第3話 ハイレベル過ぎる
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「(…はぁ…)」
サイドテーブルに肘をつき、ぼんやりと前を見る。きっちりとスーツを身に付けた教師が教室に入って来た。
「悠様。授業が始まります」
小笠原さんに促され、姿勢を正した直後に鳴り響く始業の音。ペンを手に持ち、私は授業に集中した。
*
「(あー…あっっったまいったい…)」
長かった授業が終わり、昼食の時間。さすが、次世代の金持ちを育てるルミエール学院。授業内容がハイレベルすぎる。
今日やった授業は、音楽・化学・数学・体操・美術。どれを取っても、一般の高校で習うような内容じゃない。
「お疲れのようですね、悠様。
…本日のデザートは、マカロンと…焼きプリンをご用意しております」
「えっ?焼きプリン!?」
静かなカフェテリアに響く私の声。思ってた以上に反響してしまった。
「ご、ごめんなさい…」
ペコリとお辞儀をし、お皿の横にあるナイフとフォークを手に取った。
「なんかさあ!」
声を荒げたのは沢渡晃介だった。驚きのあまり、思わずフォークを落としそうになる。それを見事キャッチした小笠原さん。
「お怪我はございませんか?新しいフォークをご用意致します」
フォークを取り替えてくれた小笠原さんに、私はペコリと頭を下げる。
「お前さ、なーんか違うんだよなあ」
そう言いながら、私の前の椅子に腰をかけた沢渡晃介。違う、と言われ思わず心臓が跳ねる。
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