第1話 ルミエール学院へ
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由緒ある名門校−私立ルミエール学院。そこは、日本中の金持ちたちが入学する全寮制の一貫校だった。
「…うわー、すごい場違い感」
大きくそびえ立つ塀と黒い門。そこからちらりと覗くのは、やけに大きい校舎。白を基調とした校舎は、太陽に照らされてキラキラと輝いている。
何故一般庶民の私がここにいるのか。一言でまとめると、借金完済のため。
私の家は、もともと小さな雑貨屋を営んでいた。生活は苦しいながらも、両親は手先の器用さと好きなことを活かした仕事がしたかったらしい。私も、部活終わりにお店の手伝いをしていた。
だけどある日、お店に来た大男たちによって突きつけられた多額の借用書。その返済に明け暮れた両親は、いつも以上に仕事に精を出していたものの…過労により急逝。
葬式に現れた大男たちの提案により、私は私立ルミエール学院に来た。
「お待たせいたしました」
「来なくて良いって言ってるんですけど…」
私の大荷物を持って微笑みかけているのはー…生徒の監視人、そして私の世話係でもある執事の小笠原さん。
「いえ。これは執事の仕事ですので」
大男たちの提案…それは−
《金が返せねぇってんなら、金持ちの男でも引っ掛けて来い!
それができねえなら…なあ?》
学院を卒業するまでの2年間。私は、ここで援助してくれる人を見つけなくてはならない。見つからなかった場合…コンクリ詰めにされて東京湾に流される。
「どうされました?中で皆様がお待ちですよ。
悠お坊っちゃま」
「お坊っちゃまって言わないでください!」
男装でも何でもする。私は絶対に、ここで援助者を見つけなければならないのだから。
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