2025年1月の記事一覧
粒立てる〈エッセイ〉
今日もエレベーターの扉が開く前から、犬が鳴く声が聞こえる。
扉が開くと犬のボルテージはさらに上がり、
キャンキャンと鳴き声はより甲高く、
ドアをカリカリと引っ掻く音も忙しない。
私は申し訳ない気持ちでそのドアを横目に、自宅に入る。
犬は途端に黙り、あからさまに落胆しているのがドア越しにも伝わる。
半年前に引っ越してきたお隣さんの犬に、まだ会ったことはない。
トイプードルということは取材済み。
シ
作家と画家。〈エッセイ〉
原稿中ほど、Xをちょこちょこ覗いてしまう悪習。
ただ、その日はタイミングが抜群だった。
三島由紀夫 生誕100年を記念した
画家の横尾忠則さん×作家の平野啓一郎さんの
対談イベントの情報を、投稿1分後というはやさでキャッチ。
スペシャルなイベントに参加できることになった。
生前の三島を知る横尾さん、『三島由紀夫論』を書いた平野さん。
国語辞典ばりに分厚いその本は当日までに全然読みきれず
話につい
それこそが愛といってはいけないだろうか〈エッセイ〉
向坂くじらさんの『踊れ、愛より痛いほうへ』と
岸政彦さんの「犬は自転車」を読みたくて、文藝2025 春号を買った。
向坂さんは『夫婦間における愛の適温』の素晴らしさに、誘われて。
岸さんは、ちくわ(岸さんの愛犬)の話!と迷いなく。
Xに投稿されるちくわの写真は、私の癒し。
あと、村井理子さんのところのテオとハリーも。
『夫婦間における愛の適温』は、
昨年読んだ本の中で一番付箋を貼ったかもしれな