【毎週ショートショートnote】親切な暗殺
ちょっと先週末からディズニーリゾートに出かけておりました。
すごいね! ディズニーのハロウィン。
あちこちにお姫様の衣装きた人がいるし、アトラクションたのしいし、パレード派手だし、もう最高。
まさに夢の国でした✨
さて、今週もたらはかにさんの毎週ショートショートnoteに参加します。
出遅れた&『しんせつなともだち』モチーフなので、被っちゃいそう。
あらかじめ謝っておきます。ごめんにゃー。
【親切な暗殺】
豪徳寺司が生徒会室に戻ると、一冊の絵本が置いてあった。
タイトルは『親切な暗殺者』
なんとなくそれを読んでみた。
『ある雪の日のこと。兎はお友達のロバにカブをあげることにしました。ロバの家にいくと留守でした。兎は不法侵入し、テーブルの上にカブを置き、立ち去りました。ロバは食べ物が十分あったので、ヤギの家にそれを置き逃げしました。ヤギも不要だったので、鹿の家に生ものを放置しました。こうしてぐるぐる回って、兎の家にカブは戻りました。兎はカブが置いてあるのをみて、ショック死しました。なぜならカブに毒をぬり、ロバを殺そうとしていたのは、ほかならぬ兎だったからです。それが自分の家にある……! 兎は泡をふいて倒れました。カブに触ってしまったロバ、ヤギ、鹿も全滅しました。――誰もいない丘に、雪がしんしんと降り積もっています。おしまい』
司は、絵本をぱたんと閉じ、側近の蘭丸を呼んだ。
「……これを書いたのは、お前だな?」
「はい。保育園での読み聞かせ用に絵本を作成いたしました」
「たわけ。こんなもん読んだら、俺の社会的地位が抹殺されるわ」
そこで、ハッと気づいた。
親切な暗殺ってもしかして……?
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