第3話 ハイレベル過ぎる

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「(…はぁ…)」

サイドテーブルに肘をつき、ぼんやりと前を見る。きっちりとスーツを身に付けた教師が教室に入って来た。

「悠様。授業が始まります」

小笠原さんに促され、姿勢を正した直後に鳴り響く始業の音。ペンを手に持ち、私は授業に集中した。

「(あー…あっっったまいったい…)」

長かった授業が終わり、昼食の時間。さすが、次世代の金持ちを育てるルミエール学院。授業内容がハイレベルすぎる。

今日やった授業は、音楽・化学・数学・体操・美術。どれを取っても、一般の高校で習うような内容じゃない。

「お疲れのようですね、悠様。
…本日のデザートは、マカロンと…焼きプリンをご用意しております」
「えっ?焼きプリン!?」

静かなカフェテリアに響く私の声。思ってた以上に反響してしまった。

「ご、ごめんなさい…」

ペコリとお辞儀をし、お皿の横にあるナイフとフォークを手に取った。

「なんかさあ!」

声を荒げたのは沢渡晃介だった。驚きのあまり、思わずフォークを落としそうになる。それを見事キャッチした小笠原さん。

「お怪我はございませんか?新しいフォークをご用意致します」

フォークを取り替えてくれた小笠原さんに、私はペコリと頭を下げる。

「お前さ、なーんか違うんだよなあ」

そう言いながら、私の前の椅子に腰をかけた沢渡晃介。違う、と言われ思わず心臓が跳ねる。

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