【三菱UFJ銀行支店長代理 17億円窃盗犯今村由香理容疑者過去に自己破産本当に競馬とFXで使ったのか？】

さくらフィナンシャルニュース

2025年1月21日 10:18

ヴァンクリフ&アーペルのペルレ(約15万円)リングを中指にはめて笑顔でピースサインを送るふくよかな女性こそ、東京都練馬区住在の今村由香理容疑者(46歳)。行きつけの呑み屋でのあだ名は『ゆかちー』。

今村は勤め先の三菱UFJ銀行で、練馬支店長代理だった2024年9月、顧客の貸金庫から現金や金塊など17億円相当を盗み警視庁に窃盗容疑で逮捕された張本人だ。

〈きっかけは顧客に「貸金庫に入れていたものが減っている」と言われたことから始まった〉
事件は同年の10月31日に今村の窃盗行為が発覚、その後約1ヶ月近く経ち11月14日付で懲戒解雇、11月21日に事件を公表。

年明けの2025年1月14日ようやく逮捕される。
主な逮捕容疑は三菱UFJ銀行東京都練馬支店で、男性客2人が利用する貸金庫から金塊19.5kg(2.6億円相当)を盗んだ疑い。

金塊は質店に売りに出されていたが、売った店舗にまだ残っており、シリアルナンバーで盗まれたものと合致し逮捕に至った。

およそ4年半に渡り、少なくとも70人もの顧客から窃盗を繰り返していた。

今村は「顧客の貸金庫の利用頻度を調べて犯行に及んだ」ということが明らかになっている。

〈就職氷河期の1999年に三菱UFJ銀行に就職する〉
1999年の求人倍率が1％を割る時代、いわば就職氷河期真っ只中に、川村女子短大卒の今村がメガバンク三菱UFJ銀行に入行。今村は入社試験や面接をかいくぐり、大卒など多くの人材の中から選ばれた逸材と言うことになる。

最初、今村は一般職である窓口業務を担当。音を上げず、1つの所で20年以上に渡って腰を据え、上司の信頼を得て、いわば年功序列的な評価を上げていったという。一般職から昇格試験を受け、総合職に転向、キャリアアップに成功した。

2020年4月から2年間、江古田支店の営業課長を任される。

2022年6月からは練馬支店の営業課長を勤め営業課支店長代理に昇格。

その後2024年10月からは玉川支店の営業課支店長代理として勤務。

営業課支店長代理というのは主に銀行の1階で一般窓口の預金関係の事務を中心とする係の責任者だ。重要な業務としては、預金関係の決裁や貸金庫スペアキーなどの保管管理を任されていた。

三菱UFJフィナンシャルグループ内部でのマネジメント(管理)職における女性の比率は2023年3月末で、約2割とかなり少ない。

15年以上に渡り、競馬やFX（外国為替証拠金取引）にのめり込んで膨れ上がった借金の穴埋めにしたと言うが…

〈FXで負け続け10億もの負債〉
「FXでより高い利益を出すため、海外の取引業者を利用していた」とも言っている。高い利益を狙ってこんなに負け続けたというのか？

〈特に競馬好きとは見えなかった印象〉
またFXで負け続けているのに更に、競馬にものめり込むギャンブル依存症だったのだろうか？

今村が競馬ヲタクだったと言う情報は特に見当たらないという。
行きつけの呑み屋の店主も、呑み仲間と思しき人達に今村が「明日は何に賭ける？」「私は(競馬のこと)よく知らない」と問いかけている会話を聞いており特に競馬一途にハマっているそぶりは感じられなかったそうだ。

また、特にハイブランドを身につけているようにも見えなかったという。

ただ彼女を知る人によると
「ゆかちーさんは高い化粧品でも値段を見ずに次々に買っていた」
化粧品だけは良いものを使っていたようである。

〈盗んだものを記録していた〉
今村は几帳面な性格で「借金を返済するために、いつかは必ず返済し元に戻す」ために帳簿を常につけていたということが捜査関係者の調べでわかってきた。しかし、被害者の盗難品には、アクセサリーや宝石など現金以外のものも狙われておりそれらはどのように返すつもりだったのだろうか疑問が残る。

〈貸金庫は部屋に入る鍵も、金庫の鍵も銀行側がスペアキーで自由に使えていた〉
しかし、貸金庫利用者は三菱UFJ銀行側で貸金庫室の鍵や各金庫の鍵も厳重に保管してくれているだろうと顧客の誰もが思っていたが、まさか支店長代理クラスがこのような窃盗を計画的に行ってきたとは考えもしなかっただろう。

スペアキーは顧客の印鑑と銀行管理者、すなわち今村の印鑑で割印を押した封筒に入れ保管されていると言うが、更にその封筒は施錠された金庫室の中の、施錠されたキャビネットにて保管されているというがその管理も今村だった。

封筒ののりも丁寧に剥がし、例えば下側からなら割印も開封されないだろう。判らぬように元に戻していたという。その開封に気づくのも支店長代理の今村しかいない。

〈今村容疑者のスマートフォンからは800枚ほどの貸金庫内の写真が見つかった！〉
これらは「借金を返したら、いつかは必ず戻す」というような理由ではない。むしろ身の保全だ。写真を撮影したことにより、盗んだ後、元の位置がわかるように細工を施すためだと言うことだった。

〈貸金庫顧客が突然来店した時の手口とは？〉
貸金庫の利用者が突然来店したときには、巧妙な手口を使っていたという。

顧客が来店した際には部屋に入るためのシステムを意図的に遮断。「どうやら故障してしまって」と説明。中に入れないように工作していた。

実際に被害に逢った顧客の証言によると
2024年夏頃、確認に行った際、今村と思われる行員が金庫室の前に立っていてシステムの不具合で本日は利用できないと説明してきた。

また今村は顧客に気づかせないように小細工を施していた。ある顧客から札束を使うと、別の顧客から札束を盗んでそれに補填した。

質店に持ち込んだ金塊を、盗んだ現金で買い戻し、元に戻すといったことを繰り返ししていたのだ。

こうした事をバレずに行うため、帳簿と画像で貸金庫を念入りに記録していたと見られている。貸金庫を管理する立場の権限者として4年半にも渡る手の込んだ計画性犯行と証拠付けられる。

今村は金庫室に近付くときも周りの行員に怪しいと気づかれないように常に再三の注意を払っていた。

〈三菱UFJ銀行の責任は重い〉
捜査関係者によると、今村は2013年には700万円以上の負債を抱えていたというのだ。
しかしその後も、FX投資などで10億円以上の借金ができてしまっていた。
消費者金融には多額の借金ができていた。その返済に盗んだ金品を充てていたという。
三菱UFJ銀行はこの事件で、債務者に管理職を任せる内部監査の甘さを指摘されている。

〈原則銀行員は、投機的な取引は禁じられている！〉
銀行員は投機的取引は禁じられており、FX取引はできないはずである。なぜそのようなことを支店長代理として知っていながら、このような事態になるまで平常心を装い窃盗とギャンブルを続けたのか？

〈発覚している盗品は実は氷山の一角？〉
事件発覚から逮捕までの間約2ヶ月。貸金庫は、実は銀行側が何を預けているか把握できておらず、中身は利用者本人にしかわからない。
銀行側は顧客の利用には立ち会わないため何を預けているかの確認が取れずにいた。

それをいいことに、実は貸金庫の紛失物は顧客の大切な私物、骨董や高価な装飾品もあり、それら顧客が警察に被害届を出せずにある。

盗んだ金塊はたまたま売れずに店頭にあったから証拠となったが、他の盗品はどこへ行ってしまったのか。解明が待たれる。

玉川支店のとある顧客の証言によれば
「当時しまってあった一番太いネックレスがなくなっている」
「一億円相当の指輪がなくなっている」

預けた方も、まさかこのような目に遭うとは思わず、預けた証拠などの立証が出来ずにいるのだという。預けた時に、中身を記録している人は少ないからだ。

利用者は警察の立会もないまま銀行側の書類に「認識の相違」を記入するだけの自己申告のようなものを、記憶をたどって書かされている。

その証拠も、今村の残す帳簿とスマホの800枚の画像を提供するのみ。　　

しかも被害届を出さずにいる被害者がまだいるという。

〈夫の家は資産家しかし既に離婚していた〉
今村は、埼玉県出身。母子家庭で育った。夫とは職場で知り合ったというのだが、夫は東証スタンダード上場のメーカーに勤める会社員とのことだ。

二人には共通して、テニスの趣味があった。

長い付き合いの末2014年頃結婚した。式は、都内のレストランを予約してウェディングパーティ形式で行われた。
今村姓は夫のほうである。二人の間には子供はいない。