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【岸田文雄前首相襲撃事件:検事の不適切発言が発覚、最高検が「不適正」と認定】

昨年4月、和歌山市の漁港で岸田文雄首相(当時)の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、殺人未遂罪などに問われた木村隆二被告(25)の取り調べ中に、検事が人格を否定するような発言を繰り返していたことが明らかになった。最高検察庁は、この取り調べが「不適正」と認定し、関係者への指導を行った。

事件は令和5年4月15日、和歌山市雑賀崎漁港で発生。木村被告は選挙応援に訪れた岸田首相らを殺害する目的で手製の爆発物を演説会場に投げ、爆発させた。この爆発で警察官や聴衆2名が軽傷を負ったものの、岸田首相にけがはなかった。木村被告は威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕され、その後、殺人未遂罪を含む5つの罪で起訴された。

取り調べを担当した和歌山地検の男性検事(36)は、木村被告が黙秘を続けている中で次のような発言を繰り返した。
「かわいそうな木村さん」
「木村さんは社会に貢献できていない」
「木村さんの替えはきく」
「法律の専門家(検事)はメジャーリーガー、木村さんは小学校低学年の知識」
さらに、検事は木村被告の引きこもり生活を指摘し、人格を否定するような言葉を投げかけた。また、目の開閉を用いて質問に答えさせるなど、非人道的な方法を用いた取り調べが2時間以上にわたって行われた。

同年5月、木村被告から「侮辱的な発言が複数あった」と申告があり、弁護人が和歌山地検および最高検察庁監察指導部に抗議を申し入れた。最高検は録画記録を基に調査を行い、検事の発言に人格否定が含まれているとして「不適正」と判断。和歌山地検は検事に対して指導を行った。

検察を巡る他の不適切事例
検察の取り調べにおける問題は、この事件に限らない。近年、以下のような問題が相次いで表面化している。
・参院選広島選挙区買収事件(令和元年): 取り調べが不適正であったと最高検が認定。
 ・大阪地検特捜部の横領事件: 検事が「検察なめんなよ」などの暴言を吐き、机をたたくなどの威圧的態度を取った。大阪高裁は特別公務員暴行陵虐罪で裁判を開く「付審判決定」を下した。

今後の課題
・取り調べの適正化
取り調べの録音・録画義務化により問題が可視化された一方で、検事の倫理教育や捜査手法の見直しが急務となっている。
被疑者の人権保護
人格を否定する発言や長時間の拘束など、取り調べの在り方が大きな課題として浮上している。
信頼回復に向けた改革
検察全体の信頼を回復するため、公正で透明性の高い捜査手法の確立が求められている。

木村被告の裁判員裁判は令和6年2月4日から和歌山地裁で開始される。今回の取り調べの不適正が裁判にどのような影響を及ぼすのか、注目が集まる。

参考サイト:さくらフィナンシャルニュース
検事、取り調べで侮辱 被告に「引きこもり」「替えがきく」 最高検「不適正」
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