「その子本人」を選ぶのではなく「両親を含めたそのご家庭」を選ぶからです。

お子さんがどれだけ優秀でも、ご両親のバックグラウンドや社会的地位、信用、価値観などが学校の求めているところと違っていたら、やはりご縁をいただくのは難しいかもしれません。
そしてその「学校が求める家庭像」はそれこそ学校によって様々ですから紋切り型のデフォルト(このご家庭ならどこの学校も絶対に大丈夫)は基本的にないと言って良いでしょう。
(よっぽど文句なしのご家庭なら別かもしれません。)

お子さんについても、勉強ができれば良いというわけではありません。
学校側は様々な考査課題を通してその子の性格や資質を見抜いて総合評価をしていきます。
どれだけお勉強ができても意地悪な子や先生の話が聞けない子では困りますから当然と言えば当然のことです。

■公立小学校との決定的な違いとは

それでは、私立や国立の小学校と公立の小学校とでは一体どのような違いがあるのでしょうか。「私立はお金がかかる」のは分かりきっていることですが、それ以外の違いは何なのでしょう。
面接で聞かれるテーマでもあるので、以下の内容の他に自分なりの考え(お子さんの性格とか資質、ご家庭の背景や価値観も込みで)まとめておくことをおすすめします。

・私立・国立には揺るぎない一貫した教育理念がある

私立には創立者の建学の精神が脈々と受け継がれています。そしてそれは余程のことがない限り変わらないでしょう。
国立にも理念や目標がありそれに則って教育が行われています。
教育の礎(土台)がしっかりしているから活動の柱がぶれることはありません。そこに通うご家庭も同じ価値観のもと子供の成長を見守ることができます。

一方で公立の小学校は基本的に数年毎に先生の移動があります。
校長が変わることで教育方針も変わる可能性があるという点が私立との大きな違いの一つと言えるでしょう。
先生の移動も多いので、長期スパンで子供の成長を一緒に見守ってくださる環境が整いづらい点も挙げられます。

・一貫教育を通して一生の宝となる仲間を得られる

小中高の12年間、あるいは大学も加えた16年間は、お子さんにとってまさに人生そのものです。互いの良いところを素直に認め合い、それぞれが頑張っていることに対して応援し合う。そうやって高め合いながら過ごす12年間(16年間)は他には代え難いかけがえのない財産となることでしょう。
お父様お母様もご存知の通り、学舎で育んだ友情は大人になっても変わることはありません。
社会に出てからも、強固な信頼関係の中ビジネスを構築することも大いにあり得ます。

中学受験を前提とした私立に関しては一貫教育とはいえないかもしれませんが、同じ目標を持って一緒に切磋琢磨できる仲間との出会いはやはりかけがえのない財産となるでしょう。

保護者としても、子どもの級友を我が子と同じように運動会で応援し、発表会を見守っていくうちに、段々と大きく成長して行く姿を見届けられることに我が子に対してと同じような喜びと幸せを感じることでしょう。
そう、親御さんにとっても、かけがえのない貴重な経験・思い出を得られるのが小学校受験なのです。

■小学校受験の具体的な考査内容とは

それでは最後に、小学校受験で行われる考査内容を確認していきましょう。学校によって考査内容は異なるため、次に挙げる考査が一つの学校で全部実施されるわけではありません。
(そこがまた、小学校受験を複雑にしているポイントでもあります。)
また一つ一つを掘り下げたら、ものすごいボリュームとなってしまうため、ここではシンプルにまとめてあります。

今後、考査の一つ一つをじっくりご紹介するNOTEを作成する予定でおります。しばしお待ちくださいませ。

・ペーパーテスト

ペーパーテストは小学校受験において、唯一といって良いほど実力が公平に数字となって評価される考査です。他の考査は試験官の主観が入ったり、見る人によって評価が分かれたりするので、当日の出来不出来が見当もつかない場合があります。
だからこそ、確実に点を取るためにペーパーは誰もが力を入れていきます。
小学校受験をするなら、ペーパー対策は必須と思っておいて間違い無いです。

時々「我が家はノンペーパー校しか受けないから」と言ってペーパーを無視するご家庭もありますがそれはちょっと危険です。ペーパーの代わりに行われる個別テストは結局ペーパーができないと解けなかったりします。

・行動観察

5〜10人程度のグループに分かれて、ゲームをしたり話し合いをしたり共同で何かを作り上げていく考査です。
行動観察はまさにナマモノ。
一緒になったグループのお子さん達や出される課題によって何が起こるか予測がつきません。
だからこそ、そのお子さんの性格や本質が浮き彫りになったりするので、多くの学校が行動観察に力を入れています。

グループ対抗のゲームでは確かに勝敗がつきますが、もちろん勝ったチームが合格というわけではありません。

ただし、揉めたり羽目を外したりトラブルの起こったチームは、そのチームごとゴッソリ✖️がつくこともあります。
もうそこは運としか言いようがない恐ろしさも併せ持っています。

・巧緻性(生活)

巧緻性は様々な課題を通して、手先の器用さや集中力、じっくり取り組む姿勢などを見られています。

主に、「蝶結び」や「ちぎり」「紐通し」といった正確さ・丁寧さをテーマにする課題と、「スモックの着脱」や「配膳」「箸移し」などの生活に根付いたテーマを課題とする考査があります。

どちらも一朝一夕には身につかないので、早い段階からコツコツと継続して取り組むことが大事です。

・絵画(工作)

絵画(工作)学校によって出る出ないが別れる考査です。志望校によってはしっかりと対策を取らないと大きく差をつけられてしまう側面もあります。
制作時間は10〜15分と短いので、さっと取り掛かることができる瞬発力とスピードも必要でしょう。

途中で「何を描いているのですか?」等、先生がお尋ねに入るケースが多いので、しっかり答えられる発表力や表現力も求められます。

・体操

小学校受験で行われる体操の考査では、必ずしも突出した身体能力が評価されるわけではありません。その年齢で求められる能力が備わっているか、体幹はしっかりしているかなど、基本的なところをまず確認しています。

そして「指示通り行動できているか」「約束を守れるか」など、先生の話をよく聞いているかどうか、が評価の分かれ道となることが多いです。

・個別テスト

個別テストはペーパーテストの代わりに行われることが多い考査です。
内容はペーパーに似ている部分があります。質問に対してクーピーで紙に書いて答えるのがペーパーだとしたら、対面で実物を使って声に出して答えていくのが個別テストと言えるでしょう。

所作や立居振る舞いまで見られているのですから、ある意味ペーパーより大変ともいえます。
内容の難易度としてはそれほど難しくないことが多いので油断しがちですが、独特の動きが求められるためしっかり対策を取っておいた方が良いです。
当日固まってしまい全く答えられず・・・と憂き目を見るご家庭も毎年いらっしゃいます。

・面接

面接は、ズバリ両親のお試験です。
お子さんが一生懸命に頑張っている中で、ご両親が唯一加担できる援護射撃ともいえます(願書もそうです)。
お子さんの成績がどれだけ優秀でも、面接でご家庭の様子が浮き彫りとなり学校側が「本校に合わない」と判断したしたらそれまでとなります。

学校は面接の場で、お父様お母様の佇まいから受け答えの内容、所作などをしっかり見ています。そして、本当に第一志望として受けに来ているのかも確認しています。

要はもちろんお父様です。
一家の代表として学校の代表と膝をつき合わせて話をする、というイメージが近いかもしれません。

「普段は面接をする側だから大丈夫」「プレゼンで慣れているから大丈夫」とたかを括っているお父様は要注意です。
お仕事の場で話すのとは全く毛色が違うのが小学校受験の面接と心得ておいた方が良いです。

■おわりに

小学校受験の世界は足を踏み入れれば入れるほど、奥が深いものです。
たった一つの正解を探そうとしたり、イエスかノーかで答えを見つけようとするとますます深みにはまります。
また、ちょっとトライしてみるか、と安易な気持ちでなんとなく受験すると後々後悔することになるかもしれません。
ぜひ、ご家庭なりにしっかり準備なさって受験に臨んでください。

この記事がお子さんの幸せを願い、小学校受験を決めたお父様お母様の一助となりましたら幸いです。


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