2024年10月19日を迎えて
BUCK-TICKボーカル櫻井敦司さんがFC限定ライブ初日の夜に急逝されてから、1年が過ぎました。
あまりに急で、どんなに泣いても喉の奥に詰まった石が流れ去ってくれなくて、ふとした時に目の前が滲みそうになるのを堪えながら送る日常は、文字通り「世界が形を変えた」としか言いようのないものでした。
そんな中でもメンバーは、大切な12/29という日に武道館で『バクチク現象』をやる決断をしてくれて、FC運営は各ライブ会場でファンが想いを綴るためのターポリンを作ってくれて、敦司と親交のあった方々が追悼ラジオや特集本を企画して…と、それぞれの形で敦司を悼み、皆さんまだ傷から涙が溢れている状態だろうに、彼の軌跡を残そうと動いてくれていました。
突然の先着販売で、震える手でチケットを取った献花式『Ceremony』では、たくさんの関係者からのスタンド花とライブ写真パネルが並ぶ廊下を通って辿り着いたステージが大きな祭壇となり、敦司の世界を彩ってきた衣装や仮面、2023.10.19の日付と5人のサインが入ったアニイのドラムカバーが飾られていました。
いつの日かライブでアレをGETしたいという夢が、永遠に潰えた瞬間でした。
受付で渡された可愛らしいピンク色のカーネーションは、クール便で運ばれてきたのか、ヒヤリと冷たかったのを覚えています。
白い菊やいわゆる仏花ではない理由をちゃんと知れたのは後日のことでしたが、まだ開ききっていない花の茎を折らないように両手で握りしめて、胸元に掲げ持ち、物販のレジ待ちみたいに横一列に並んで、大好きな歌だけが流れる空間で、祭壇中央の大きな敦司の写真を見上げて待ちました。
この花を捧げたら、敦司とのイベントが終わってしまう。
「あと◯日頑張ったらBUCK-TICKさんに会える、敦司の歌が聞ける」という私の人生を支えてくれた魔法の呪文が、使えなくなってしまう。
祈りを終えた前列の方達が出口へと移動して、順番が来ました。
伝えたいことがたくさんあったのに、どんな状況でも『推し』を前にしたら言語中枢がバグるのは変わらないもので、何も言葉が出てこなくて、最後の時間だったのに「ありがとう」を伝えるのが精一杯で、他の方と同じように一礼して、ステージを後にしました。
ツアーファイナルに合わせて急遽この場所を作ってくれた運営の方々と、きっと本来はそんな業務内容じゃなかった筈なのに、黒いスーツを着て、白い手袋を付けて、静かにその場の秩序を守ってくださった会場スタッフの方々に、心から感謝したいと思います。
ただ、たぶんこれから先Zepp横浜とZepp羽田と豊洲pitで開催されるイベントには行けそうにないです。
すみません。
会場で受け取ったメモリアルフォトに映る敦司は異空スチル写真の衣装でしたが、猫ちゃんと一緒だからかオフショットっぽくて、穏やかな笑顔を浮かべていました。
ライブの日と同じように会場近くで取っていたホテルの一室で思いっきり泣いて、大好きな人がいない日常が幕を開けました。
日焼けしないアクリルフレームを買ってフォトを部屋に飾り、敦司の声を波紋にしたという「なんだかよくわからないけどそう言うなら」と記念に買ってケースのまま転がしていたエンコードリングを右手薬指に着けて、毎日を懸命に生きて、1年。
(マジでこのリングは良い買い物でした。ライブMCを思わせる録りおろしボイスが優しくて、うっかり無くした時のダメージが怖すぎて予備が欲しい…再販をお待ちしています)
そして、BUCK-TICKさん結成記念日である9/21、メンバー4人がまっすぐに前を見つめる新アー写が公開されて、ニューシングルとニューアルバムのリリース情報が発表されました。
そこには「BUCK♾️TICK」のロゴが刻まれていて…早い、早いです今井さん!!!!
「なに死んでんだよ。笑えねーよ」という全員の想いを的確に表した言葉や「いなくなった悲しみじゃなくて居たことを覚えていてください。というかその辺に居ると思います」という優しすぎる言葉を私たちにくれた人だから、バチクソ格好いい音楽を生み出し続けるアーティストだから、バクチクというグループを止めない選択が眩しくて、ちょっとまだ追いつけないかも、というのも本音です。
今井さんとヒデさんがボーカルという体制はものすごく納得で、ユータさんとアニイが支える音はきっと凄く格好いい。
名古屋FCオンリーのチケットを取ることが出来たので、その日がすごく楽しみで、怖い。
私個人もありがたいことに仕事が忙しくて、あらゆるジャンルの推したちが日々イベントや楽しいことをしてくれているので、そこまでメソメソしないで過ごせています。
でも今日はメソメソしようと決めたので、予定を入れず、昨夜会社帰りに買ったピンクカーネーションを飾った部屋で異空を聴きながら、この文章を書いています。
敦司の声が大好き。
敦司の歌が大好き。
BUCK-TICKさんが大好き。
BUCK♾️TICKさんも好きになれたらいいな。
お昼になったらWEB献花をして、外に出ようと思います。
空に向かって「ありがとう」を言うために。
WEB献花まで用意してくれて
メモリアルフォトの封を開き、二つ折りのカードを開きました。
私が人生の半分以上の時間をかけて愛していた人の、はにかんだ笑顔がそこにありました。
通路を埋め尽くすたくさんの花。
壁に飾られた敦司の写真。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?